交通の実態を示していない国土交通省のアンケート集計
-平成 22 年全国都市交通特性調査集計結果から- 平成 24 年 8月
http://www.mlit.go.jp/common/000223779.pdf
全国3万8千世帯からのアンケート調査、大規模調査といえると思うが問題はその集計方法にある。用語解説(青色文字の部分)を転記すると、
〇 代表交通手段: 1つのトリップがいくつかの交通手段で成り立っているとき、このトリップで利用した主な交通手段を「代表交通手段」といいます。主な交通手段の集計上の優先順位は、鉄道>バス>自動車>二輪車>徒歩となっています。
この記述の例にあるように、一つのトリップ単位の中に「鉄道」利用があると鉄道だけの交通手段を利用したとして集計されてしまう。
この最大の疑問は、鉄道に限らず公共の交通機関利用では、それだけで完結する場合はなく、歩行・自転車等の併用が必要なことは誰にでもわかる。あえてこのような集計方法を行ったのには何かの意図があるのだろうが、アンケート票を見ると、駅やバス停までの交通手段や所要時間も聞いている。
さらに言えば、最下位の優先順位徒歩に集計されるのは、徒歩だけでの外出として回答した場合のみで、小中学生の通学の他では、散歩か、近くのコンビニ(あれば)に買い物ぐらいのものであろう。これでは歩行の実態を表していないのは明らかである。
自動車(自分で運転・同居の家族の運転に同乗)では多くの場合、戸口から戸口までのトリップとみられ、この場合には単独集計値は実態とあまりかけ離れてはいないだろうことは容易に考えられる。
しかし、自動車交通も、集計上の優先順位は公共交通機関の下位にあるので、駅周辺の駐車場を利用する利用者では集計上欠落するとみなさなければならない。日本では、鉄道利用者の数に比べ駐車場の収容数は少なく、自動車利用数に関しては、ほぼ実態に近いと思われる。
以上の考察から、この集計表の交通手段の分担率で意味のある情報は、自動車と、それ以外の交通手段との二つの分類の場合だけであろう。そして後者は、現実の歩行・自転車等の分担率とほぼ同率とみてもよいだろう。
このデータベースを用いて交通手段分担率と交通事故死について考察したわたくしのブログ。
https://spaceglow.wordpress.com/2013/06/05/日本の歩行者の交通事故死が先進国中異常に多い/
公共交通機関は交通手段として、安全、エネルギー保全、地球環境への影響などいずれの面でも優れているが、”外出単位”(ある目的で外出し帰宅するまでを1単位と数える)で見るとき、公共交通機関だけで完結することはない。ほとんどの場合、徒歩・自転車・自動車(乗用車運転・同乗・軽自動車・モーターサイクル)などの併用で成り立つ。
したがって、公共交通機関の利用は安全であるという”神話”は外出単位で見た場合実情に合わない。特に日本の歩行者の交通死が先進国中異常に多いことの原因を考えるとき、欧米諸国に比べ、都市部・都市近郊での公共交通機関が発達している結果として、歩行・自転車の利用割合が高ことが原因と推定される。
1外出単位ごとの交通手段の利用割合を考えてみるとき、移動距離、移動に要した時間の割合等、どの指標を使うかでも解析の結果は異なってくるので難しい。残念ながら、そのようなデータベースの存在は知らない。
一例として以下のデータから分析を試みよう。
-平成 22 年全国都市交通特性調査集計結果から- 平成 24 年 8月
国土交通省 国土交通省 http://www.mlit.go.jp/common/000223779.pdf
この報告書は、アンケート調査の集計データベースである。報告書中の用語の説明は
〇 トリップ: 人がある目的をもってある地点からある地点へ移動 した単位をトリッ プとい、目的がかわるごにトリップもかわります。1回の移動でいくつ交通手段を乗 り換えても1トリップと数ます。目的がかわると2番 目のトリップとなります。
〇 代表交通手段: 1つのトリップがいくつかの交通手段で成り立っているとき、このトリップで利用した主な交通手段を「代表交通手段」といいます。主な交通手段の集計上の優先順位は、鉄道>バス>自動車>二輪車>徒歩となっています。
私のブログでは、トリップ(trip)の代わりに”外出単位”と表現します。また、公共交通機関利用を含む外出単位の場合、国土交通省のこのデータベースでは、主な交通手段に公共交通機関として集計されてしまうが、公共交通機関の単独の利用は考えれれないことから、自動車(自分または家族の運転)以外の外出単位では、同時に徒歩・自転車その他を利用するものとみなし統計しました。
このグラフは上記の国土交通省データベースから、外出単位ごとの歩行等の実行分担率を描いたもので、全国の平均の歩行等の分担率は55%程度(2010年度)である。いずれの区分でも大都会ほど歩行割合が多いことがわかる。
下のグラフは、私のブログ https://spaceglow.wordpress.com/2013/05/18/公共交通機関の整備だけで歩行者交通事故の死者/ で記載したグラフ、「全移動手段における歩行の割合」に日本のデータを付加したものである。
これで見ると、日本は歩行者の分担率がヨーロッパ諸国死比べとび抜けて大きいことがわかる。全事故に対する歩行死者の割合は、日本が報告したOECDの値よりとったものである。
グラフ中 X 印は、近似関数から推定した日本の高齢者の死者の割合を参考として記入したものである。歩行者のみの死者比率では高齢者は50%以上となるが、ここでは全交通死者との割合である。
このグラフを見て、世界で最も交通安全の進んだ西ヨーロッパ諸国と日本の歩行者の事故要因に本質的な変わりはなく、ただ日本では歩行者が多いのが原因しているといえる。
不思議なことに、ヨーロッパでは交差点がラウンドアバウト方式が主流で、日本と交差点の方式が異なるにも関わらず統計結果を見る限り変わりはないようである。
私がこのブログでたびたび証拠を挙げて示してきたように、日本の運転者は、自動車相互の事故ばかりでなく、対歩行者に対しても、世界で最も安全な運転者であり、歩行者も諸外国に比べて横暴とは見られない。日本で歩行者の交通事故死者が多いのは外出単位当たりの歩行者分担率が高いからであることがこれで証明されたと思う。
歩行者事故を運転者のせいにし自動車交通を減らせば歩行者が増え、かえって通事故死者の数が増えると分析したヨーロッパでのケーススタディーの結果を証明しているともいえよう。 https://spaceglow.wordpress.com/2011/01/19/高齢者に対する厳しい運転免許更新条件は、かえ/
今まで交通事故に対する研究で空白となっているのが歩行者の安全研究で、これが最重要な課題であることがこれによってわかる。公共交通を進めるのであれば、現在の道路環境を科学的研究に基づいて合理的に変える必要があり、そうでなければ、最も安全な交通手段は自動車利用である。このことは高齢者に顕著に表れている。
自賠責保険の支払保険金年次上昇推移の疑問点
下のグラフは、自賠責保険審議会の資料から死亡と障害の保険金支払件数の年次推移を描いたものである。
2007年以前と2008年以後で不連続に変化しているのは、2008年からJA共済のデータがこの資料に含まれたことによる変化と見られる。
2008年以前の支払死亡件数が警察庁の統計より低いのはJAの支払件数が入っていいないせいかもしれないが、当時のJAデータがないので検証出来ない。
2008年以降は警察庁の死亡件数と一致して推移しているので一見正しいようにみられるが、自賠責では自損事故は支払の対象になっていないが警察庁の事故数には自損事故も含まれている。警察庁のデータベースでは、自損事故と被災事故と分けて公表されていないのでわからないが、当然死亡事故の自賠責支払件数は、警察庁事故件数より少なくならなければならないはずである。
2008年以降の障害に対する支払件数の上昇トレンドは何に原因するのであろうか? 医師会委員の指摘しているように、医業類似行為に患者が流れ施術期間が長くなっている結果であろうか。医師会側の主張では、症状固定システムにより賠責保証分の平均医療費は16万円程度で年次増加はない。それに対し医療類似行為に対する支出は32万円程度でありそれが支払い増の原因と云う。
しかし、賠責保険の傷害事故に関する平均支払金額は2003年以降変わっていないことを見ると施術機関が長くなったせいではなく、傷害に対する支払件数が増加したためとみられる。
自動車自体の乗員の死亡事故を防ぐエアバッグなど安全装備の装着が進歩し、同一規模の事故に対し死亡件数が減少し、それが障害件数の増加につながるという医師会側の指摘は事実であろうが、警察庁のデータではその効果が現れていない。しかしながら、障害に対する自賠責支払件数は警察庁障害事故件数に比べて上昇トレンドを示している。
自賠責保険料はユーザーにとって大きな負担を強いられている国家が決める一種の税金であり、その適正額を審査する審議会は、事実に基づいた検証可能なデータベースを公表した上で初めてその説明責任が果たせるのではないだろうか。
議事録・質問・応答記録を見る限り、審議委員は、金融庁の損害保険算出機構の作成した要約の資料(公表される)をその場で配布され、委員長は、2,3の質疑応答を促し、数人の委員の質問に事務局の回答が終わったところで結論を諮り、時間内(他の5つほどの議題を含め)2時間程度で「異議なし賛同」を得ることを目的に、滞りなく進める儀式の感が強い。
以上が私がここ数日調べた結果の感想である。
自賠責保険審議会資料 過去データが審議会の回毎に変る不思議
自動車損害賠償責任保険審議会の議事録 質疑応答を読んでⅡ
第131回 2013 議事禄からの抜粋 http://www.fsa.go.jp/singi/singi_zidousya/gijiroku/20130109.html
【藤川委員】 藤川謙治 日本医師会常任理事
先ほど料率算出機構から詳しい説明がありまして、非常に改善してきたという意識を持っております。我々日本医師会としては、被害者救済のために、可能な限り後遺症の残らないように、短期間で治癒にもっていくのが責務だと考えております。
問題は、軽症が9割を占める交通事故において、症状固定をするときに、医療機関で、被害者意識の強い患者さんたちに対してどうやって症状固定、治癒の状況にもっていくかいつも難渋しているところです。
後遺症診断書を書くのが1つの最終的な症状固定の区切りになるのですが、軽傷の場合に自覚症状が多くて、後遺症の判定にあてはまらない場合が多いのが現状です。軽傷の頸椎捻挫等においては、ほとんど自覚症状が主訴をなすことが多いので、その時点である程度の期間、裁判の判例で言えば、数カ月の間に症状は固定します。その時点で症状固定の診断を医師が書くのは、ベテランの医師であっても、特に整形外科医であっても難しい場合があります。
医療機関に来ることによって、最初の初期症状によって、見込みに関して予測の診断書を書くわけです。例えば頸椎捻挫の場合は、普通は1週間ないし2週間の通院安静加療。神経症状がある場合、入院する場合でも、加害者の責任問題もありますので、そんなに長期間、2カ月、3カ月という診断書は書かないわけです。まず短期に書きます。もちろん治療自身はそれより延びても構いません。医療現場では、頸椎捻挫の症状固定が遷延しないように努力をしているところであります。
医業類似行為等に患者さんが流れる場合は、どうしても施術の期間が長くなってしまいます。そこでは症状固定になっても後遺症診断という手続きが使えないわけです。後遺症というのは、最終的に一時金で自賠責保険から、慰謝料、休業補償と同じように払って、その資金によって、今後自分の疾病として、後遺症として健康保険等を使って治療を続けていくことができるわけです。医業類似行為、はり、灸、マッサージ、柔道整復師も含めてですけれども、症状固定するシステムがありませんので、原則論として整形外科医ないしは脳神経外科医、脳神経内科でもいいですが、頸椎捻挫に関しての症状固定にもっていく場合に、軽傷であっても初診から医療機関に必ず受診をさせるべきだと思います。
例えば先ほど話がありましたように、物損であって、数日後に頸椎の症状が出る場合があります。そういう場合でも、必ず医師の診断を受けるとともに、専門医である整形外科医ないしは脳神経外科、脳神経内科に受診をして治療を開始する。そのことによって症状固定もスムーズに行くし、必要であれば後遺症診断も受けられ、被害者である患者さんの損害をきちんと補填できると考えております。今後とも監督官庁からも警察に関しても、事故証明等を出す場合は医療機関を必ず受診するようにという指導をしていただきたいと思っております。以上です。
【藤川委員】
先ほど、社費の見直しについて、73億円、前回、改善したということで、今後もしっかりそういう無駄な費用を出さないようにしていただきたい。
もう一つは、やはり交通事故自身が、軽傷化し、死亡事故が減り、件数が減っているにもかかわらず、支払保険金が減らずに8,000億円前後で長期(10~20年)間推移している。そこが問題であるのではないかと思います。物損事故は増えていますが、それは任意保険で払いますので、自賠責には影響ありません。物損は増えているけれども非常に軽傷で、エアバッグやシートベルトのために重症事故が減ってきたことからすると、当然支払保険金が減らなくてはいけないはずです。治療費に関しては、医療機関においては平均16万円で過去10年続いており、経費がかからず治っている、ないしは、軽傷の方が圧倒的に多いわけです。外来通院の方が圧倒的に多いということですが、医業類似行為等においては、療養費が32万円という平均値が出ておりまして、しっかり見直すべきではないかと考えております。自賠責保険における医療費と別に療養費のデータの情報公開をする時期に来ているのではないかと思います。
健康保険でも、3,000億円から4,000億円と療養費の支払いが増えてきており、ゆゆしき問題になってきています。これは圧倒的に、柔整の学校が増えて、卒業生が増えて、8,000人近くの方が卒業して、柔整の国家試験を受ける。実際は5,000人から6,000人が合格しております。柔整の世界でも数の増大が仕事、経営するにおいても共倒れにつながっていくのではないかということが大問題になっております。
この辺も加味して、自賠責保険における健全なる支払保険金の適正化という点において、治療費が問題ではなくて、慰謝料・休業補償という、治療期間が長引くことによって支払保険金が減らないというのが実態ではないかと思います。将来的に医業類似行為の療養費のデータを公表していただくことと、長期間になる施術に関しても、医療機関の治療期間に関して、襟を正して必要以上の治療はする必要はありません。症状固定ないし治癒にもっていくことは、日本医師会としても、医療機関にも襟を正していただき、施術所も襟を正して、自賠責保険の適正なる活用をし、国民の大事な自賠責保険金を適切に確保していくことが大切ではないかと思っております。
引用以上
この2度の藤川氏の発言に関しては質疑応答なし、落合会長は次の話題の発言をうながすのみで藤川氏の云いっぱなしといったところ。
このテーマⅠ で示したように、保険業界の傷害・後遺症の保証件数のみが警察庁統計の傷害事故数に比べ年々上昇している原因は、上記の藤川委員の発言の中の青色文字であらわした部分の内容を如実に表しているのではないだろうか。
すなわち、保険協会側は、明確な医療診断の根拠なしに医療以外の治療類似費の補償金を支払っているが、この実態を示す統計データがないことが原因であるといえないだろうか。この問題は、保険支払い側が、実証可能な証拠のあるデータを公表し、これに基づいて慎重に審議されるべき最重要な審議内容であるはずであるが、藤川委員の発言だけで、質疑も審議も行われていないことがわかる。
この議事録で見えてくるのは、問題の核心を避けて、初めから審議案を了承するための儀式であるということである。
頸椎捻挫に関しての症状判断は難しく、イギリスでも問題にされ、イギリスの全医療機関で治療した患者数より、保険業界側の発表した同症例の医療保障件数の方が多いことが明らかになった事例がある。
https://spaceglow.wordpress.com/2011/12/15/イギリスでも%e3%80%80公正取引局が自動車保険料を調査/
自動車損害賠償責任保険審議会の議事録 質疑応答を読んでⅠ
第131回 2013 議事禄からの抜粋 http://www.fsa.go.jp/singi/singi_zidousya/gijiroku/20130109.html
質問:[堀田委員] 堀田一吉慶応義塾大学教授
先ほどのご説明の中で、5ページですけれども、ちょっと教えていただきたいのですが、平均の支払保険金の欄であります。
死亡と後遺障害、このあたり、最近は減少傾向にありますけれども、この理由は何なのかということです。
私が勝手に考えるところ、被害者の割合の中に高齢者が非常に増えていることがこれに反映しているのかどうかであります。被害者の半分が高齢者、65歳以上だということは、世界的に見てもある種異常な傾向なんですけれども、これがここに反映しているのかどうなのかということが素朴な疑問ですけれども、もしおわかりであればご説明いただきたいと思います。
回答 【鈴木(雅)委員】 鈴木雅巳 損害保険料率算出機構専務理事
堀田委員のご指摘のとおり、高齢者については、死亡・後遺障害につきましては、高齢者ウエートがどの程度になるかが、実は平均の支払保険金に影響をそれなりに与えます。
ただ、とりわけ影響が大きいのはやはり死亡のところで、これはもともと死亡のところで高齢者の方の死亡ウエートが一番高い。5割を超える水準にありますものですから、そこの部分で、この平均の予測の中に高齢者の今後の人口動向等も踏まえた影響を若干入れ込んでおります。
それから、後遺障害につきましては、死亡ほど高齢者のウエートが高くなくて、若干影響が、死亡とは異なるものがあります。
以上
この質疑応答、何一つ証拠となる事実の数値的情報もなく、漠然とした”思い”を述べただけの言葉の応答。これを審議というのだろうか。
この中で云われている資料の5ページの表と2ページの警察庁の交通事故発生状況の表から話の内容の基本となる情報をまとめて以下のグラフに描いてみた。
個々の損害の支払額の平均は死亡・障害ともに10年間変わっていない。このことを知ってか知らずか鈴木委員の回答は間違っている。
死亡数については、2008年以降は、保険側の死亡数と警察庁発表の数値は一致している。このことは、保険側の死亡者数も警察庁の死者数と同様減少の傾向であことになる。
傷害・後遺症害については2008年以降警察庁の負傷者数と比べると2007年までは一致していたが2008年突然25%上昇以後一定のとトレンドで上昇し2012年末には50%に達している。高齢者増加の影響であれば、当然警察庁のデータにも表れるはずである。これが補償総額の増加の原因であるがこのことに関しての質疑も審議もされていない。
この資料には高齢者の被害情報は何一つ含まれていない。そればかりか、死亡・障害を含め保障支払額の平均が変わっていないことからは、高齢者が死に安くまた障害の回復が長引くので補償支払いが高額になり保険収支が赤字になるという保険業界の説明の理由がうそであると判断せざるをえない。
この矛盾が、審議会での討議が漠然とした言葉のやり取りに終わり、客観的な事実の審議に入れない原因であろう。
この資料からただ一つ明確に分かることは、傷害・後遺症の保険業界側の件数が警察庁の事故データに比べ年々上昇していることが保険総額の支払い増の原因であるということである。
この件については 藤川委員 医師会常任理事の発言に関係するので この表題Ⅱ で書いてみよう。
不可解な自賠責保険審議会資料 第131回自賠責審議会資料より
以下のグラフは 「平成24年度料率検証結果について」、 第131回自賠責保険審議会資料1 のデータ表より描いたものである。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001108012
一目して不自然に見えるのは、収入保険料と支払保険料に、2007年と2008年で不自然な突然変異が見えることである。保険料の原因となる事故データ(警察庁)等には連続した継続性があり社会情勢の変化要因は見られない。収入保険料の減少は政策により値下げを強制されたとみるべきだが、これに反抗するように同時に支払保険料が増加しているのには理解できない。注: 2008年4月36.3%保険料引き下げ、2011年4月17.2%引き上げ、2013年4月13.5%引き上げ
保険業界の支払根拠として公表している事故データを見ると、2007から2008年に死亡、後遺症、障害等の支払件数が突然増加しているにもかかわらず事故単位当たりの平均支払保険料は変わっていない。これが2008年に保険支払総額が上昇した原因である。
そこで、警察庁の事故データと、保険業界の事故データを比較してみると、上のグラフのように2007年以前と2008年以後で明らかに不連続な変化が見られる。警察庁事故データと、保険業界のデータとは判定基準が異なると云う声が聞こえることは容易に予想がつくが、2008年の審議会では精査され了承を受けたのだろうか。当然この明細を記載すべきである。
後遺症補償額に、2008年以降上昇トレンドが続いているが、これが被害者の医療保障などを充実させるための支出であればよいが、保険業界顧問弁護士と医療機関の談合による過剰支出である可能性も憶測される。
イギリスでの例、 https://spaceglow.wordpress.com/2011/12/15/イギリスでも%e3%80%80公正取引局が自動車保険料を調査/
審議会は、保険業界作成の資料で審議するのではなく、科学的に評価された証拠を基に審議会が独自に作成した検証可能な資料で審議すべきである。
.下のグラフは、政府統計の総合窓口 交通事故発生状況>2012、{○ 高齢者の人口、運転免許保有数及び死者数の推移}の表から描いたものである。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001108012
これは、道路を歩行・自転車通行中に起こった死亡数を、乗用車乗車中または乗用車運転中の交通事故死亡件数とを比較したものである。言い換えれば、乗用車利用に比べて歩行・自転車交通の死亡確率を見るものである。
この比が1以上の場合、歩行・自転車が乗用車利用より死亡数が大きいことを表す。
15歳以下では運転はできないので、乗用車同乗中との比較であるが、2倍以上の死亡件数である、これは主として歩行による通学で歩行頻度が高いことによると思われる。年齢区分では、50歳以上で1以上になり、運転中との比較では80歳以上で5倍を超える。この結果は2012年度の日本の交通実勢状態での事故の状況を表すもので、車交通と歩行・自転車利用のどちらかが安全かを示すものではない。たとえば80歳以上の運転者の数が少ないことが原因しているとみるべきだが値警察庁のデータベースでは、事故に関連したデータのみで、事故に関係しない交通の情報がなく、安全率を算出することができないからである。
この結果からはっきり言えるのは、車交通に比べ、歩行・自転車の実勢での事故死傷数が大きく、その犠牲の多くが、小・中学生の通学と高齢者の生活移動中によるものと推定される。
日本で現在最優先で取り組まなくてはいけないのは、一般道路での歩行と自転車をいかにして減らすかの政策であり、運転免許条件を激しくしたり、運転者の過失責任を重くすることではない。
たとえば、通学路はすべて監視カメラで映像を記録できるようにし、できるだけ専用道路として分離し、通学路の交差点・横断歩道には通学優先の押しボタン信号機を設置し、横断中はすべての方向の車を停止させる。これは交通システムとして非現実的ではなく、アメリカ・カナダではスクールバスにはストップサインを出す装備があり、子供の乗降中および道路横断中はその間すべての方向の車が停止する義務を負っている。
高齢者には、できるだけ高齢まで運転可能な電子機器による補助装備を装着した車を奨励し、歩行や自転車を利用しないでも生活できるよう安全な交通を確保することが先進国の品位であろう。
下記に、2011年1月19日に書いたイギリスの研究を紹介したわたくしのブログをリンクします。
高齢者に対する厳しい運転免許更新条件は、かえって交通事故死者を増やす ヨーロッパでのケーススタディー https://spaceglow.wordpress.com/2011/01/19/高齢者に対する厳しい運転免許更新条件は、かえ/
高齢運転者事故激増のうそ メディアはなぜ保険業界の嘘を指摘しないのか
下のグラフは、政府統計の総合窓口 交通事故発生状況>2012、{○ 高齢者の人口、運転免許保有数及び死者数の推移}の表から描いたものである。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001108012
これを見ると、65歳以上の人口とそれに伴う運転免許保持者数は年次を追って増加しているが、交通事故死者は総合でも、運転中でも確実に減少している。詳細にみれば運転中の死者は、2009年以降減少が止まったように見えるが、免許保持者数は継続して増加しているので相対的に死者率は減少しているとみるべきであろう。
この証拠から、どう見ても保険業界や交通安全関連業界のキャンペーン 「高齢者事故が激増し高齢者は危険な運転者である」 というのは根拠のない、悪意ある嘘としか理解できない。
不思議な発見 国別の道路交通事故死者数に歩行と自転車の間で相補性が見られること
OECDのRord Safety Annual Report 2011 の各国のデータより道路歩行者と自転車、その合計の事故死者数を調べてみた。
歩行と自転車との交通事故死者の間に逆の特性が見られ、双方の合計死者数の国別昇順曲線は滑らかな形状を示している。
生活に必要な移動はおのずから決まっているので、車の利用を除けば、自然この双方に相補性があると理解できなくもない。
日本の場合の特殊性、公共の交通機関を利用する通勤者の駅までのアクセスや、小学・中学生の徒歩通学、生活に必要な移動手段としての歩行や自転車の利用が多いことは推定できるが、公表された統計データを見つけていないので確認出来ていないでいる。
唯一、5月18日に私が書いたブログで証拠として挙げた公共の交通機関を利用するのに必要な道路歩行距離の統計(ノールウェイ)の例では1km以下となっている。
また、このデータベースから、1km以下の歩行でも、その間に起こる交通事故死は全歩行死者の80%にもなることもデータの分析で予測される。
日本のように、通勤に公共交通機関の利用や、それに伴う規則的な歩行、これは、環境、健康、また省エネルギー、すべての面でこれからの世界で進めていかなければならない社会システムとして正しいが、それには歩行道路の安全について科学的な研究とインフラ投資が必須である。
再度云おう、日本の自動車運転者は、世界一安全で温厚な運転をしていて、警察庁がキャンペーンしている「交通弱者」を無視している乱暴者との証拠は、どのデータベースからの分析でも出てこない。