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「お脈を計りましょう」外来診療現場からなくなった言葉 血圧測定中に分かることだが、計測値を記録されることは少ない 

2018/08/14

大迫研究にでは家庭血圧計測と同時に得られる心拍数の変動性と予後の関係が注目されていた。心拍が頻脈傾向を示すものは明らかに不良な予後が認められている。

最近ウェーアラブル健康ウォッチで簡単に心拍細動の警告を見ることができる。心因性の脳梗塞の原因として危険な突発性心房細動は稀に起こる現象で、診療中に見つかる確率は低い。下の画像は突発性心房細動の発生状況をエプソンのウォッチで記録したものである。突然発症し自然に停止する。急激な運動やストレスによる心拍上昇とは明らかに違う。しかし自覚症状は一般に軽微で気付かない人も多いという。

下のグラフはABPMで計測した(30分間隔)脈拍数で、上部バーコードは服用薬の経過を示す。ピンクの塗りつぶしは心房細動の記録範囲を示す。

脈拍数を表す点のバラツキは心拍の変動性を示す目安であり。大迫研究では変動が小さくなくなるに従い予後が不良となる。そしてこれらは血圧変動とは独立して認められ、臨床的価値の重視が提唱されている。変動の標準偏差などは以前のブログ記事に示した。

私の血圧 大迫研究に基づいた自由行動下血圧標準値と比べて

2018/08/13

1997年~2000年にかけて発表された日本の大規模研究、大迫研究に基づいた自由行動化血圧測定による高血圧基準値が作成された。

大迫研究の24時間自由行動下血圧(ABP)あるいは家庭血圧値(HBP)に基づきCoxモデルにより得られた基準値は、収縮期血圧/拡張期血として≧133/≧78 mmHg  となっている。「外来随時血圧、家庭血圧および24時間血圧の意義」Jams.med.or.jp/Symposium/full/118035.pdf

この研究の基となったデータは1900年代のもので、既にこの時点で薬効評価や血圧制御には家庭血圧や24時間自由時間血圧(ABP)の信頼性が最も高く、外来随時血圧は当てにならないことが分かっていた。また、2008年には自由行動下血圧モニター(ABPM)の使用が保険適用となっている。

下のグラフは私のABPMで得られた血圧・脈拍値平均にこの基準値を横線で記入したものである。

しかし20年以上たった今でも、2週間あるいは1か月毎の診療時に行われる診療室での血圧測定で診断され、複数の薬剤を継続処方されている場合が多いのではないだろうか?

少なくとも、ABPMを例えば週間単位で貸し出し、記録されたデータの統計処理による薬効評価をしたうえでの投薬が一般化しているとは思えない。

現状は、標準的な併用薬組み合わせが漫然と継続処方されていると思わざるを得ない。

 

 

 

多剤服用とその効果 高齢者に多い循環器・泌尿器管理で処方される併用薬

2018/08/12

下のグラフは、上部のバーに服用中の薬剤の継時経過を示したもので、下部の点グラフは脈拍数を表す。ピンクの部分は突発性心房細動時の脈拍数(心電図で心房細動であることの確認)を示す。

医師によるとこの薬種は極標準的な循環器・泌尿器に処方する服用薬と言われたことがある。

下のグラフを見る限り、ブロプレスの服用を中止後(この時点までブロプレスは10年余り継続服用)心房細動は見られなくなった。7月30日に見られる脈拍数上昇は、エアコン故障による高温と不眠のストレスのためで、心電図では心拍数は大きいもののリズムの乱れは見られない。

ブロプレス(アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬)単体ではどちらかといえば心房細動の発生を予防する可能性が高いようで、添付資料による細動の副作用としては0.1%以下としている。上記の私の場合では多剤との複合による副作用と見られないだろうか?

下のグラフは、左端がブロプレスを服用中の血圧・脈拍数の平均値と標準偏差(エラーバー)、右4例はブロプレス中止後の場合で、各種Ca拮抗剤の組み合わせの違いによるそれぞれの平均値と、変動の標準偏差を示したものである。

これを見る限りブロプレスの効果は表れていない。Ca++,Ca拮抗剤の多剤服用が収縮期血圧の降下には有効で(左から2番目)、新しいアメリカのガイドラインでは正常の範囲を達成しているようだ。

しかし、できるだけ多剤併用を避ける立場で見ると、右側の2例、ワソランとアムロジピンあるいはベニジピンでは変わりなく、また日本の高血圧ガイドラインの閾値もクリアーしている。

なお、上記のデータでは季節変動を考慮していないので、ブロプレスを含む併用薬に変更のない2017年の季節変化を下のグラフに示す。

12月と8月に幾分平均血圧の上昇がみられるものの、収縮期血圧120~130mmHg、脈拍は冬や夏季にわずかの上昇は見られるものの、上記の判断に影響を与えるほどの変化ではない。

私の自宅は、年間昼夜を問わず24℃±2℃でコントロールしており、過酷な季節の野外での活動は出来るだけ避けるようにしている結果ではある。

 

医学部進学資格のための統一テストを実施し、その合格者の中から 各大学の責任を明らかにしたうえでの大学独自の選考方法があっても良いのでは

2018/08/09

今回の東京医科大学事件の大学側の言い訳は、医学教育には多くの教育労力と社会資金がつぎ込まれている。卒業後医師として社会に還元する可能性を考慮して減点係数を決めたといいたいのだろうが、こんな高校生レベルの言い訳しかできない大学幹部の社会認識に疑問を感ずるのは私だろうか?

医学部や法学部、教育学部に進学する資格として、4年制大学学部卒業後それぞれの専門職ととなるべき資質を問う全国統一テストを行こなう。この段階で教育に必要な能力や基礎学力をスクリーニングする。

各大学はその合格者の中から、大学独自の選考方法で入学者を決める。その段階で例えば教育投資に見合った社会貢献の可能性に関する個人評価(例えば、親が卒業生で長年大学に寄付を続けている子弟であり医師になる使命感が強い等)を重視する大学があっても良いのでは。入学選考はあくまでも受験者個人の評価でありこれは差別にあたらない。それには、公表された方式と、選考担当者の責任を明確にして行わなければならないことは言うまでもない。

受験生の性別や年齢、親の職業・資金力、同窓生の子弟などの違いだけで一律に評価の係数を決めるのは憲法に違反する差別であろう。

東京医大に端を発して露になった日本の医学教育の後進性  

2018/08/08

アメリカの大学で物理学の研究者として研究と大学院の学生の研究指導していた時、教授のお嬢さんがハーバード大学入学選考に合格した時期に居合わせ、具体的に入学選考方法の進展に伴ってその都度話を聞いた、日本のように1回の入学試験の点数だけで選考するわけではなく、多様な評価選考手順で総合評価される。学部を卒業後、優秀な彼女は同大学のメディカルスクールに進学した。

アメリカの医学教育は日本とは大変に異なっており、高校(ハイスクール)を卒業した後、カレッジ(4年制学部大学)に進学する。4年制大学で主専攻の他に、物理学・化学・生物学を履修する(あるいは理系の学部卒)。もしくは医学進学課程Pre-medical Courseに進んで前述の科目を強化したプログラムを履修する。

アメリカの医学生は、大学学部ではいろいろな職業に就く多くの学生と一緒に4年間教育を受け、学部レベルの専門領域の基礎学力を得たうえで医学部に進もうとする意志を決めた者たちである。そこで初めて医科大学進学のための共通試験で資格を得、医科大学(メディカルスクール)に進学する。アメリカの学生には医師になろうとする自覚が生まれてからの密度の高いカリキュラムにも耐えて勉学に集中しなければならない。また評価の高い大学の医学部では、高額の学資を親に頼るのではなく、奨学金を獲得したり、銀行からの融資が可能であり。質の高い医師、医学者になろうとする責任と気構えが既にある。

日本でも、以前は医学部進学学生も大学の最初の2年間は教養部制度で理科系の基礎教育が必須であった。教養部終了時点で医学部進学試験を課す大学もあった。この規制が外れ現在は6年一貫教育として、一般的な理学教育が軽視される傾向が強くなった。

日本の医学教育の欠陥は、親に資力があり18歳時点で”お勉強がよくできただけで勧められ医学部に進む”あるいは親が開業医で後を継ぐために医学部進学予備校で必死に入試勉強した若者の多くが受験、大学独自に行われる入学試験で1点でも得点が高い方が合格するのが公平とされる制度にあると思われる。これが東京医大事件の様な、点数操作による女性差別や年齢差別事件を生んだのではなかろうか。

日本では、医師国家試験に合格すれば医師の学位は得られドクターと呼ばれるが博士の学位ではない。医学博士は医師でなくても医学の研究業績を認められれば得られる。たとえノーベル賞の候補になるほどの医学博士でも医療行為はできない。医師の職業資格である。

このため、アメリカでは大学などでは研究者としての評価を受ける教授は一般にM.D.の他にPh.Dを取得している人が多い。

≪M.D.(Docter of Medicine)とD.O.(Docter of Osteopathy)≫

Ph.D. 法学、医学、教育学を除き文系理系を問わず大学の最高学位

医薬品の市販後安全性報告の極端に少ない日本

2018/08/07

下のグラフはある製薬会社が、市販後の血液抗凝固薬について、血栓原不明の脳梗塞症を対象に安全情報として独立行政法人医薬品医療機器総合機構に報告した未知重篤の副作用症例報告リストの国別報告数を描いたものである。

驚くことに日本はこの700例余りの報告の中でたった1例しか報告していない。下のリストは報告例の一部である。

この薬剤の報告された症例のほとんどは高齢者であり、日本は世界で超高齢者国、この種の薬剤の処方数は世界的に見て多いはずである。ここに示したのはほんの一例であるが、各種薬剤の治験資料でもほぼ同様である。

その理由を医師に聞くと、日本では医師の診療負担が重く、症例報告を書く余裕がないとのこと。

しかし、これほど極端で異常な現状を厚生労働省医薬局が放置しているのは不思議でならない。

日本では、新薬の認可が先進国に比べ多くの場合数年遅れていることに関連して、その理由が認可に必要な治験の報告数が集まらないと聞いたことがある。

とても医療先進国とは言えない状況はどうしてだろう。

エアーコンディショナーが故障した日  

2018/08/05

使用しているエアーコンディショナーは日立据え置き型空冷ヒートポンプで、エアーダクトで送風、家屋内を循環させるものである。

下のグラフは、エアコンが不調になった日のもので、31日午後2時過ぎ冷房機能が停止し送風のみとなった。家屋内温度(グラフの中段)は上昇を始め午後4時には28℃を超えた、日付が変わるころには30℃までになった、翌日2時過ぎ一時冷房が回復したがすぐに停止、結局早朝5時直前になってやっと正常に回復、8時過ぎに設定温度に復旧した。原因は冷媒の循環に問題があったように見えるが原因不明。

下のグラフは、この日夕方8時から翌日正午までの私の脈拍数と脈圧(収取期血圧と拡張期血圧の差)のABPM(自動血圧モニター)記録である。高温時ストレスが大きかったことが分かる。

この日、睡眠時間の解析値(エプソン・パルセンス)ではわずか2時間弱しか眠れていない。

14時間余り28℃を超えた居住環境は,健康に負担がかかっていたことが分かる。

比較のため、エアーコンデショナーが正常に働いているときの外気温と室内温度の記録グラフを下に示す。この日外気温は(上段)40℃近くま上がっていた、家屋内では寝室(中段)と家屋内を巡回して戻った室内機吸気温度(下段)を示す。

温度設定23℃の場合で、家屋内を代表する寝室の温度(中段)は21℃~25℃±4℃の変動範囲に保たれていることが分かる。

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