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高齢運転者は優しい運転者 自身の死亡事故に比べ他者への死亡事故の関与は少ない

2018/12/06

Journal of Transport & Health 8 (2018) 321
Fatality rates associated with driving and cycling for all road usersin Great Britain 2005?2013 より。

https://reader.elsevier.com/reader/sd/pii/S2214140517306035?token=9BEC60B077604A4C4F828E9C2D1C04C2EEEA760EE93729D50DA084943DE14079881459BC1D756EC857F28BAF2F343522

交通死亡事故数が60以上で少なく見えるのは、60歳以上では年齢層区分が細分化されていて構成人数が少ないことに注意が必要である、80歳以上では運転者自身の死亡数の方が加害事故死亡事故より大きいことが分かる。なお、このデーターベースでは30歳以下でも層区分が異なっているので注意が必要である。

更に状態を見やすくするために死亡者数の年齢層別構成比に換算してグラフを描いてみた。のが下図である。

これを見ると70歳以上では加害死亡事故より自身の死亡分担率のほうが大きく、いわゆる自損事故が大きい。これは加齢に伴う致死脆弱性による効果が大きいとも一因であろう。事故件数統計では異なった傾向になることは考えされる。

いずれにしても、高齢運転者が交通社会において重大な加害者側では無いことは明らかである。警察庁の高齢運転者を交通社会における迷惑な加害者と見せる差別は根拠の無いフェイク広報と言わざるを得ない。これはイギリスの例であるが、日本でも世界に通用する科学的に正しい交通安全分析学会が望まれる。

歩行者に優しい高齢運転者 アメリカ、イギリスそして日本のデーター分析から。警察庁が間違った情報を発信続ける原因はどこに?2018/01/22

https://spaceglow.blog/2018/01/22/%E6%AD%A9%E8%A1%8C%E8%80%85%E3%81%AB%E5%84%AA%E3%81%97%E3%81%84%E9%AB%98%E9%BD%A2%E9%81%8B%E8%BB%A2%E8%80%85%e3%80%80%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%80%81%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9/


歩行者に優しい高齢運転者 アメリカ、イギリスそして日本のデーター分析から。警察庁が間違った情報を発信続ける原因はどこに?

高齢者の外出目的の違いと利用交通手段による事故死亡率の試算 中短距離では乗用車利用が最も安全な交通手段である

2018/12/05

高齢者の道路歩行は最も危険な交通であり、公共の交通機関は外出の目的を達成するために必ず歩行が含まれる。歩行や自転車利用は短距離であっても危険率は非常に大きい。乗用車利用はこの危険を最小限にする最も安全な交通機関といえる。

高齢者の生活に必要な最低限の外出とその交通手段の違いによる事故死亡率を試算してみた。計算の基礎はフランスのデータベース・昨日の記事”Exposure-based road traffic fatality rates by modeof travel in France”から Fatality rates per million hours spent travelling の表を用いた。

  • 上の表は4つの交通手段による100万時間利用当たりの事故死亡率で男性の統計データである。フランスの市街地では自動二輪が多く利用されているが日本では一般的ではないので省き、3つの交通手段について外出目的の違う3例について試算してみた。

外出目的としては、短距離:往復1km以内、中距離:5km以内、長距離:20kmのモデルを考えた。それぞれの利用可能な交通機関として短距離では歩行、自転車、乗用車。中距離では自転車、乗用車、バスまたは電車。長距離では乗用車、電車バス。ただし公共交通機関利用では必ず歩行が伴うので一旅行あたり1kmの歩行を加えた。このモデルの基礎データを下表に示す。高齢者>=70の場合。

  • グラフの左、短距離:往復1km以内では可能な交通手段として歩行、自転車、乗用車の三手段であるがこんな短距離でも死亡率は歩行が最も危険、乗用車利用が最も安全であることが分かる。
  • 中央のグラフ中距離では一般に歩行は無理であろう、自転車が考えられるが最も危険な交通手段であることが分かる、都会などではこの距離でも公共の交通機関(タクシーを除く)利用が可能な場合があるが、乗車前後の歩行距離1kmを含めて試算すると公共交通期間利用は最安全ではなく、乗用車が最も安全なことが分かる。
  • 公共の交通機関が最も安全になるのは20km以上の距離を移動する場合のみである。以上の計算では、乗車中の安全なバス・電車の乗車中の死亡事故率はゼロとして考えた。
  • このデーターベースでは、自動車乗車中の場合であり運転者だけの値ではない。高齢者の場合同乗の比率が高いので乗用車利用の死亡率はこれより高いとみるべきだろう。
  • 日本のデータベースでは交通手段による距離当たり、時間当たりの事故率の統計データが見つからないのでやむを得ずフランスのデータを用いて試算してみた。

この論文では、死亡事故のような稀な現象を詳細な分類に分けて分析する場合、統計ではポアソン分布を適用して結果の信頼度(95%誤差範囲)も合わせて記載している。またこの論文を記載している出版誌は専門的な査読を経て記載されている世界で信頼されているものと私は理解している。

年末が近づくと交通事故のメディア記事が盛んになるが、高齢運転者の正面衝突死亡事故が昨年同期6件であったものが今年9件50%の増加といった統計学の初歩も知らない低次元の記事はフェイクニュースと評価すべきであろう。警察庁の広報でもこのような疑い記事を見たような記憶がある。

年齢層別交通事故死者構成率と道路利用量パラメーター(移動距離・時間・外出回数)の関係

2018/12/04

道路交通暴露基準の違いと死亡事故率。フランスの場合。

  • 下のグラフは年齢層別交通事故死者の構成率について、所要時間、移動距離および外出回数の同構成率と比較したものである。

17歳~20歳区分は年齢区間が他の区分と異なるので除くと、70歳以上の高齢者層は外出の機会が少ないのにかかわらず死亡分担率が高いことが分かる。

高齢歩行者は歩行距離や歩行時間が少ないにかかわらず交通事故死亡者は極端に多い

2018/12/04
道路歩行と自動車運転の死亡事故の年齢層別構成率と移動距離時間の関係の実態  イギリスの場合 高齢歩行者は年齢とともに歩行距離、時間共に少なくなるのに事故死者数は急激に増加する。それに比べ運転事故死者はほぼ一様で増加していない。 警察権力による高齢運転免許の強制適正審査を義務付けていない、健康状態の自己申告に基づき適正なら無料で運転免許を延長できるイギリスの場合でる。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2214140517301457
  • 上のグラフは、男性の歩行中および運転中の事故死亡者数の年齢層別構成率%と移動距離、移動時間との関係を示したものである。
  • 左の列のグラフは歩行中の死亡事故の年齢層別構成率%(青色)と移動距離又は路上時間(赤)を比べたものである。歩行距離や時間が高齢とともに減少しているにかかわらず事故死者は急激に増加している。
  • 右の列は同様に自動車運転中の事故死の場合で、高齢が進んでも殆ど事故死亡者は増加していない。
  • これが交通社会での現実の事故死亡の実態であり、高齢者にとって道路歩行がいかに危険かが分かる。
  • 自動車運転事故死亡数は、高齢になるに従い自制努力による運転放棄などの減少で増加していない。
  • 高齢者にとって生活の質を維持するために交通による移動は必要であり、歩行中の安全確保が最も重要であり、運転を規制することではない。
  • これを見ても、日本の警察庁の高齢者運転制限政策が根拠の無い間違いであることが分かる。科学的研究成果に基づいた社会政策やメディアの報道がほしい。

交通モードと性別年齢層別による事故死亡リスクの違い IRTADレポートより

2018/12/03

最近の道路安全ワークショップレポートから。

https://www.itf-oecd.org/risk-travel-mode-gender-and-age

  • 自転車、運転、歩行の3モードと性別の違いによる移動距離当たりの事故死者数。
  • 路上滞在時間当たりの事故死者数
  • 高齢者のみについての詳細グラフ。路上滞在時間の長い歩行や自転車が危険であることが分かる。
  • 何れの年齢層にとっても(20歳以下の男性を除き)自動車運転が最も安全な交通手段であることが分かる。
  • 特に、85歳以上の超高齢者にとっては歩行がいかに危険な交通手段であるかが分かる。
  • この報告では、各層別の年間平均移動距離や道路滞在時間が分からないので異なった年齢層間の比較は意味がないが、同年齢層間における自転車、乗用車運転、歩行移動の3モード比較の値はほぼ実情を示していると判断される。
  • 結論は、高齢者の運転を禁止することは、明らかに交通社会全体の交通事故死を増加させる結果になることが分かる。

警察庁交通局はどうして高齢者の運転事故を多く見せたいのか?運転人口がすべての年齢層で同数という(10万人当たり)現実にありえない仮想データ分析を用いて広報する意図は

2018/12/02

平成29年における交通死亡事故の特徴等について警察庁Webサイトhttps://www.npa.go.jp/news/release/2018/20180213001H29sibou.html

  • しかしこのグラフは、免許人口10万人当たりとあり、すべての年齢層の免許保有数が(10万)の同一保有数である場合の換算値であり、現実にはあり得ない、言い換えれば仮想データである。
  • 下の図は、現実の2017年中に起きた年齢層別事故件数をグラフにしたものである。
  • これを見ると75歳以上の運転者の死亡事故件数は他の年齢層に比べて少ない。高齢者は運転者が少ないから当たり前と云う声が聞こえそうだが、日本の高齢化率がいくら進んでも、病気等健康上の死亡で高齢に向い人口は減少する、また生理上の理由で運転を放棄する人も増えてくる。それらの原因をすべて含んだ実勢の2017年の結果が上のグラフである。
  • 下のグラフは運転免許保有数と人口の年齢層別分布図であり(単位千)、先に書いたように、運転人口は明らかに高齢に向かい減少する。

すべての年齢層で運転人口が同一になることはありえないことは自明の事実である。

  • 上のグラフは事故件数の年齢層別構成比を描いたもので、年齢層別にみると16歳~19歳層を除いて高齢者層はすべての年齢層より少ない、赤線枠内75歳以上の事故件数率は全体の13%程度である。
  • 自動車交通社会全体から見た場合の高齢運転者は危険運転者ではなく、安全運転者である。理由は多々あるがこれが現実の事実である。
  • 75歳以上の運転免許を取り上げすべての運転を禁止しても、総自動車運転による死亡事故件数の減少は13%ほどである。これは大きいと云うことかもしれないが、高齢者の外出を全面禁止でもしない限りこれは実現しない。危険な歩行や自転車利用による死亡事故は乗用車利用よりはるかに大きいことは、すべての先進国共通に知られた事実である。
  • 公共の交通機関は安全に違いないが、外出の目的を達成するには必ず歩行が伴う。歩行は道路暴露時間が長く、危険な横断歩道もある、短距離だからと言って危険が少ないとは言えない。しかしこれらの合理的な分析はされていないし、必要なデータベースもない。
  • 警察庁は、自動車運転者の責任事故にしか興味がなく、歩行者や自転車事故を分析できるデーターベースは公表されていない。
  • IRTADでは交通弱者の事故分析に必要なデータに関する世界各国の収集を始めている。
  • https://www.itf-oecd.org/risk-travel-mode-gender-and-age
  • 自動車の電子的安全装備が義務化されるであろう2025年頃、ベイビーブーマー層が75歳になるころには、完全自動運転は完成していなくても、少なくとも、アクセルとブレーキ踏み違い事故や、障害物衝突、信号無視、走行路線区分逸脱など昔話になろう。

暖かい12月 

2018/12/02

庭の風景

エンゼルストランペット(夏の花?) と柚子の実り

  • 白梅の紅葉
  • なんてん
  • 山茶花
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