交通の実態を示していない国土交通省のアンケート集計
-平成 22 年全国都市交通特性調査集計結果から- 平成 24 年 8月
http://www.mlit.go.jp/common/000223779.pdf
全国3万8千世帯からのアンケート調査、大規模調査といえると思うが問題はその集計方法にある。用語解説(青色文字の部分)を転記すると、
〇 代表交通手段: 1つのトリップがいくつかの交通手段で成り立っているとき、このトリップで利用した主な交通手段を「代表交通手段」といいます。主な交通手段の集計上の優先順位は、鉄道>バス>自動車>二輪車>徒歩となっています。
この記述の例にあるように、一つのトリップ単位の中に「鉄道」利用があると鉄道だけの交通手段を利用したとして集計されてしまう。
この最大の疑問は、鉄道に限らず公共の交通機関利用では、それだけで完結する場合はなく、歩行・自転車等の併用が必要なことは誰にでもわかる。あえてこのような集計方法を行ったのには何かの意図があるのだろうが、アンケート票を見ると、駅やバス停までの交通手段や所要時間も聞いている。
さらに言えば、最下位の優先順位徒歩に集計されるのは、徒歩だけでの外出として回答した場合のみで、小中学生の通学の他では、散歩か、近くのコンビニ(あれば)に買い物ぐらいのものであろう。これでは歩行の実態を表していないのは明らかである。
自動車(自分で運転・同居の家族の運転に同乗)では多くの場合、戸口から戸口までのトリップとみられ、この場合には単独集計値は実態とあまりかけ離れてはいないだろうことは容易に考えられる。
しかし、自動車交通も、集計上の優先順位は公共交通機関の下位にあるので、駅周辺の駐車場を利用する利用者では集計上欠落するとみなさなければならない。日本では、鉄道利用者の数に比べ駐車場の収容数は少なく、自動車利用数に関しては、ほぼ実態に近いと思われる。
以上の考察から、この集計表の交通手段の分担率で意味のある情報は、自動車と、それ以外の交通手段との二つの分類の場合だけであろう。そして後者は、現実の歩行・自転車等の分担率とほぼ同率とみてもよいだろう。
このデータベースを用いて交通手段分担率と交通事故死について考察したわたくしのブログ。
https://spaceglow.wordpress.com/2013/06/05/日本の歩行者の交通事故死が先進国中異常に多い/