認知バイアスと認知症 どちらが社会的障害か?
認知症 「知能が後天的に低下した状態」の事を指すが、医学的には「知能」の他に「記憶」「見当識」を含む認知障害や「人格変化」などを伴った症候群として定義される。しかし、年齢によって発症する症状ではない。統計的には、加齢とともに認知症を発症した人の割合がが高くなるのは事実。
認知バイアス: 認知心理学や社会心理学での様々な観察者効果の一種であり、非常に基本的な統計学的な誤り、社会的帰属の誤り、記憶の誤り(虚偽記憶)認知心理学や社会心理学での様々な観察者効果の一種である。

この文書、高齢者は、公安委員の指導や注意が必要な判断力と自立能力が欠如している集団と「認知」しているのだろうか?
また、通知書。高齢者は漢字交じりの文章も読めないとの解釈だろうか!小学生低学年向けの注意書きのよう。また、 非日常的な役所言葉もルビがあれば理解できるとでも、この通知書こそ高齢医学の欠如した「認知バイアス」そのものの証ではなかろうか?
心配ないと判定した以上、注意書きなど越権行為といえるだろう。正常な社会人を対象にした報告書を送るのが常識と思うがどうだろう。
日本の実勢は、高齢運転者の運転事故は決して多くない。下の円グラフはその一例である。一般に大部分の高齢者は、身体的運動機能、視力など運転に不利な条件を自覚し、ラッシュアワーや、天候の悪い時、夜間を避けるなど、自己規制の結果が、この安全運転を実現している証拠であろう。

この統計は、高齢者は運転人口が少ないから当然との声が聞こえてくるが、行政は実態に基づいて行うものであり、高齢者個人が事故を起こしやすいかどうかとは別の次元である。公安委員会のこの行為は、明らかな誤認の「認知バイアス」からのものであろう。
日本と韓国だけが異常に多い歩行中交通事故死者数 その原因は?
下のグラフは道路歩行中の交通事故死者数について各国人口10万人当たりの数で描いたののである。データはOECDのIRTADデータベースからのものである。

上図は、国情の詳しくわかりにくい国をグラディエーションで塗りつぶした。韓国は2013年の値であるが、日本と韓国はヨーロッパ諸国、アメリカ、オーストラリア名国に比べ異常に歩行死亡者が多いことが分かる。
この原因は何か、私にはこれを分析できるデータベースを見つけることが出来ないが、漠然と思われるのは、両国では、人口の都市集中化が進み移動に公共交通機関を用いる人口割合が多いからではないだろうか? 電車やバス利用は、必ず歩行や自転車が伴いそれらの利用者人口が多くなる。
安全整備の整っていない道路の歩行や自転車交通は、死亡の危険性の多い交通手段であることは統計的に明白な証拠が確認されている。
タクシーを除き、公共交通機関の利用には、その前後に歩行や、自転車利用が伴い、それらを含めた実勢の交通状態で事故危険率を評価すべきである。これはまた、都会と田舎では大きな違いがあると思はれる。 信頼できるデータと科学的な分析が望まれる。
International Traffic Safety Data and Analysis Group (IRTAD)
日本は世界に誇るべき乗用車死亡事故の少ない 世界一稀な国である
OECD国際交通安全データおよび分析グループ(IRTAD)「あなたの国を比較する」交通安全 ページより。 https://www.itf-oecd.org/node/19552
乗用車乗車中の事故年間死亡者数の年次トレンド国際比較。即死者および30日以内死者の合計値。人口10万人当たりの死亡数で比べた少ない方からの順位。
| Passenger cars, per 100k pop. |
| Any person killed immediately or dying within 30 days as a result of an injury accident, excluding suicides, per 100 000 population. |
このデータベースをダウンロードして、各年次毎に死亡率の小さい方から国順に並べ替えて一覧表にしたものである。国別平均値の順位と主な国の色分けを右側に示した。

日本は1990年から 2014までの24年間常に最高位、この特異性。2位以下の国々では年度によって順位が上下している様子が分かる。
日本は世界に誇るべき乗用車安全世界一の稀な国である。
日本人のこんな素晴らしい成果を、警察庁からも、内閣府および国内向け交通事故広報、またニュースメディアからも見たことがない。 国内で無視されているこんな不思議とも思われるデータ、日本のどの国内機関がOECD機関に報告したのであろうか。
この結果、政府機関は日本人向けに当然報告すべき重要事項であろう。メディアからもこのような記事は見たことがない。不思議な現象と思わさるを得ない。
下記にこの報告書の一例を示す。


International Traffic Safety Data and Analysis Group (IRTAD)
https://www.itf-oecd.org/node/19552
なお、警察庁のe-Statでは、乗用車運転中の運転者事故データは公表していないので検証できない。
認知バイアス
ほっておけないはず 日本の道路歩行中の事故死亡者
警察庁、ニュースメディア、各種道路インフラ管理機関からも無視され放置されている道路歩行中の事故死者。最悪の「認知バイアス」、認知症の比ではない。


死亡者構成率では登校中の学童を含む64歳以下の死亡者は全体の29%、死亡者の71%が高齢者層で占められている。この交通災害が無視されている不思議。
一方、対人事故に関与した責任の重い運転者の年齢分布は以下のようである。


加害層の71%が64歳以下の運転者である。この様に、高齢歩行者死亡事故に関わっている運転者は大部分就労年齢層である。
見方を変えれば、高齢歩行者に関与した運転者も被害者である。歩行中の死亡者が高齢者だからと言って無罪ではありえない。社会的制裁を受けることになる。無意識に高齢運転者を無くすれば事故が無くなると思う「認知バイアス」は明らかな誤りである。
高齢道路歩行者が増えることで、大多数のあなた方も運転中対人事故加害者となる危険性が増加することに思いを進めてください。
日本の恥 高齢者運転対策 警察庁も認識してか国際機関には隠している
75歳以上の運転免許更新者全員に運転教習センターで認知症検査の強制。
警察庁の2018年交通事故データベースから運転者が第一当事者となった事故件数について、高齢者の年齢層別事故件数を64歳以下の運転者と比べて円グラフで示した。責任の重い運転者事故(第一当事者)の71%は64歳以下の運転者が関与し、高齢者区分を75歳とすれば高齢者の責任が重い事故件数は10%、85歳以上では1%程度である。

それに比べ、道路歩行中の負傷事故者数では、64歳以下が68%に対し、75歳以上では18%、85歳以上では5%と上図と比べると高齢になるほど割合が多くなる。

| 64歳以下 | 65歳以上 | 75歳以上 | 85歳以上 | |
| 第一当事者事故件数 | 71% | 29% | 10% | 1% |
| 道路歩行中負傷者数 | 64% | 32% | 18% | 5% |
下のグラフは、同様に死亡者数で表したもので、全く違った様相を示し、高齢者の割合が驚くほどに多い。この理由は高齢者が事故に遭遇した場合、死亡や重傷・後遺症などになりやすい脆弱性のためである。そして無防備な道路歩行がいかに危険な交通手段であることが分かる。

歩行中の事故死者の71%は65歳以上の高齢者であり、50%は75歳以上である。
自動車乗車中でも程度は低いが同様の脆弱性があり、事故死者数で事故の発生確率を云うのは誤りである。この事実は欧米の先進国では常識である。
誤った「認知バイアス」: ニュースメディアが作り出す誤った認識。高齢者事故の場合、年齢をトップに大きな見出し、同一事故についてインタビュー記事など多数回取り上げ視聴者は誤った認識に陥る。
警察庁はどんな目的かわからないが、統計データを持ちながら死亡件数を用いて高齢者事故が多いように見せかけ、国内的には高齢者差別を宣伝している。これが意図的な目的を持った嘘と見られる証拠は、OECDなどの国際的な組織には、日本の高齢運転者事故が異常に多く、警察権力による運転免許の制御政策が必要とは報告していない。(何年か以前には書いていた)。

警察庁の使命は、科学的分析に基づく現実の事故把握とその事実、国際的な信用のある組織の報告や研究論文等も参考に証拠に基づく行政政策の提案であろう。さらに、一般の人々のニュースメディアから受ける誤った認知バイアスを訂正する義務がある。アンケート等を利用して無責任な行政をすべきではない。

なぜか、警察庁の事故データベースでは乗用車の運転者と同乗者の死傷事故が分けられていない、また自動車運転に関しては男女違いが大きく、欧米のデータベースでは分けて報告されている場合が多いがこれもない。科学的分析資料としては不備なものといえる。
蛇足: せっかくこの私の記事を読んでいただいても、高齢者の人口が少ないから当たり前という見方をされる方がおられると思います。しかし、
行政は、当たり前の現実を根拠に行うものであり、すべての年齢層が同じ人口や運転者数であるとした仮想的な数値を基に行うのは誤りです。例えば、人口10万人当たりで比べるのは、いくら高齢化が進んでも85歳以上まですべての年齢層の人口が同じで健康であると仮定することに相当します。
国際機関や保健機構などで人口が異なる国毎に比べるとき、往々にして人口10万人当たりに正規化して比べるのは、同じ年齢層同士や時系列トレンドなど比較すべき母体に要素的な違いが少なく比較できる場合であり、年齢層間のような、医学的健康状態の違いが大きいい場合、交通事故を比較すべき母体ベースとしては成り立たない誤りです。
道路形態の極端に違う走行での速度・血圧・脈拍の同時記録の一例
自動血圧計(ABPM)の5分間隔測定記録と、車のOBD2端子から読み込んだ走行速度(毎秒記録)及びアクセルペダル踏み込み量をグラフにしてみた。
高速道路ではアクセル踏込記録がないのは、クルーズ速度設定と、自動前方走行車追随システムによる自動運転中、アクセルペダル、ブレーキから足を離している状態。車はボルボV40 T4, 2013. セーフティーパッケージ、歩行者保護エアバッグ付き。

グラフの青色縦線はアクセルペダルを踏み込んだ記録、黒色線は走行速度、赤丸は収縮期血圧、黒色ダイア印は拡張期血圧、青色丸は脈拍数である。計測の設定は5分毎にしているが、脈拍の測定中腕を動かすとエラーになるのでその時刻のデータが欠落し等間隔には記録されていない。
下の画像はエプソンのウェアラブル脈拍計をPulsens Viewで見たものである。上のABPMの記録とは少し異なるが測定方式の違いを考えるとそれほどの形態に違いは無いように見える。

走行中の血圧・脈拍は道路の形態の違いによる変化は見られない、強いて見れば、拡張期血圧については東名阪自動車道では70mmHg以下でリラックスして運転していたともみられる。
三重県青山高原(画面下)から御在所SAまで。139km,1時間24分の経路にて。

日本の実勢の交通事故統計では、高齢運転者の責任が重い事故(第一当事者)件数は他の運転者層より少ない(65歳以上では全体の22%、75歳上では8%)。警察庁はこれを隠し高齢者運転を社会の交通加害者のように強調する理由はどこに?
警察庁が高齢者に義務づけている運転免許更新、75歳以上の更新者全員に警察監督下の自動車学校での認知症検査、運転実技など、これらは、国際的認識ではその有効性の証拠がないと確認され中止された。
日本ではこれらの 受験者の利益にならない 試験を有料で義務化している現状を国際交通フォーラム(ITF)の報告から削除している。これは、警察権力を背景に、国際的に公表できない恥ずかしい免許更新制度を自認しながら国民に強制している証拠といわざるを得ない。
それを自覚してか,今年の国際交通フォーラム2019には、高齢者運転免許更新制度の記載は無い。

クリックしてjapan-road-safety.pdfにアクセス
以下にこの報告記事を項目風に短縮して書いてみた。この内容は、日本で国内向けに周知されているのであろうか?
報告記事
日本では、以下のように交通安全管理の改善に向けたいくつかの施策が実施されている。
● 道路安全管理(官民IT(インテリジェント交通システム)イニシアティブ/ロードマップ2019は、2019年6月にリリースされました。更新されたロードマップは、世界で最も安全な交通システムを構築するという二重の目標を達成し、技術および自動車産業における主要なイノベーターとしての日本の地位を維持するために、国務省、公共部門、民間セクター間の協力の重要性を強調しています。
● ビジネス車両による衝突による死亡者数を235件以下、事故件数を2032年までに23100件以下に減らすという新たな目標を掲げた。自動運転(AD)技術の普及が今後不可欠になると考えています。そこで、警察庁は、ADシステムの公路試験のガイドライン・基準を整備し、AD装置の定義(SAEレベル3)、AD装置を用いた自動車運転時の運転責任、2019年の道路交通法改正による運転状況記録装置(仮称)による記録に関する規制を新設しています。
● 75歳以上のドライバーが特定の交通違反を犯した場合、認知テストを受ける必要があります。認知症の疑いがある運転手は健康診断を受けなければならない。この試験の結果に基づき、ライセンスが取り消される場合があります。
● 住宅街の公道を利用した歩行者等の安全な通行を確保するために2011年に導入された時速30kmのゾーンは、継続的に拡大しています。
● (スマートフォンの普及により増加している運転中の携帯電話の使用リスクを低減するため、警察庁は、道路交通法及び関連する政府の条例を改正し、2019年12月1日から運転中に携帯電話を使用するための罰金と罰則を大幅に増やすことにしました。
● インフラ(インフラ整備のための最近の対策は、信号機の更新、新しい信号機の設置、ラウンドアバウト交差点の建設に焦点を当てています。
● 警察はユニバーサル交通管理システム(UTMS)の開発と実施を推進しています。UTMSは、安全で快適で道路安全レポート2019を作成するように設計されています |
● 赤外線ビーコン(http://www.utms.or.jp/english)を介して交通の流れを制御します。2017年3月以降、警察が保有する交通規制やボリューム情報がウェブサイトに掲載されています。
以上
警察庁の国内運転者向けの広報とのあまりにもの違い。
高齢運転者は、身体機能や視力、認知能力など、高齢でない運転者に比べ運転の欠陥が多くなるのを否定するわけではない。しかし考えてほしい、道路は運転技術を競うレース場ではない。交通需要者すべてが出来る限り安全に利用できる公共機関であるはず。高齢運転者とそうでない運転者を同じ環境、走行条件で比較した結果で高齢運転者の欠陥が見られても、そのままそれが現実の交通社会で起こっている傷害とはいえない。
高齢運転者の多くは、様々な運転中の困難さを自覚し、出来るだけ危険を避け、自己規制をしながら安全を実現している。具体的には、天候の悪い時、夜間やラッシュ時、または学童の集団登校時などを避けることなどを実行している。
その結果が、現実には、高齢運転者層は安全運転者層としての実績を示している。その証拠を警察庁のデータベースe-Stat2018年度の公表データを分析して以下に示す。
下のグラフは、64歳以下の運転者と、65~69歳、75~79歳と85歳以上の年齢層の歩行者に対する運転中の加害事故(人対車両・第一当事者件数)と歩行中に受けた事故による死傷者数の割合を示したものである。75歳以上では加害事故より被害事故の割合が急激に増加していることが分かる。

このように、実勢の道路交通では、高齢者層は歩行者に対し最も優しい運転者であることになる。
歩行事故では、全年齢を合計した第一当事者事故件数と死傷者数は42,756対42,617名とほぼ同数なので、事故1件当たりの死傷者数は平均1名である。したがって、このグラフから高齢者の運転事故件数当たりの死傷者数が多いと判断することは誤りである。
このグラフから言えることは、高齢歩行者の死傷に関与している多くの運転者は74歳以下の非高齢者層であり、これらの不運な運転者も交通被害者と見るべきであろう。
下のグラフは、全累計事故での年齢層別分布を示したものでこの場合は高齢運転者とそうでない運転者に基本的な違いは見られない。

これが現実の日本の交通情勢の一例である。この場合は、原付以上、自転車などすべての交通手段による事故で、運転者一当事故件数当たりの平均死傷者数は1.2人となっている。
安全運転者層として交通社会を構成している高齢運転者を、年齢だけの理由で自動車利用を困難にすることは、かれらを歩行や自転車利用のより危険な交通手段に追いやることとなり、高齢者の生活の質や健康に悪影響を与え。しかも日本全体の交通事故を増加させるだけである。そればかりでなく有職年齢層の運転者を高齢歩行者に対する事故の加害者として増加させることになる。
再度云おう、高齢者運転の運転欠陥を暴きそれを強調し、運転を困難にする差別政策をすればかえって道路交通全体の死傷事故は増える。フランスではこの事実の基に終身運転免許性制度に改めた事実がある。
最も象徴的な悪例が「高齢者の運転免許返納」キャンペーンであるといっても極言ではないだろう。
下図に、原付以上運転者による(第1当事者)となった事故件数の高齢者の割合をグラフで表す。大多数の人々の認識を覆す驚くべき結果である。政府統計の窓口e-Statだけから得られたデータで作成しているので検証してほしい。
65歳以上22%、75歳以上8%、85歳以上1%、運転事故の80%近くは64歳以下で占められている。

それに対し、歩行中に事故で死亡した高齢者の割合は。
65歳以上71%、75歳以上50%、85歳以上19%、高齢者が70%以上引き受けている。

乗用車乗車中に事故で死亡した高齢者の割合
65歳以上53%、75歳以上32%、85歳以上9%、自動車乗用中でも死者の約半分は高齢者である。

これらは、e-Stat 警察庁データベース h30 を用いて纏めた2018年の道路事故の実勢状況である。一見数値に矛盾があるように見られるが、死亡事故者数は事故件数ではなく、高齢者の身体的脆弱性による致死率が高いため死亡者数が増加するためである。
認知症検査を要求する75歳以上の場合で見てみると、運転中第一当事者とされた運転者は、全年齢層のわずか8%であるにもかかわらず、歩行中死亡者は全年齢層の50%、乗用車乗用中でも32%である。警察庁のデータベースでは乗車中事故の場合、原付以上とか、乗用車では運転者と乗客との区別がない情報しか得られない。高齢にいくに従い運転手としてではなく同乗者の割合が多くなると考えられるので運転者自身の死亡者数はこれより少なくなるであろう。
仮に、75歳以上の運転者を禁止した場合、それらの人たちの関与する一当事故は無くなるだろうがその減少効果はわずか数%、代わりにその何倍もの歩行中死者と乗用車同乗中事故死が増え、日本全体の交通事故死者数は増加することは明らかである。