ウィルスの遺伝子は変異する 世界のCOVID-19は 重症度も拡散状態も一様ではない
ナショナルジオグラフィック 公開 2020年3月26日
オープンソースプロジェクトNextstrain.orgは発生博物館といえないでしょうか。世界中のラボが患者から収集したウイルスの遺伝子配列を提供しており、Nextstrainはそのデータを使用して、ウイルスの家系図であるグローバルマップと系統発生チャートを通じてエピデミックの進化を描いています。
これまでのところ、Nextstrainは新しいコロナウイルスから約1,500のゲノムをクランチしており、COVID-19のパンデミックが世界中で猛威を振るう中、データはこのウイルスが平均15日ごとにどのように変異しているかをすでに示しています。
しかし、突然変異はウイルスがより有害になっているとは限りません。代わりに、ウイルスの遺伝暗号のこれらの微妙な変化は、それがどこにあったかをすばやく理解するのに役立つだけでなく、その起源についての神話の誤りを正すのに役立っています。
疫学者は、新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)遺伝子コードのランダムな突然変異を研究して、封じ込め措置を指示します。
ツリー型表示の見方。


これらの変異は、ウイルスが広がっている方法を明らかにするパズルのピースのように有用であります。
現在までの世界拡散状況。SARS-CoV-2 Nextstrain.org より抜粋。
共通の祖先から進化したグループのツリー構造の表示例。発生系統の色分け

変遷と拡散状態の日次とランド。グローバルなツリー表示と主なイベント時の拡散状況。

2019/12/1 初めての発生記録19A 中国?

2019/12/30 日本、イギリス、スペイン、オーストラリア等に拡散 19A

2020/1/12 アメリカに到達 19A

2020/1/19 日本 19A, 20A

2020/1/28 おもにヨーロッパで 20B,20C 発生

2020/2/24 日本を含め全系統世界に蔓延

2020/3/31 日本をはじめアジアでの減少

2020/6/9 アメリカ、オーストラリア、その他一部を除き世界の収束に見える。

東洋を中心とする移動経路

アメリカに向かう移動経路

このように、各系統の発生と移動状況を見ることが出来る一例を示す試みをしてみた。Nextstrain.org のウェブのアニメ画像から転写した。
これを見ると、新型コロナウィルスとして一絡げにして発症や感染そして重症、死亡状況を、ヨーロッパやアメリカの特定地域のニュースだけで日本の状況を論じ予測する傾向の強いメディアの記事は間違いであることは確かであろう。
私のこの記事の間違いや、不当な編集、考えの進め方をお気づきの方のご忠告をお待ちします。
恥ずかしくないか 日本の映像メディア
ちょっとした事件や事故でも、目撃者の顔はおろか背景を特定できないようにした腰から下の映像、話し声をまで奇怪な声に変換し、証拠能力の全くない映像をニュースに作り上げる、日本の安易で無責任なメディア。何年か前にそれを疑問とするメールをNHKのある事件告発番組に対し指摘したら、返事が「人権尊重」という幼稚な思い上がり。告白者の意図を確認しないフェイク映像まがいの報道こそ興味本位の安易で人権無視の取材の証拠ではないだろうか。
立派な日本女性の映像を見て。

厚生省のデータを用いて、第二次(波)のPCR監査によるCOVID-19感染確認者数から推定した予測死者数と実際に発生した日死亡者数の週間(7日)移動平均値を比較した。
死亡者は感染確認者層の変動値より約22日遅れで発生し、その日発生変動曲線は確認感染者数と非常によく一致している。この日間遅れで調整した総計死亡者数は9月10日時点で感染確認者数の1.1%と計算された。

グラフの青棒は1日当たりの感染死亡者数の週移動平均値であり、オレンジ曲線はPCR検査による感染確認者数から推定した死亡者数である。これを見る限り日本のPCR検査体制が合理的で過不足なく安定して正しく行われていることが分かる。
過激な外国の状況に目を奪われたメディア。それにより醸成された認知バイアスの掛かった日本の世論。正当な評価を誤っているのでは?
気張らない評論の一例
COVID-19に対する日本のアプローチ:厳密なロックダウンや広範囲にわたるテストなしに、COVID-19と共存することを学ぶ。
感染症が衰退するにつれて、この方法は、マスクを着用する仲間の圧力と、無症候性の広がり、スーパースプレッダーイベント、およびエアロゾル伝播の早期受け入れのおかげで機能しているように見えます。
戦略のカギ:ロックダウンの代わりに、日本は「3 Cs」の回避を促進しました:換気の悪い閉鎖された場所、混雑した場所、そして密な接触の設定。
しかし、批評家は、日本の「中途」は中国や韓国などの同地域社会に比べて相対的に正常に戻るのに時間がかかるルートであり、世論調査では依然として低いスコアであると述べています。
ワシントンポスト
日本のCOVID-19 第一と第二次(波)について 感染確認者数に対する致死率の違い
日本の各自治体のCOVID-19死亡者の報告数は信頼できると思われる。日本では死亡者は宗教に関わらずほぼ100%火葬にされ、且つ火葬施設は自治体の公共施設として管理されている。もし欧米諸国と同規模の死亡者の増加があれば、それがCOVIG-19感染による死者にカウントされているかどうかにかかわらず、火葬数の例年同期に比べ過剰増加として表れるはずであるが、そのようなニュースは見ない。
感染確認者数と公表死亡者数の日発生数の週間(7日)移動平均を比べて見る。
日毎の感染確認者層のうち、死亡が確認される迄には遅れがある。下のグラフ、

第一次二次それぞれについて、週間移動平均値から発生日ずれを調整し、確認感染者増数に対する死亡率を求めると、第一次は4.9%、第二次は1.1%となった。感染確認日からの死亡者の遅れはそれぞれ19日、22日であった。その結果をグラフに表したものが下図である。

この結果について、統計だけから医学的原因を推測するすべはないが、関連資料の一例として、下記のようなことが考えられ、日本の健全な医療システムの成果といえる一つの証拠ではあろう。
M3.COM 医療ニュース
新型コロナ 「治療手順、ある程度確立」 「第2波」致命率低下 感染症専門医「予防対策は続けて」
2020年9月20日 (日)配信毎日新聞社
新型コロナウイルス感染症の6月以降の「第2波」が一定の落ち着きを見せる中、春先の「第1波」に比べて死者数は減り、確認された感染者に対する死者の割合(致命率)は低下している。これについて、これまで多くの新型コロナウイルス感染症の患者を治療してきた国立国際医療研究センターの忽那(くつな)賢志医師が毎日新聞の取材に応じ、「検査対象が広がり軽症や無症状者をより多く確認できたことが一番の要因」とした上で、「第1波に比べて治療の手順がある程度確立したのは非常に大きい」と語った。
日本のCOVID-19 第2次感染死亡者数 ピークは過ぎたか? 確認感染者数からの予測
6月11日以降の一日当たりのPCR確認感染者数の約1%が、19日後の7月1日からの死亡数トレンドと一致することが見られる(最下段のグラフに示す)。
下のグラフは、この日にちのずれを重ねて示したもので、棒グラフの、青棒が実勢死亡者の日毎数、赤色棒は19日前の感染者数から求めた予測値。赤色棒のみの部分は現在以後19日先までの予測値である。線グラフはそれぞれの週間移動平均値である。

全期間を通じて、日毎の感染確認者数のトレンドより約19日遅れて死亡者トレンドが一致することが見られる。第一次感染拡大期と第二次を通じて描いたものが下のグラフである。ただし、第一次では感染確認者の4.5%が死亡者と見られ、第二次の1%より死亡率が大きい状況を示す。

この原因は、第一次と第二次でウィルスSARS-CoV-2の性質の違いか、単なる政策的な感染確認率の違いか、又は治療法の進展かは分からない。これは感染症学的に分析すべき価値はあると思う。
下に、用いた厚生労働省の生のプレスデータをグラフに示した。


やはり欧米より少ない超過死者。朝日新聞2020/9/9(13版)の記事より.
国立感染症研究所などの研究チームの推計値発表記事。
数値は、ヨーロッパ方式とアメリカの計算方式でそれぞれ推計した値が発表された。また統計的確率の最大値も公表された。
同一のデータに基づく分析による複数の結果を公表した理由について、「必ずしも一つの数値に集約できるのではないことを理解してもらうためが趣旨」であるとの説明。
際立って目立つ悪い数字だけを取り上げ確信ありげに発表するメディアの記事。「分かりやすさ」は嘘になる危険が大きい。 反省すべき警告である。


Stockholm Syndrome
スウェーデンが「ロックダウンなし」の独自路線を続ける理由
集団免疫を達成するために緩慢なロックダウン(都市封鎖)をするというスウェーデンの新型コロナ対策は、世界中で物議を醸している。同国の対策を主導する疫学者に、集団免疫戦略を推進し続ける理由について聞いた。

Mit Technology Review
https://www.technologyreview.jp/s/216976/stockholm-syndrome/
下のグラフは、スウェーデン、イギリスと日本の累積死亡者数(人口10万人当たり)の増加の経過を比較したものである。

日本は、医療崩壊を防ぐ地域保健所の適切な努力の成果が大きく、法律的に強制的なロックダウンが出来ないにもかかわらず医療崩壊を免れた。しかし、日本の死者の人口に対する比率がヨーロッパ諸国の50分の一ぐらいにとどまっているのは、前のブログ記事に書いたように、行政のせいだけではなさそうだが。
心配なのは、集団免疫保持者の少ないと思われる日本、わずかに見える死亡率の第二波の兆候が懸念材料である。
CARS-CoV-2 新型コロナ感染症(COVID-19)の違い 日本とヨーロッパ
強力な地域ロックダウンをしなかった日本、スェーデン、イギリス(初期)3か国の感染死亡者について、週平均の1日当たりの死亡数と積算死亡数の経過をグラフに示した。何れも人口10万人当たりに換算して。左の列、線形グラフでは日本は右目盛り(赤字)で示した。
明らかに日本(東アジア)とヨーロッパで大きな違いが見える。

気になるのは、日本の第二波の1日当たりの死亡者数がヨーロッパと違わない様に見えてきたことである。
これに関係する論文紹介を見たので下記にその冒頭の部分をコピーして示す。

日経メディカル 最新論文紹介 8月24日
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/infection/202008/566787.html?n_cid=nbpnmo_mled
これほど世界的な混乱を起こし、世界の、社会、経済、市民生活に大きな不安材料になっている感染症。
世界の政治対応の違いだけでは説明がつかないようだ。
JHU(ジョーンズ・ホプキンス大学)のダッシュボード画像より見た世界の第一次二次パンデミックの様相。
典型的な二つの画像による分類。左系列は日本・アメリカ型、第二次確認感染者数が大きく、死亡者数も多いい場合。
右はヨーロッパ型、第一次感染者に比べ第二次はわずか、第二次の死亡者増は殆ど見られない国々の場合である。


上の表は、幾つかの国について、感染者時系列数分布と死亡者数分布を目視で分類してみたもので、主として北半球の国々に注目した。際立った特徴は、西ヨーロッパ諸国は二次感染増加は少なく、死亡者増は殆ど見られない。
それに比べ社会システムの近い、人口の多い日本、アメリカでは二次感染が強く表れている。この原因がウィルス(SARS-CoV-2)の変異なのか、政治社会の規制の影響か、究明が重要と思われる。
南半球の国々は現在、冬季から春にかけての季節的効果の関係かもしれないが、感染増加が現在進行中に見える。
何れにしても、特徴の顕著な少数例を取り上げて、それを一般化することは間違いであることを証明している。