東京電力福島原発災害に関する私のブログ人気記事の記録
東京電力の原発事故のニュースを知ってから書き始めた私のブログ記事を検索・参照していただいた昨日まで(3月31日)の数をブログ統計情報から見てみた。
3月11日以降の原子炉災害に関する全タイトルの参照数合計: 998件
1日間に参照頂いた最高件数と記事タイトル
1位 55回 SPEEDI の結果とモニタリングデータとの比較 «
2位 40回 茨城県の観測地点別放射線量率グラフ «
全てのタイトルについて1日間に最も多く参照頂いた日の件数 198件(3月31日) であった。
私が書いているのは、私の記事が正しいと主張するものではなく、一老人が自宅でインターネットの情報だけでどんなことができるかを試したいからです。もちろん結果の正確さと、責任には私なりに注意しています。
SPEEDIは忘れられた役所のロッカーの中
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムSPEEDI 私は、その語感から学問的に認知され研究者の間で共有され、改善されて続けているシステムとか思ったが河野氏のウェブで意外な事実に驚いた。
結局、官僚組織は予算を獲得するまでは興味があるが、それが完了すれば誰も知らないで忘れ去られ、しまい込まれまれてしまう。たまたま記憶していた誰かがそれを利用して結果を出しても存在も知らない上級管理職は知識が無く公表する決済を通さない。
河野氏のような有力な政治家の問い合わせで初めて右往左往、やっと内容が分かったら、「正確性が補償されないから発表しなかった」との後出しの言い訳で答える。
たまたま、河野氏のような著名な政治家でもこんな状態、一納税者なら電話を取った役人に言葉巧みに追っ払われるのが落ちだろう。
今回の東京電力の起こした災害の原因も、具合の悪いデータを改変したり、外部組織の警告を軽く見る報告を上司にする職員が重宝され出世する組織であったことの証拠が見えてきた。昨日の東電会長のとぼけた楽観見通し、さすが親戚のような原子力安全院にまでも反撃された。これも、東電に限らず、官僚組織など、サラリーマン管理職集団の管理体制では権力の上に行くほどに都合のよい情報しか入らない”つんぼ桟敷”に甘んじている状況が分かる。
政府の関連監督官僚や東電の高級管理職員は即刻懲戒免職にするのが最も軽い責任の取らせ方であろう。それでは給電事業が継続できないと云うなら、臨時再雇用にに切り替えて、原発の現場で保安作業に従事している職員と同額の給料で働くべきであろう。それでも、東電災害のために職を失ったり、老後の資金のために蓄積した株主の損失に比べれば軽すぎる。
SPEEDI の結果とモニタリングデータとの比較
SPEEDIと文部科学省モニタリングデータよりの推定値との比較、下左の地図はSPEEDIの結果である
http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdf
内閣府 平成23年3月23日 原子力安全委員会
これと、右は先のブログで使った文部省モニタリングの地図である。
前のブログの空間放射能の常用対数減減衰率 -0.045日を用いて福島第一原子炉からの距離に関する総被ばく線量を計算してみた。
計算の根拠は、各観測点の空間放射線量率より、放射線蒸気放出が始まったと見られる3月15日の各地点の初期放射線量を推定し、それから放射線が減衰して無くなるまでの総被ばく線量を計算したものである。結果は、
原発からの距離 総被ばく量の幅 総被ばく量の平均(mSv)
20-29km 11-62 37
30-39km 6-48 27
40-44km 8
45km 3
55km 5
60km 2
ちなみに日本の平均空間放射線量 1 mSv/年 放射線従事者の上限 50 mSv/年 文部科学省のプレスリリースより。
となり、SPEEDIの結果より一桁以上被ばく量は軽い結果となった。計算の根拠や計算に誤りが無いか検算をしてみようと思うが、とりあえず。
重要な疑問として、数マイクロシーベルト毎時以下の地域では日次の経過とともに空間線量の減衰が見られなく、ほぼ変わらないことの原因が気にかかる。もしこれが測定誤差でなく、1年間1μSv/h の線量が続くとすると、年間被ばく量は 9 mSv 程度と見られ先の表の総被ばく量に加える必要がある。
なお、この計算値は原発より北西から西北西の範囲のものであり、その他の周辺地域の放射線量はこれに比べれば近距離でも非常に少ないことは明らかです。ただし20km以内のデータが無いので分かりませんが。
福島第一原子力発電所付近の空間放射線量率の分布と減衰予測の試算
福島第1及び第2原子力発電所周辺のモニタリングカーを用いた固定測定点における空間線量率の測定結果 :文部科学省
のデータを用いて福島第一原子力発電所の周辺環境放射線量率の特性を分析してみた![]()
放射線測定値の地理的分布を見てみると、発電所から北西方向に特徴的な放射線量の強い部分が伸びている、そこで北西から西北西に囲まれた扇状地帯の線量と距離の関係をグラフにしてみたのが下のグラフである。観測期間は3月17日より3月28日までである。
これで見ると、測定場所が限られていて距離に関し一律ではないが、原子力発電所から30km付近と55km以遠に放射線率の大きいところが見られ、かえって20km付近の近いところが必ずしも強くない。なお、図中の5マイクロシーベルト時のラインは下図に示す一般周辺地域の最高線量レベルを示したものである。
これで見ると、北西方向以外の環境放射線レベルは発電所からの距離にあまり関係なく5マイクロシーベルト毎時以下である。
放射線率の日次減少率を見るために、同一地点で比較的連続的に観測されたデータについて強度を対数をグラフにしたものが下図である。
これで見ると常用対数減衰率が0.054 ~0.044の範囲にあることが推定できる。これを用いて平常の環境レベルの約2倍、100ナノシーベルト毎時までに減衰する日数を推定してみると、最も強度の大きい地点で60日余り、弱い地点で45日程度となる。
今後、原子炉圧力容器からの蒸気の減圧放出が無ければ希望的には3カ月余りで環境空間放射線率は平常値に戻ると云えよう。
更に、1日ほど前に原子炉からの放出予告を義務付ければ、現在でも20km~30km地域は北西領域を除き安全とされている30km圏外と差異が無いと云える。さらに、北西方向を含め一律に30km限界を適用することは疑問である。
この資料は、プレス発表資料となっていて、文書形式で記述され、上記のような分析を行うには数値表に手入力で変換しなければならなく、整理に一日ほどかかった。プレスリリースといえどもデータは見るためのものではなく、分析のためのものであり、こんなお知らせ的な報告形式はやめてほしい。
これも、諸外国から不信を抱かれている原因の一つであろう。
今後原子炉からの高圧蒸気放出が無いと仮定した場合の環境放射線量の推移
下のグラフは、茨城県の全観測局データの、最高、平均、最低空間放射線トレンドの対数グラフである。
これで見ると非常に良い近似で指数関数的に放射線量が減衰していることが分かる。
この近似関数を用いて、平常時環境放射線量の約2倍100 nGy/hになるまでの日数を3月25日を起点として計算してみると、
高強度地点で29日、低強度地点で9日、 また、福島県の最高値の10倍、10μGy/h(10マイクログレイ毎時)地点で65日と推定できる。
順調に原子炉が冷却され、再び減圧放出が実行されなければ、空間放射線量としては数か月で無害のレベルになると思われるが、たとえ微量でも地表に蓄積された放射核種に、食物やチリなどで生体内に蓄積される長い半減期のものがあればこの結果だけで安全とは言えないのは明らかである。
数日前より問題になっている高放射線廃液を大気中に発散させないよう閉じ込めることが大切であることは云うまでもない。
空間放射線量率トレンドより見た地域による残留放射線形態の違い
を用いて茨城県の2地点、空間放射線の強い地域:鉾田市荒地と、弱い地点:常陸太田市久米について調べてみた。
両地点とも原発災害前にはそれぞれ45nGy/h、40nGy/hであったものが、原発で原子炉減圧のため大気中に放射性蒸気を放出した影響と見える3回の放射線量ピーク時点以後の残留線量について特徴的なことが見えた。
第1回目の放射線量のピーク値以後では両地点とも残留放射線量の大きさ、減衰傾向の違いがあまり見られなかった。
第2回目では、飛来放射線強度の違いによると見られる残留放射線の差異が現れた。
第3回目では、残留放射線量の差異がさらに大きく、この違いが、2地点での環境放射線量に大きな違いが起きた原因とみられる。
地理的にみると、残留放射線量の多い地域は、測定局群で最も南部(福島原発より遠い)であり、少ない地域は北西部(近い)。
この事実から、場所によって飛来した放射線量ばかりでなく線種の違いがあるのではないかと予想される。
下のグラフとは、上記のトレンドグラフを読みとって、残留放射能の平均半減率を試算したものである。縦軸は対数表示であることに注意。
数値データリストが見つからないので、不正確であり、結論的な考察は出来ないが、強いて考えてみると、残留放射線量の強い地点と弱い地点では、ピーク時に飛来した放射能核種が違う可能性があるのではないか、その原因でピーク時放射線強度の違いばかりでなく残留放射線強度に違いが出たと見られないかと推測される。特に、緑色の曲線では、第2回目以降強いピークは見られないが、飛来後の残留放射線強度の減少率が小さい、このことは、半減期の長い線種による地上の汚染の違いの可能性を示唆する重大な問題を提起しているのではないだろうか。
もう少し長期間の結果を見なければ、現時点では、環境問題の長期的影響については云えないが。
昔話、ネズミは、江戸の大火災の前にいなくなったと云う。 現代の前兆現象現象に注意しよう!!
ちょっと度がすぎるか? それなら良いが。
環境放射線強度を平均値で表すことの不合理
ここでは 環境放射線の危険度を表すのに平均値だけでは危険であり、最高値を併記することが必要であることを示す。
空間線量率の空間・時間変動 茨城県環境放射線量監視モニターのデータより «
上記の、ブログ記事に続いて、環境放射線強度を少数の地点の観測値や時間平均値で表すことは不合理であることを示す。
とは言っても目安は必要であり、平均値がどのような意味を持つか、茨城県の比較的広域にわたる40余りの固定観測局の測定値を用いて強度分布を調べてみた。
下に、3月22-23日と、25-26日について全観測局で測定されたの放射線強度のヒストグラムと累積度数分布を描いてみた。
これで見えてくる実態を要約すると
強度 nGy/h 強度比 倍率
平均強度 累積50%強度 最大強度 最小強度 最大強度/平均強度 最大強度/最小強度
22-23日 485 450 1400 200 2.9 7.0
25-26日 380 350 850 150 2.2 5.7
このように、空間放射能が大きかった22日では平均強度に対しピーク強度は約3倍、最大最小比は7倍、やや安定になった25日では平均値に対し2倍強、最大最小比は6倍である。
このように、時間的、局地的に変動の激しい災害時の過渡期の現象を平均値で表すことは不合理であることが分かる。
災害時の、変化が激しい状態では、危険度の表示には平均値より最大値の方が重要である事が分かる。
やっと公表された科学的根拠の分かる推定値
今朝の朝日新聞にSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)システムによる時間当たりの放射性ヨウ素の放出率の推定値が発表されていた。12日6時から24日0時までに3~11万テラ(10の16乗)ベクレルとしている、チェルノブイリの総放出量は180万テラ・ベクレルと云われているとの記事だが、第1原発の場合まだ放出が続いていることから大変な災害と云わざるを得ない。
この計算プログラムの詳細は知らないが、用いた理論式や仮定は少なくとも研究者の間では共有されているはずで、現在も検証や、より正しい改正が精力的に行われていると思う。
政府の発表のレベル5よりこの結果が大きいことから、政府筋の「いたずらに危機感をあおる」と云った見え隠れする悪意に屈せず、研究者は根拠のある結果を続けて公表すべきである。
茨城県 環境放射能情報の透明性の高い県 メディアはこの事実を強調し農業を守るべきである
放射能環境情報の公開されているウエブを見ていると、茨城県は最も環境放射線モニタリングデータが多い。農産物については、システムとして公表されていないようだが、茨城県知事が云っていたように、農業生産物などの検査もおそらく日本一厳格だろう。ぜひ、地名と地図を使って、出来るだけリアルタイムに近い情報を公表してほしい。これが風評を防ぐ唯一の方策と思う。
メディアの社会的使命は、情報が出たからそれを報道するだけでなく、情報が無いことこそがニュースとして重要である事に注目し。状況的にみた場合、福島、宮城県の環境放射線情報は3月12日以降皆無に近い。これでは何らかの思惑で隠していると疑われても仕方がない。これこそがニュースであろう。