電力料金の国際比較
上のグラフは、各種契約条件の違いと月間電力使用量の違い(中部電力)による料金及び、ボルチモア・アメリカの月間使用電力量と請求電力料金との関係を描いたものである。
これで見ると、日本の場合、同じ月間使用電力量に対し契約条件の違いによって様々な料金請求額になることが分かる。どうしてこうなるのであろうか?
その原因は、電力使用量とは無関係な契約容量の違いによって決まる月極め定額基本料金と、家庭電力の場合月間使用電力量による累進料金制度によるものである。
ボルチモアの場合は 月当たり固定料金は$7.87 、それ以外の料金はすべて使用電力比例制で、。
Electric Supply 0.0373/kWh, Distribution charge 0.0295/kWh, 税金等 0.00077/kWh
これらは、電力を使用しない場合は支払わなくてもよい課金である。 BGE(Baltimore MD) の電気料請求書
米国(BGE)電気料金請求書、日本の1/2以下、送配電費用の分離
日本の場合は、グラフで分かるように、家庭電力には最も高額な電力料金単価を課している。また低圧電力では高額な固定基本料金の為、電力を節約すればするほど、実質電力単価は高価になる。ちなみに、12kWh契約の場合、固定基本料金を使用電力量に換算すると、家庭用では200kWh、低圧電力では1200kWh、ボルチモアの場合には120kWhに相当する。使用電気量とは無関係にこれだけの費用の支払い義務が課せられているのである。
このような制度があるために、電気料金の実質単価を示すことができず、料金が変わる時、メディアでは標準家庭で1ヶ月何円の違いになると云ったあいまいな表現しか出来ないことの原因にもなっている。これが料金の国際比較ができない原因でもある。
人口の密集化が高く、住宅用配電網が完成している日本でこんな高額な固定料金(配電設備維持費用)が合法かどうか検証が必要であろう。アメリカの住宅地を見ればわかるように、高級住宅ほど森の中など広大な地域に分散していて、日本に比べ配電維持設備は割高であるはずである。
私の家の場合、1970年末に自宅を新築した時、住居の中では火を使わないよう今でいう「オール電化」にしました。そのため従量電灯契約が12kWh、エアーコンディショニングの為の地下水熱源によるヒートポンプ機器運転に要する低圧電力契約容量12kWhと合わせて毎月基本料金だけで1万7千円支払っています。月間使用電力は冬季や夏期には2~3千kWhになりますのでもし全部家庭用従量電力で賄うとすると上のグラフで見るように七万円以上の料金支払いになります。
日本の場合原子力を除くと、発電は輸入原油や天然ガスに対してアメリカでは、石炭火力、北部では水力発電の割合が高く、料金の地域差は大きい、エネルギー資源原価の違いが料金に反映するのはやむをえません。
地域独占を許している日本の電力会社、電力料金は尤もらしい「言葉選び」の説明によって決められるのではなく、検証可能なデータの公表のもとに合理的な料金の決定が顧客に見えることが大切と思います。
電力会社の驚くべき体質 (昨日のブログタイトル改めて)
日本のマスメディアの驚くべき事実
大震災と報道:放送事業者の25%、電力会社と関わり 「距離置くべきだ」との指摘も – 毎日jp(毎日新聞)
2011年10月22日東京朝刊の記事より。
日本放送連盟に加盟する放送事業者の約4分の1で、電力会社の幹部が放送審議会の委員であったり、電力会社が株主であることが報告されていた。砂川浩慶・立教大准教授の調査結果の記事。
電力会社役員が番組審議委員になっているのが31放送事業者、電力会社が株主となっているのは27放送事業者、その内持ち株10%以上の株主になっているのが 北海道電力(札幌テレビ放送12.6%)、中国電力(テレビ新広島12.4%)、やらせ事件で問題になった九州電力は、(福岡放送19.7%、エフエム福岡10%、サガテレビ9.2%) と特に多い。
朝日新聞 2011年12月16日 の記事では 九州電力が株主になっている 西日本新聞(3%、大株主順位2位)、 東京電力は テレビ朝日(4億円、26位)、と書かれている。 また東京電力はジャパンケーブルネット株(17%)を原発事故後売ったとの記事も見たことがある。
このように、メディアが電力会社に対し弱い体質であったことが、各社が自主規制と云う”談合”で、政府や東電のプレス・リリース以外の独自の取材による原発災害の記事が書けなかった事情が分かった。
電力会社やそのグループ企業、損保会社がテレビ局の主力広告主であることを武器に原発災害のニュースを目立たせないよう圧力をかけたことは多くの人によって云われてきたが。この記事で電力会社が放送事業者の経営の基本的なところでも力を持っていたことが分かる。
電力会社は、株式会社であっても地域独占を許された准公共事業者である。電力会社が電力料金収入で、地域の傘下のグループ企業ばかりではなく、メディアにまで大株主となって地域に君臨している姿が見えてきた。
イギリスでも 公正取引局が自動車保険料を調査する BBCニュース
昨日のBBC Business NEWS より
BBC News – Car insurance costs to be investigated by OFT OFT: Office of Fair Trading
これより先、8月23日の同ニュースで、自動車保険の無茶な理由と見られる値上げに関する記事を受けたものと思われる。
BBC News – Why motor premiums are so high and what to do about it [1]
過去にわたって自動車保険料が40%も上がった、保険会社の不当利益ではないか、多くの家庭はピンチである?
保険会社の言い分は、請求コストが何年にもわたって上昇した結果で儲けにはなっていないと。
しかし、交通局の統計では自動車事故数はここ三年続いて10%減少している。
それなのに、事故による保険料の請求は43%上昇していると云う。その内容は、鞭打ち症の請求が毎日1200件もあると云う。しかし、NHS(イギリス保健サービス)では、鞭打ち証の治療支出は年間8百万ポンドと程度云っているのに対し、保険側の言い分では保険の支払いは二十億ポンド程度となるという計算になる。
どうしてこんなことになるのか、無茶だと云い切れない一つの理由として、鞭打ち症の診断や治療は難しく、被保険者の詐欺まがいの請求に対処できにくいのも原因で、弁護士費用も含め、ヨーロッパ各国はいろいろな対策を模索している。
OFTでは、修理費についても保険の請求額は個人で修理を依頼した場合の3倍~5倍以上であるとの苦情があることを挙げている。
OFTは次の段階として、保険商品に対するCompetition Commissionによる調査結果による強力で確実な改善を考えている。
大略はこんな記事ではなかろうか。
日本の場合。
日本の交通事故死者の統計では、高齢歩行者や自転車の死者が大半であるが、損害保険協会はあたかも高齢運転者の責任事故のように宣伝し、高齢者の自動車保険料を上げるという、論理的に矛盾した話を作りあげた。
一方、保険協会はこれと矛盾する理由として、高齢者は”優良運転者”の割合が大きく高齢運転者の増加に伴い保険料掛け金の高割引率適用者が多くなり収入が減少すると云う、高齢者は安全運転者である事を認めた全く正反対の理由も公言している。
また、他の理由として、高齢者の交通障害者の治療が長引き医療費の補償額が増大している事も理由に挙げているが、高齢運転者が優良運転者である事実から、これは大部分が高齢者人口増による高齢歩行者や自転車利用者の一般運転者との被害事故の増加による支出増であり、高齢運転者の責任に限定されることではない。
また、交通事故関係の医療費は、各種保険組合の同程度の障害による医療費算定より割高の支出になっているとの話も聞く。これは保証コストを安易に保険料金に転嫁できる制度によるのではなかろうか。
これは、イギリスでも云われていることだが[1]、日本でも同様に、このような軽率で詐欺まがいの理由を付けて安易に保険料率を上げる口実にしている現実がある。
日本では、政府系の監督機関による保険料に関する審議委員会があるが、報告書を見ると、委員に関連組織の管理職経験者選を選び、委員会では、提案事案の承認を前提として核心を突く議論を避け、委員のつまらない提案などの記録を残すことで、単なる儀式となっている様に見える。
12月9日に東京電力は2号機の原子炉建屋の岩盤(地下196m)の振動加速度が675ガルであったとプレスリリーズしたようだ(朝日新聞12月10日記事)。
下記のデータはINPO(Institute of Nuclear Power Operations)から11月に公表されたPDFファイルに記載されていたものである。著作権法問題があるかもしれないが、私用の日記メモとして許してもらおう。
下の表は、このレポートに記載されている東京電力福島第一原発第一~第六の原子炉建屋の地下室での地震加速度の観測データの表である。黄色の部分が設計加速度を超えた部分で、東西振動の加速度が大きかったことを示す。
更に、これらの地震計で観測した加速度の震動周期別強度分布のグラフが下図のように添付されている。
赤線は東西振動の観測値である。これで見ると設計振動周期スペクトルの最大値0.5秒より短周期側に設計加速度を超えた振動が見られる。特に第三号原子炉では顕著に表れている。
これがどれだけ損傷の原因になっているかわからないが、放射性キセノン133の観測データから[1]、原子炉の損傷は津波災害の前に起こっていた疑いが云われており、東京電力がデータを示さないで地震での原子炉破損は無かったと云っても証拠を示さない限り意味は無い。
なお、上記のINPOのレポートのデータは、TEPCO(東京電力)の真摯な協力によるデータに基づいていると書かれたおり、このレポートの編集作業期間を考えると、アメリカのこの研究所には公表より少なくとも数か月以上前には情報を提供しているはずである。東京電力は日本人に対しては曖昧な文章によるプレスリリースのみでデータ隠しをし、外国には詳細なデータを渡す。こんなことをどんな理由でしているのであろうか。
再度書くが、日本の主要メディアは外国に支局や情報網を持ち、東京電力の日本国向けの情報開示と、外国に知らせている内容の違いを把握しているのは疑いにない事実であろう。にもかかわらず、本来正しい情報を伝えるべきジャ-ナリズムが、東急電力や政府官僚が、組織内の何段階かの管理職の決裁を受け、骨抜きになったプリント書類の広報に満足し、それ以上の取材報道をしていないのが不可解である。
[1] http://www.atmos-chem-phys-discuss.net/11/28319/2011/acpd-11-28319-2011.pdf
閣僚人事の適正審査システム アメリカでは実施されていた
朝日新聞論説委員 星 浩 委員の記事(12月11日)、「政治考」でアメリカ連邦政府の高官は、大統領から指名されていても上院の関連委員会での専門性に関する追及をこなさなければ大統領は任命できないとのこと。
私のブログ記事 大臣候補者には国会で政見演説と質疑応答を義務付け その結果を踏まえて首相が任命の判断をするシステムを確立しては それで初めて首相と内閣の信認が問える «
これは大学教授の採用審査からの連想であったが、この提案が奇想天外ではなく政治にも通じることが分かってかって意を強くした。
日本社会の様々な困難に直面し、その原因が、官民を問わず管理職体系の選び方に問題があることが浮き彫りになってきた様に思う。無能で無責任、さらに”うそつき”、組織の権力体系だけを背景にした管理職を如何に見出して排除するかの社会システムが必要になってきた。
外部被ばく推計 最高37ミリ・シーベルト 事故後4ヶ月間の被曝量 福島県公表へ
今日の朝日新聞トップ記事。
私がこのブログに投稿した最初の被曝量の計算予測値は、3月30日に行なったもので、当時の放射能減衰率で計算した永久被曝量推定値は、福島第一原発から北西の高線量汚染地 20~29km圏内で 11 – 62 mSv、30~39km圏内で6 – 48 mSv となった。
SPEEDI の結果とモニタリングデータとの比較 « 2011年3月30日
その後、空間線量率の減衰特性がほぼ定常状態になったと思われる 2011年6月24時点での再計算では、30km圏外で最も汚染の大きい浪江町赤字木手七郎、飯館村長泥で、事故後3ヶ月間で 50-75mSv、 放射能減衰率が3月の時点より小さくなったので永久被曝量は大きくなり 120~180mSv となった。
浪江町、飯館村の高放射能汚染域での総放射線積算量の推定計算値の比較 « 2011年6月24日
上記の私の計算は、文科省データベースの、地上1mで計った屋外での空間線量率の推定積算値であるから、今回発表になった実生活状態での被曝推定値とは違う。当然実生活状態での被曝量はこれより小さくなるが、この推定値は上限値としての重要な推定値であろう。
この種の推定値では、地域差が大きく、推定値の半分あるいは2倍程度の範囲の違いを議論できるほど正確な値ではない。
私のような一老人が、インターネットの公式情報だけで、事故後2週間余りの時点でこのような分析からほぼ正確な推定が出来ている。
菅政権は、文科省を含め、専門家や、メディアにデータの分析結果の公表を禁止していたようで、単なる放射線量の時間値データ(μSv/h)を表示することだけしか許していなかった様に見える。予測が無ければ避難などの行動を決める役には立たない、この矛盾を故意に無視したとしか思えない。
このブログで何度も書いてきたように、正確な測定データが得られていないから被曝も無いと云う理屈は成り立たない。自然科学はデータの欠損を埋めたり、将来の予測を論理的にする学問でもある。証拠がなければ犯罪も無かったことにする刑事裁判とは違う。弁護士主導の政治判断の誤りと云っては言い過ぎだろうか。
原発事故調 菅全首相及び菅政権幹部の招致出来るだろうか
この新聞の見出しを見て、真っ先に連想したのは、トニーブレア元イギリス首相に対する公聴会のライブ放送である。
イラク戦争開始と戦後処理に関する独立調査委員会のでのブレア首相聴聞会、一人で午前と午後6時間に及ぶ証言を行った。この様子は、CNN,BBCが連続して世界に放映した。
日本の場合、国会招致が実現したとしてもライブで公表されるであろうか。また予算委員会のように、マイクの前に行ったり来たりで時間をつぶし、発言内容も 「えー」「あー」「おー」の奇声を交えての中身の薄い水増し応答、検証の証拠となるような証言は引き出せず、意味のない言葉だけの儀式で終わるような予感がする。
前菅政権の閣僚たち、ブレア首相の公聴会発言のヴィデオを見て、間髪を入れずの応答が出来るよう準備と練習をして出てほしい。
政治家は、出来るだけ内容のない応答をするための時間つぶしの技術として「えー」「あー」「おー」を連発するのであろうが、はたから見ると頭の回転の鈍さとしか見えない。
2010年1月のブログに、この公聴会を見ての感想を投稿した。
私は、何度もSPEEDIの重要性をこのブログに書いてきた、中でも、3月30日に投稿した SPEEDI の結果とモニタリングデータとの比較 « は現在までに1,166回のアクセスを頂いている、私のブログでは突出したアクセス数の記事である。
これより前、私のブログ3月22日 環境防災ネット 文化省原子力安全課原子力防災ネットワークの欠損データ « で紹介した 福島県のSPEEDI │ NNET 、ここで訓練用としてすでにSPEEDIの存在と2009年11月1日このシステムを用いた仮想空間計算図形線量が紹介されているが、肝心の東電福島原発事故後2011年3月11日以後の運用には全く触れられていない。
外国のメディアからの情報を見ると、米軍の航空機観測データ、IAEA等の国際機関が強行した地上データ、それとSPEEDIを用いて検証したと見られるデータが外国では公表されていた。それらは、今公表されているデータと比べてもほぼ正確な災害範囲の全容の分析結果が得られていた。
日本政府・東京電力の情報隠し、メデアも当然外国支局の情報からこれらのデータを知っていたはずであるが、自主規制と云う”談合”でお互いに口を封じ報道機関としての役割を放棄した。その結果、被災地自治体や被災者には全く情報が届いていなかった証拠が続々と出てきている。
放射線被ばくから避難が遅れた日本の地域 SPEEDIの知見が無かった管政権の責任 «
残念としか言いようがない。
最近の目に余る大臣の資質にかかわる疑問。諸悪の根源は、大臣を政治的適性ではなく、特定の政治グループの力のバランスから推薦された人物に首相が割り当てる名誉職としている弊害だと思う。
大臣が名誉職(利権?)で満足し、官僚におんぶにだっこ、「日本の政治家はだめだが優秀な官僚で持っている」 と云われた時代にはこれは問題にはならなかった。
政治主導を唱えたが、実情は主導する能力が疑われ、ただ権力だけにすがる大臣、これでは人は動かなない。これが現状の閉塞を生んでいる元凶ではないだろうか。
このブログタイトルの発想は、突飛のように思われるかもしれないが、アメリカの大学で一般的に行われている教育職員の採用時に行われている手続きからの連想である。
教員採用希望者は、専門業績や、複数の適正な関係者の推薦状を提出し、大学の学科、学部の管理職の書類選考に合格した後、学科の教育職員、大学院の学生を対象に専門の研究に対するセミナーで評価を受ける。その結果をみて管理職は採用可否の最終判断をする。
これと同じように、国会で担当大臣としての政見を表明し質疑をこなし、大臣としての資質の評価をうけることで始めて他の議員や官僚の協力が得られるのではないだろうか。もちろん公開の場で行うことは言うまでもない。