実勢の交通状況における利用者の事故死亡危険率を推定することは、現在入手できるデータベースでは直接知ることができない。
各交通手段による1年間の事故死亡者数は、実勢の道路交通社会での事故災害の度合いを知る上では確かな数値ではある。しかし、交通手段別、年齢層別、男女別あるいは国際別比較などの比較では、よく行われている年齢層別人口や運転免許保有者などの10万人当たりに換算した比率は、該当するグループの運転適性を知るものであり実際の交通環境での災害の度合いを示すものではない。例えば、働き盛りの30,40歳台も80歳代も同じ人数になることは現実にはありえな仮想値である。
現実の交通社会において、各交通手段の死亡危険性を見る一つの方法として、道路利用量(暴露量)の推定値として事故件数を用いることが行われる。ここでは主な交通手段、自動車乗用中、歩行中、自転車乗用中、全交通手段による事故死亡率をそれぞれの事故件数を母数として算出した。このグラフでは、年齢層5歳区分の2006年から2016年までの年度別データを各5年齢層母集団について5年後10年後の追跡をし、重ねて表示したグラフである。何れもe_Stat 警察庁データから。

歩行中の死亡危険率は、他の手段に比べすべての年齢層で格段に大きいことがわかる。自動車乗車中では、全年齢層にわたって最も死亡率が小さく、安全な交通手段であることがわかる。自動車乗用中の警察庁のデーターベースでは、運転者だけでなく同乗者も含むデータしか得られないので、運転者だけの危険性ではないが、アメリカの例では運転者より同乗者(助手席)のほうが死亡率が大きいとした文献がある。
歩行中の死亡危険性は、年齢とともに増加し、80~84歳区分で見ると自動車乗用中の4倍近くの死亡危険率である。
何度もこのブログに書いているように、どの統計的証拠を見ても、道路交通全体の安全のためには高齢者の道路歩行を減らす交通政策が最も効果のある手段であり、高齢運転者から運転免許を取りげることはますます交通事故死を増やす効果しかない。
不可解な警察庁の「高齢者は排除すべき危険運転者」の認識。
先進世界の常識に反し、日本だけが高齢運転者を危険視し除外をしようとしている。
年齢層別死亡事故に関与した責任の重い運転事故(第一当事者)の死亡事故件数と交通形態別死亡者数を描いたのが下のグラフである。
60歳を境に高齢者側では運転者の関与した責任の重い死亡事故件数が年齢とともに減少しているのに比べ、事故による死者数は急激に増加している。それは、歩行者と自転車の死亡率が顕著に増加していることが原因していることがわかる。その理由は、被害者の層別分布は他の年齢層の加害事故によって起こされているものも含まれ、加害者(一当事故)件数分布とは一致しないからである。60歳以下の年齢層の運転者の(一当事故)死亡事故件数より同年齢層の死亡者数が少ないことでわかる。平均的には20~60歳までの運転者が運転免許を持たない若年層や高齢者層の死亡事故に関わっているということである。

下図は、人身事故被害者数と年齢層別負傷事故に関与した運転者の事故件数分布である。
この場合は60歳以上の高齢者側では責任の重い事故件数と実勢の負傷者数との差は見られない。低年齢層側では実勢の人身事故件数の方がお多い、これは平均的に事故件数当たりの負傷者数が多いと見ることができる。

多様な交通手段による総合的な交通中の路上滞在量(暴露量)の推定は困難である。よく見られる推定量として事故数に比例する値が用いられている。これで見ると、明らかに65歳以上の高齢層では、自動車乗車中の道路滞在量と平行して運転事故(第一当事者)も減少し、高齢運転者が過度に事故に関与している証拠はない。(グラフではその他の事故数は除いた)
どうして死亡事故と負傷事故との間にこのような差異が出るのだろうか? それは高齢者は身体的な脆弱性のため同一程度の人身事故でも死亡に繋がりやすいためである。特に歩行ではこの傾向が大きいためである。
死亡事故数の年齢層別統計は、高齢者事故件数を過大に評価することになる。
このことは、世界の先進国では常識として知られている。
2014年、すでに達成していた日本の乗用車の関与した事故死亡事故率が世界最小、人口10万人当たりの世界順位。
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人口の高齢化と高齢者交通事故死との関係
Road Safety Annual Report 2017 – © OECD 2017 のデータよりOECD加盟国(29ヶ国)の人口高齢化率と交通事故死亡者の高齢者構成率の相関グラフを描いたものが下図である。
不思議なことに、視覚的にグループIと、IIの二つのグループの存在が見られる。それぞれのグループ毎に指数近似曲線を求めて記入した。
このグラフから、人口高齢化率にた対する事故死亡構成率の大きさが違う二つの集団に分かれているようにも解釈される。

Figure 1.6. Share of the over 65 age group in the population and in total road deaths
日本は、高齢化率が最も進んだ国であることは周知の事実であるが、高齢者の事故死亡構成率でも最も多く、グループIの死亡構成率の大っきいグループに分類される。
この要因は何であろうか?
何れにしても、日本では高齢者の道路歩行者(自転車)の死亡構成率が70%余りもあることから、交通安全政策の最も重要対策は、高齢歩行者や自転車利用者を減らす政策であろう。
アメリカでは前世紀(1997年)イギリス(2005年)、高齢運転者は歩行者との死亡事故に異常に大きい関与をしていない事は証明されている。日本ではいまだに警察庁が間違った根拠で高齢運者排除政策を推進し続ける理由はどこに。



日本でも、高齢運転者の歩行者死亡事故に関与した第一当事者数は、中年以上年齢とともに減少している。それに反し歩行者死亡率は年齢とともに増加している。これが実勢の証拠である。

e-Stat 警察庁データベースより。
”高齢運転者は危険運転者ではない” 国際的な道路交通研究機関では常識になっている認識が日本だけは信じられていないのは無知からではなく、何か作為的な現象と思いませんか?
下図は主な世界先進国での高齢者の交通手段別事故死者の構成率を描いたものである。
この5か国の人口10万人当たりの全交通事故死者率は、日本:3.8、フランス:5.2、ドイツ:4.2、イギリス:2.9、アメリカ:10.4であり、アメリカを除くと自動車利用率が大きいからと言って死亡率が高くなるわけではない。特に日本の乗用車事故率は世界で一番小さい。

○ 状態別死者数の欧米諸国との比較 警察庁交通局

日本では歩行者と自転車利用者の死者が異常に多いことがわかる。特に高齢者(女性)の日常の生活の買い物に自転車の利用者が多いことが原因であろう。
日本の場合、最も効果のある交通安全対策は、高齢の歩行者や自転車利用を減らすことである。
そのためには、高齢者に安全な運転補助装置の車を推薦し、合理的な運転教育の充実で、できるだけ長く安全な自動車運転が続けられるよう援助することである。
現在の道路構造のまま歩行者の安全を確保することは非常に難しく、高齢者から免許を取り上げ道路に放り出すことは事故死者を増やすことにしかならないことは統計から明らかである。
左の文章は証拠のない間違った思い込みを根拠に高齢者の人格と人権を無視していることに気付かず、国家権力の介入が当然のような表現になっている。
欧米では、この種の文書では医学的な根拠の証拠を示し、高齢者の尊厳と人権を傷つけないよう高齢者自身の決断を促すよう配慮がなされている。
12月15日から1月17日、年末年始休暇を含み在宅人数の多い極寒の季節の電力使用計測表が入っていた。
私の家の場合、住宅用電力(おとくプラン)と冷暖房用(ビジとくプラン)の二つの契約に分けている。それぞれの計測表は以下のようである。

料金概算で見ると住宅用電力が19,505円(732kWh)、低圧電力が54,465円(3,602kWh)となっている。
この電力使用量に対する平均電力単価を計算すると、家庭用で1kWh当たり26.6円に対し冷暖房用小型電力では15.1円、住宅用電力単価は小型電力単価の1.8倍になる。
これは家庭用電力料金が複雑な累進価格上昇制度であるのに対し、小型電力では月額基本料金と単価の安い使用電力の合計で計算され、電力を必要とする季節では平均単価に換算すると安くなるためである。
いずれにしても料金の算出基準が複雑であり単純に比較はできないが、仮に低圧電力料金を季節平均12円/kWhとし、全使用電力を家庭用電力料金22.5円/kWhで換算すると家庭電力契約だけの場合月10万円以上となる(現合計請求料金73,970円)。
現在の家庭用電力料金制度の下で、介護施設や病院と同様の環境で24時間冷暖房や、各種介護機器の使用電力を必要とする家庭介護では、非常に多額な電力料金が必要となることの一例である。
電力を極力節約している高齢者はこの料金制度の恩恵を受る社会福祉制度と電力会社は言うかもしれないが、住宅の劣悪な寒冷・酷暑環境のストレスが健康維持の障害であることや、ヒートポンプエアコンを使用することで石油スト―ブなどの室内裸火の災害を避けることができることの手段を知らず、この人たちにひたすら我慢する生活を強いていることとなる。
省エネを云うなら安い電力料金の商業施設こそ規制をかけるべきであろう。
「高齢社会対策大綱」の運転政策 この政策の実現によって80歳以上の運転事故は減るかもしれないが歩行者増による事故が増加する それに関与するのは60歳以下の大多数の運転者である 事実誤認の政策か!
朝日新聞1月17日2018年の記事より。

① 「安全サポート車」の普及は高齢者運転者に限ったことではなく、歩行者も含め、道路交通全体の安全に関寄与する政策で積極的に進めるべきである。
② 高齢者運転の死亡事故が多いと錯覚するのは、この事故が稀であり事故のたびにメディアが目立つ見出しを付け報道するせいである。圧倒的に多い一般の運転者事故は日常茶飯事として目にとまりにくいのが原因しているからであり、これは明らかな事実誤認である。
③ 安全に運転出来る高齢運転者の削減政策による歩行者の増加は、かえって全体の交通事故を増加させる。
④ 運転免許を自主返納した人を優遇する奇妙な政策。初めから運転免許を持たない高齢者や、免許不適格者を置き去りにする国家政策は人権に反する。
⑤ 高齢者の知的能力を下に見るおせっかいな人権無視の政策。
〇 事実の確認
運転者が遭遇した年齢層別の人対車事故の第一当事者件数(青色棒グラフ)と同年齢層の歩行中の事故死傷者数(赤色)をグラフにしたものが下図である。

e-Stat 警察庁データーベース h27年交通事故発生状況より。
歩行中の被害者数では、運転免許を持たない15歳以下が圧倒的に多く、次いで高齢者側では運転免許保有者の割合が少ない70歳以上で、歩行中被害者数の方が運転中の人身事故第一当事者(右側青色)件数より大きいのがわかる。言い換えれば、自動車運転の利用が出来ない年齢層の歩行中事故数は圧倒的に多く、その事故に関与した加害者層は20歳以上69歳以下の一般運転者によって分担されている。第一当事者当たりの平均歩行者負傷件数は1.3人程度であり、高齢者が事故件数当たり多数の死傷者に関与しているとの統計データは見当たらない。
「安全サポート車」の普及は高齢者のためでなく、歩行者との事故に遭遇する大多数の一般の運転者に最も多く恩恵を与えるものでありこの政策は勧められるべきである。
氷晶


霜の朝 寒さに耐えるばらたち



