血圧の日内変動 昼間と夜間との違いをどう評価するか
ABPMなどで血圧の日内変動を見ると、健常な人なら血圧は昼間は高く夜間は下がるのが常識でこれをdippers、夜間に血圧があまり下がらない人をnon-dippersと云う。
しかしこの血圧変動は、生物学的昼夜時間に同期するものか、昼夜の活動の違いによるものだろうか?
もし血圧が身体的、あるいは精神的活動量に依存するとすれば、有職年代の社会活動期と、自宅生活や健康維持のための歩行などまた、老年期の自立行動に限る場合、昼夜の血圧統計値は変わってくるはずである。
高齢期の生活状態には多様性があり、単に昼夜の時間帯平均の違いだけで臨床的にdipperあるいはnonn-dipper 等と判断し臨床的に対応するのは疑問である。

上のグラフは私の日内血圧変動を表したものでnon-dipper に相当すると思われる。しかし私は高齢で、自立生活はしているものの家事作業や外出など長距離歩行等はしていなく、主として座位での読書やコンピュータ作業など安静時に近い生活をしている。精神的ストレスや運動に伴う血圧上昇の機会は有職世代とは異なる状態にある結果かもしれないと思っている。
測定した血圧値が曖昧でありながら、高血圧の診断や降圧薬による介入。科学以前の疑問
臨床で用いられる血圧には二つの大きな疑問点がある。その一つは血圧測定が技術的にいかに正確に行われたとしても人の血圧は時々刻々変動するものであり、その値は計測時の環境条件と測定時の瞬間値に過ぎない。
血圧診断は、従来から一般に診療室での医師による水銀血圧計による聴診法で行われていた。しかし、最近ではオシロメトリック法による自動血圧計が診断でも用いられるようになった。
高血圧ガイドライン(JSH2014)では、診察室140/90、家庭血圧135/85、自由行動血圧測定(ABPM)130/80 mmHg以上としているようだ。しかしこの基準の検証可能な科学的根拠はあるだろうか?
最近の医療用自動血圧計及び家庭用血圧計あるいはABPMモニターは何れもオシロメトリック法によるものと決められているが、現在オシロメトリック法のアルゴリズムはメーカー固有のものであり公表されていなく科学的互換性が疑われる。
このような状況でありながら、大学病院でも見かけるようになった診察室前の自動血圧計による計測、そのプリントを持っての診察。厚生労働省は診療保険点数として認めたのであろうか?
参考資料:オシロメトリック型自動血圧計の賢首と課題、日本総合検診医学会第43回
いまだに行こなわれている診療室血圧での血圧管理
臨床に於ける血圧管理を診察時血圧で評価するにのは不合理であることは指摘されている。例えば「高血圧臨床に於ける血圧変動性」第24回臨床血圧脈波研究会。しかし現状は大学の医療機関でも見掛けるように診療室前に置かれている自動血圧計測、これは何を意味するのだろう。
今回は、私のABPMで計測した2023年半年余りのデータについて統計を試みた。
データはABPMによる24時間30分間隔に設定した連続計測値で、半年間約4千回の測定値である。
下のグラフは、毎時刻毎の血圧平均値とその標準偏差を表したものである。生活の中心は、主として自宅におけるもので、住居内全域の温度管理は年間を通じ24時間24℃を中心に±4℃以内にコントロールしている。したがって季節変動は少ないとみられる。また日常生活は、高齢のため昼間活動期にも身体に負担のかかる作業や運動は制限し安静時に近い生活時間で過ごしている。そのため、昼間の血圧上昇が少なく表れているのかもしれない。必ずしもnon-dipperとは言えないのかもしれない。
外出は、主に生活に必要な買い物や診療等であるが、私自身の乗用車運転を利用している。高齢者にとって苛酷な気候など環境の変化にさらされたり、また身体的虚弱性による自損障害事故など危険な道路歩行や自転車、短距離の公共交通機関は殆ど利用していない。

下のグラフは、毎時平均値に対する標準偏差の日変化を示したものである。日中の生活活動時間帯では大きく、就寝中や安静時間帯では小さいことが分かる。
血圧測定のガイドブックでは朝安静時に時間を決めての計測が勧めれれているがこれには合理性がある。しかしそれでも毎回の測定値の標準偏差は15~10mmHg程度の確率変化が見られる。言い換えれば毎日1~2回の測定では10mmHg程度の血圧変化は偶然のバラツキであり当日の血圧とは言えない。臨床的には循環器系の患者では何年も診療を続けており主治医はこの不確実性を認識しており毎回の診療時だけの血圧値で判断しているわけではないのは事実であろう。

血圧に関する高度な統計分析の論文やその解説はあるが、基本データである血圧測定の方法について明確な基準があいまいなものが多いような気がする。
血圧降下薬アイミクス服用を中止して2ヶ月 心房細動の発症再発か?
2023年6月16日まで服用を続けてきたアイミクス(AIMIX LD Irbesartan/Amlodioine Beslate 100mg/5mg)の服用を中止して2ヶ月、服用中と、中止後の血圧測定値を比べてみた。
血圧測定は、24時間自由行動下血圧計(ABPM)で原則30分間隔に設定して記録した。測定度数は服用時が3,900,降圧薬を服用していない時の測定数は2,300個ほど。


降圧薬服用中に比べ服用していない期間には何れのデータでも血圧はほぼ10mmHg程度の上昇は見られるものの高齢者の薬剤による降圧がどれほど効果がるだろうか?「高齢者の厳格降圧、利益有は3年以上」JAMA Intern Med等。また血圧分布の上下からの5%積算値は降圧薬服用無しの場合には明らかに上昇していることが見られる(ヒストグラム下段左)。これには注意することが必要だろうか?
私の場合、今回は2ヶ月ほどのアイミクス服用中止中に突発性心房細動の徴候が4回ほど見られ、最長の場合では1時間半ほど続いた。
主治医の指導でアイミクスLDの服用を再開することにした。
私のブログに異変が 中国とアメリカの表示数が日本より多いことに!
テレビに登場する 政治家・知識人・専門家と云われる人種の情けない映像の数々と比べて
長年続けてきた降圧治療薬服用を中止した理由
高齢者に厳格な降圧治療は必要か? 私は、24時間血圧モニターで7年余り、30分毎のデータを取り取り続け蓄積してきた。その間には各種降圧薬を複数処方されてきた。結果は、ほぼ循環器学会編のガイドラインの平常値を保ってきた。現在処方されている降圧薬はアイミクスLDだけであるが、これの服用をABPMの測定結果を注意深く監視しながら中止した。結果は、著しい血圧の上昇は見られなく、主治医の承諾を得て現在まで続けている。
無降圧剤で7週間余り経ったところで統計を取ってみた。
下のグラフは、血圧5mmHg区間ごとの頻度分布を表したもので、一見降圧薬有無の違いはわずかに見える。縦軸は総測定値に対する相対頻度%で示した。

収縮期血圧分布は降圧薬による降圧効果が見えるが拡張期では殆ど無いと云ってよいだろう。
この両者について、エクセルの基本統計量を比べてみた。殆どの統計量に対して降圧薬の効果はわずかと見られる。

ただし、危険因子と見られる血圧の頻度を比べたものが下表で、降圧薬無しの場合見られる赤字の高血圧出現率はアイミクス服用中では明らかに減少している。

24時間生活環境下に於ける、収縮期血圧150mmHg以上、または拡張期90mmHg以上の出現率を降圧薬服用によって三分の一ほどに減らすことにどれほどの医療効果に期待できるであろうか。
COVID-19 OWiDが収集した日本の患者情報
診療室血圧効果と24時間月間平均血圧の乖離はこんなに大きい
私の通院する病院では循環器診療に際しても自動血圧測定器により計測しそのプリントを持って入室する方式になって1年余り。医師による対面測定は廃止された。この状況は他の大学病院でも見るようになった。
通院距離や交通手段にもよるが、移動した直後の測定値、個人差があるだろうが血圧が上昇している時の値と見てよいだろう。
私は24時間血圧測定器(ABPM)を常時装着して長期間統計を取っている。したがって医師による診療室血圧測定の結果でもそうだが、自動測定器による測定値はABPMとの同時の測定でも高く、更にABPMによる日平均値と比べればかなり高い。
私の場合のその一例を下表に示す。

診療受付に設置されている自動血圧計による値と同時にABPMで測定した血圧との差で見ると収縮期血圧で自動計測機の方が最大10数mHgも大きい。更にこの値は日平均値と比べると50mmHgにも及ぶ。
経験のある医師は血圧の日変化や診療室効果を十分認識して診断にあたっているだろうがどうだろう。循環器診療ガイドブックにある「家庭血圧を重視し患者に毎日起床時の血圧をメモする様」はどれほど実行されているだろうか?
高齢者に対する血圧降圧薬の過剰処方の方が心配される。
血圧自動モニターによる2016年度と2023年度との比較
私は、2015年10月からABPM(Contec製)を用いて就寝中も含め毎日24時間30分毎に血圧と脈拍のモニターを続けている。データはICメモリーに蓄積され統計操作が出来るようになっている。
現在まで、膨大な取得データを蓄積しているが、その中から2016年度1年間の血圧の平均と度数分布を算出し本年度2023度の年7月16日までのデータと比べてみた。
以下の2枚のグラフは収縮期と拡張期の血圧の度数分布を示したもので、7年間の間隔がありながら殆ど統計的な結果は変わっていない。
循環器科の診療を続けているために、この期間中各種血圧降圧剤が処方され服用してきたが、本年6月よりすべての降圧剤の服用を中止して現在は経過観察をしている。


主な統計値を下表に示す。7年間の間隔がありながら殆どの値が変わっていないとみてよいだろう。

年齢とともに変わる各種既往症、血圧だけはうまくコントロールしてきたと思う。



