COVID-19 感染拡大の防止には 感染歴把握が可能な感染数の谷間で
NHK編集の東京都モニタリングによる画像。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/number-tokyo/monitoring.html
これと、私が作成した東京都の日毎の感染確認者数と簡易(実効)再生産率(7日あたり)を示した。

これで見ると、感染者の簡易再生産率は接触履歴不明者の増減率と酷似している。接触歴不明者の増加と感染再生産率は同じ原因に関係しているとみられる。
これを見ても、コロナ感染防御には感染者との接触歴の追跡できる感染者数の谷間の制御が効果的であることが分かる。
今までこのブログに書いてきたように、幾つかの証拠から、感染者数暴発の頂点での感染防止対策は全く無意味であることを示している。
COVID-19 感染爆発の波 感染者数はどうして増減を繰り返すのか?
日毎発表されるCOVID-19の感染者数は増減を繰り返しそれを波動と云って当たり前のように思われているが、その現象の原因を理解するための論文や解説書は容易に見つからない。
感染の蔓延を防止するためには、感染が減少する原因を知って初めて効果的な対応の方策を立案し実行できるはずである。一番悪いのは、感染暴発の頂点まで待って何もしなくても感染が縮小に転ずる時期に、都市や行政区のロックダウンあるいはそれに近い処置を強行する人気取りの行政である。これは経済的ダメージを無意味に大きくするだけのことにしかならない。
私は、この感染爆発がある時点でピークに達し減少に転ずる理由を集団の社会的接触規模の大きさに依存するとして簡単なモデルで試算してみた。
モデルの基本として、日毎の感染者数の直近1週間合計をその前の週の感染者数で割った比を感染の実効再生産率とし、ある時点での新感染者が日毎にどの様に社会に感染を拡大していくかを計算する。ただしそのままでは国の人口に近ずく迄感染増大は止まらないので波動現象は起こらない。感染が小さな規模で縮小するのは、最初の感染者の属する社会的接触集団の大きさに依存する。実効再生産率が1.0以上の場合感染者数は日を追うごとに指数関数的に増大するが、ある期間での社会的接触集団の大きさを考える場合、累計感染者数がこの集団総数に近づくにつれ集団免疫効果で新しく感染を受ける未免疫人口が減る。これが感染減少の原因と考える。
計算式は
In=I(n-1) exp((Rn-1)/7(M-Σ1(n-1)I(n))/M)
n=0,1,2, 経過日数 In=日ごとの感染者数、 I0=初期感染者数、Rn=日ごとの実効再生産率、M=社会的接触人数
下の組みグラフは、右列は実際の確認者数に基づいた7日移動平均の感染者数と実効再生産率の推移であり、左列は一致する定数を仮定して上記式で計算した結果である。

これで、ある集団での少数で始まった感染者が次々に感染させ感染者が増大するが、集団規模の大きさに依存する集団免疫効果により減少に転ずるいわゆる波動現象が現れるのでは。
以上で分かったことは、感染爆発のピークを小さくするためには、感染開始初期の段階で小さな社会的接触集団の内に有効な感染防止規制(隔離)を行って初めて感染防止効果を上げられることである。
世界でこの合理的規制で効果を上げた実例は、台湾とニュージ―ランドだけと云えないだろうか。
COVID-19 感染情報 全く無意味なメディアの記事の一例NHK
NHKの取材能力を疑う記事。”東京 今月中に重症病床“満床”の試算も 医療体制は大丈夫か?” 8月5日 の記事で、京都大学西浦教授による試算として 東京の感染者数を 8月12日 11,169人、8月26日 32,280人として記事にしている。
下のグラフは、私が昨年2020年の実効再生産率変動を基に今年同期の感染者予測(赤線)を描いたものである。
このグラフに上記、NHK記事の試算値なるものを青丸で記入した。

グラフの紺色縦棒は東京の今年の日あたりの公表感染者確認数である。誰が見てもこの青丸印は何の意味もないただの算術としか見えない。こんな数字を社会的意味があるような記事にする科学音痴のNHK編集局に驚く。
科学は言い換えれば予測の学問である、科学の予測作業は根拠のあるデータに基づく多くの同研究者が受け入れる理論(モデル)により導き出されるもので、一流大学の教授が言った言わないの問題ではない。
私の試算の根拠は、我々の社会活動は年間の行事に大きく依存する。その結果、感染症の伝染は毎年同じ傾向を示す要素が大きいと思われる。現在得られるデータだけでは科学的モデルの構築は無理と思われるが、上記の理由により昨年の感染確認数より週間当たりの実勢再生産率を求め、本年の7月1日以降これに従うと仮定して計算した予測が赤線グラフである。
ここでは、私の予測が正しかったと主張するのがが目的ではなく、専門家の科学者が中学生の計算の様な予測を無条件に云うわけがなく、取材者の理解能力の欠如としか思えない。
ここで強調したいのは、記事の予測が外れたから非難するのではなく、予測にならない根拠で計算された数値を記事にしたことである。
以下に参照した記事のコピーを添付する。

COVID-19 感染第5波のピークは越えたようだ 東京も全国も 第6次感染暴発対策を
COVID-19 東京の感染者数 7月1日までのデータで予測した感染数に追随か?
7月8日にこのブログで投稿した予測推移に沿って
COVID-19 感染爆発予測
2021/07/08
下のグラフは、上の予測に今日までの東京での感染確認数(日ごと)を重ねたものである。

まだ確信は持てないが上のグラフを見る限り東京での第5次(5波)感染の峠は越えたようだ。言われているようなデルタ株の感染増の影響は今のところ見られない。
次週まで待たなけれが分からないが東京の感染状況は昨年の季節変化とそれほど変わらないことを望む。
COVID-19 新型コロナ感染防止対策 実効ある対策とその開始時期
昨年(2020年)と比べ2倍近い感染力があるといわれるデルタ株の占有、日本でも8月10日に始まったと仮定し、今年の8月以降、2020年度実効再生感染率の1.8倍になったとして試算したものが下のグラフの赤色線である。先のブログに書いたように11月までに日本の全員が感染陽性者となる勢いである。
下のグラフで、9月10日及び10月10日に見られる髭状の分岐線は、2020年度の値に対する倍率で示した感染防止対策が実現できた時の日毎の感染者数推移位である。
まず一言で言えるのは、対策が1ヶ月遅れれば感染者数が一桁(10倍)近く増加することである。
感染対策を強化して昨年と同じ程度の感染再生産率に戻しても感染者数の増加は収まらない。感染を収束させるためには昨年の半分になる強力な感染防止実効対策とそれを即時行うことである。
上記の実行感染対策(0.5)を9月10日に始めれば(紫色実線)本年中に日本の新型コロナ感染症は収束する。10月では年末に8月の髄順に戻るだけであることになる。

政府は、ここ2週間の間に、緊急事態宣言・勧告であろうと、ロックダウンであろうと言葉はどうでもよい、効果が統計学的に実証できる政策を決断し実効すべきである。必要ならば深夜の交通を遮断し警察や自衛隊をパトロールさせる行動を決断しても国際的に違和感はない。
メディアも悪者探しの不満解消記事ではなく、証拠に基ずく科学的根拠のある状況を公表する社会的義務がある。
8月22日 集団免疫効果を導入した結果を下に示します。

既感染者は免疫効果を維持しているものとして新しく感染しないとした場合、感染の恐れのある人口の減少の為(集団免疫)新規感染者数は減少する。デルタ株の感染再生産率を2020年度の1.8倍とした場合、集団免疫効果は11月頃から働き、日感染者数200万人を頂点に以後収束に向かうことになる。
今直ちに感染再生産率が半分になる社会的隔離を強行しても(9月からの大学を含む学級閉鎖など)新規感染者数の減少には向かわない瀬戸際の時期といえる。
COVID-19 感染者予測 今まで楽観論を書いてきたがここに来て恐ろしい試算結果が
日本全国のCOVID-19感染確認者数の日毎進行について。2020年度の7月以降の再生産率変動で計算した2021年感染者数予測(赤線)と2021年8月10日からデルタ変異株のまん延で感染率が1.8倍(紫線)になったとして計算してみた。直近8月20日までの感染確認者数(オレンジ色棒)は紫線を追っているように見える。

11月には感染確認者は日本の総人口に達する勢い。それ以前に集団免疫が働いてこれ以上になることはないが、何もしないで感染力の強いデルタ株あるいはそれ以上の変異株の感染を許せばは早かれ遅かれこのような悪夢は現実になる。
その証拠とは言えないが、下のグラフは最近の主な国の感染状況で、人口百万人当たりの数で示したものである。日本は欧米の高感染国と同じ桁数となり「ファクターX効果」とは期待できない様相を示している。

ここにきて、医療科学者は、有効な感染防止策を議論して纏め、直接社会に宣言(署名入り)すべきであろう。特殊な認知バイアスに縛られた政治家に提言では理解されないし実現もしない。
何れのグラフも縦軸は対数表示とした。したがって軸幅は増減率に比例する。
Data on COVID-19 (coronavirus) by Our World in Data
グラフの修正:
8月23日に修正グラフを追加しました。
既感染者の増加に伴い集団免疫効果による感染を受ける未感染人口の減少率を予測計算式に追加しました。
減少率は (人口ー累積感染者数)/ 人口 とし この値がゼロ以下負になった場合はゼロとしました。

デルタ株蔓延を想定した場合、11月頃日毎の感染者数が2百万人程度となり、以後集団免疫の効果で減少に転ずる。
欧米のコロナ対策論争「・・・」からの考察 2021/08/16 ,アキよしかわ。 日経メディカルの記事から。
世界のウェブサイト上で医療及び公衆衛生の研究者、医療事者から多くの賛意を示す署名を得ている二つの対立するCOVID-19対策宣言について議論があったことを紹介したものである。
GBD: Great Barrington Declaration ロックダウンに反対し集中的保護(Focused Protection)の手段を提言している。
JSM: John Snow Memorundum ローリスクの若年者を含むすべての感染者に対しロックダウンなどの対策を必要とするものである。
日本では、小規模の特定地域のロックダウンも行っていない。そして死亡に対する脆弱性の高リスクな高齢者をターゲットにし、対象を絞った高度の医療保護に集中した。これはGDB宣言に限りなく近いものである。
また第一波では休校などの処置を行ったが、無差別のPCR検査は行わず、状況的に感染の疑いのある者に限定して検査を行い、陽性者が発見された場合徹底的にそれと密接関係者を追跡して感染爆発の母体となる陽性者の隔離・医療を徹底したことが大きい。
著者は、「日本ではひょっとしたらGBD宣言は成功したかもしれないと思う」と書いているが、それは日本政府のリーダーシップと明快な支持なしに行われたために宣言の効果ではないという解釈ではなかろうか?
私は、日本の状況は高度な知的集団の議論による宣言をまとめその指示で行動したのではないが、現場の医療担当者、組織等の経験に基づいた常識的行動が必然的にGDB宣言と一致した「成功事例」と思いたい。
政府政策の失敗でワクチンの投与こそ遅れたが、この配布システムは高齢者に対する思いやりが深い社会の合意性が混乱なしに実現を見たた証拠でもある。
著者プロフィールの拾い読み。
著者はアメリカで教育を受けカリフォルニア大学バークレイ校の博士(経済学)、スタンフォード大学に医療政策部を設立等、主にアメリカでの活躍歴が多い。意味な議論の参考文献リストも添付されている。




