「2025年には、65歳以上の5人に1人が認知症になる」──。超高齢社会を迎えた日本では、このような推計が示されている。一方、欧米では認知症患者が減少傾向にあり、運動や心血管リスク管理など認知機能を保護する因子に関する報告が相次いでいる。生活習慣病などの危険因子を避け、保護因子を強化すれば、認知症を減らせる可能性は高い。
以下は、私が交通事故に関する警察庁のデーターベースe-Statを用いて75歳以上の高齢運転者に関する各種要素について分析しグラフ化したものである。

上のグラフは、交通事故に関係する主な要素の年次推移を2006年を100とした指数で描いたものである。75歳以上の運転免許保有者率は9年間に85%倍近く増加している、それに比べ運転者(第一当事者)の死亡事故増加率は8%である。すべての年齢者が関与している75歳以上の歩行者や自転車乗車中の事故死者数は10年間で20%近く減少している。
下のグラフに、75歳以上の自転車・歩行者の事故死者数と同年齢層運転者(第一当事者)の死亡事故件数、そして運転免許保有者数を示した。

日本の75歳以上高齢者の交通事故死者の実情は、歩行と自転車交通中の死者が圧倒的に多く、この年齢層の運転者の責任が重い死亡事故に関与した数に比べ2倍から3倍も多い。言い換えれば被害者層である。
しかも、運転免許保有者は10年間で2倍近く増加しているにもかかわらず死亡事故に関与した一当事者の増加率は10%程度である。実際に運転していない人も含め、高齢運転者は模範運転者といえよう。
歩行者や自転車交通中の死者数が、この年齢層の運転中死亡事故件数より多い事実は、これらの事故に関与した運転者の多くは高齢者以外の一般運転者であることである。
このように、日本の交通事故死亡者の大多数は高齢歩行者や自転車利用者であり、この人たちを減らす対策が最も効果的であることを示している。高齢者から運転免許を取り上げることは返って危険な歩行や自転車利用を増加させ、交通事故全体を増加させることになると思われるが、これを正確に検証できるデータを警察庁は公表していない。
第5回高齢者交通事故防止対策に関する有識者会議の配布資料の意図は?

これは会議の根拠となる配布された資料の一部である。この線グラフの年次傾向を見ると高齢運転者の危険性をことさらに強調する工夫がなされている。例えば右側のスケール、下限目盛を0から始めずそれぞれ4%、2%とし上限を最大値いっぱいに展開している。それに比べ左スケールの事故件数棒グラフは0から始め棒の先端を上限ぎりぎりに、あたかも事故件数が多い印象を与えるよう表示されている。
私が、警察庁のデータベースを用いこのグラフの計算根拠を検証したところ。以下のグラフのようになり、各年次ごとの第一当事者死亡事故事故件数合計値に対する高齢者層の構成率であった。これに2006年を基準にした運転免許保有者指数を併記した(左目盛)。これは明らかに年齢層別運転者増によるもので高齢運転者が死亡事故を起こしやすい証拠資料ではない。

日本の交通事故死者対策で最も重要な課題は、最大の事故被害者である歩行者や自転車利用者をいかにして減らすかである。
世界一安全を達成した日本の運転者を公表して評価せず、悪者にする警察庁。この間違いは欧米の自動車交通先進国の統計データを見ればはっきりしている。
交通手段はすべての人に重要であり、単に高齢運転者を減らすことはかえって全体の交通事故死者を増加させるだけである。この事実を警察庁はどう認識しているのであろうか?
多難なアメリカの社会問題
シャーロットビル、白人至上主義者のデモが発端となった暴動。トランプ大統領の言動が眠った子を起こしてしまった感のあるアメリカ社会の人種問題。
バージニア中西部バージニア大学のキャンパスのある町。1968年夏、1か月ほど滞在した。バージニア大学の天文観測施設を借りて大気光(Airglow)の観測をした。
合衆国建国の父であり、独立宣言の起草者で、また第3代大統領でもあるトーマス・ジェファーソンによって創立された大学。世界遺産、美しい大学のキャンパス、良い印象しか残っていない。上段右の写真は観測施設の前で、右が50年前の私。

私が見た暴動事件、公民権運動のマルチン・ルーターキング 牧師の暗殺に絡むワシントンDCでの暴動。当時アイダホ大学に勤務、春の学会のためワシントンに出張する前夜航空会社から電話、予約してあった便は空港に夜着くことになり夜間禁止令のため空港から出られないどうするかの問い合わせ。次の日の昼間に着く便に変更したことを思い出す。下の組み写真はその時のワシントン市街の様子。ホワイトハウス前、家族連れの観光客か良き時代を思わせる穏やかな風景と同時に、連邦議事堂前の道路をパトロールする軍隊、そればかりか下段左は閉店命令で閉まっている酒屋を兵隊が守っていた。
夜間は外出禁止、ホテルではバーはもちろんレストランでも酒類は一切禁止、こんな夜が数日続いた。

ただ今回の暴動は今までの暴動とは異なるような気がする。
私の知る限り、アメリカで何回も起こっている暴動事件は、何らかの暴力沙汰がきっかけとなり、社会的に不利な状況に置かれている人たちがそれに便乗し、自分たちの生活圏内にある商店などを破壊、略奪する暴動が拡大する、このような構図だった。
今回は、社会に潜んでいた白人至上主義者やネオナチがトランプ大統領の支持を得たかのような意識で外部から集結したことによるもので、これが今までと違い市内の略奪事件には発展していない原因だろうか。
32年前の夏


私は、ちょうどこの1週間ほど前、夏休みを利用してニュヨーク州立大学(SUNA)に研究出張し滞在していた。この新聞は同僚が持ってきてくれたものである。アメリカ国内線でも重要な移動の足となっていたボーイング747(ジャンボ機)、教育程度が高くアメリカ国内での移動が日常的な職業についている人たちには他人事とは思えない事故であった。テレビニュースでも時間を割いて特別番組を組んでいた。ヘリコプターで釣り上げられる生存者の映像、遭難者が機内で書き留めた家族への別れのメモを英訳して読み上げるなど涙をそそるニュースが数日続いた。
524人、体の小さい日本人に特化した座席の見取り図など、満席の状況などもれレポートされていた。
真相は確かめられないが、墜落から約20分後の19時15分頃、アメリカ空軍のC-130輸送機が墜落現場を発見し通報。アメリカ陸軍救難ヘリを現場へ誘導したが、日本側の要請により救助開始寸前に中止を命じられる。
すっと後、福島原発災害でも、日本政府は駐留米軍の出動を断ったという。人命より、とりあえず行政組織の責任になる証拠が外部に漏れるのをふせぐための処置としか思えない。
警察庁事故データベースe-Statを用いて2016年から2016年までの10年間について、75歳以上の高齢者層の運転死亡事故件数と歩行・自転車の死亡数を2006年の値を100とした指数のグラフを示した。

これだけで確実な因果関係を特定することはできないが、乗用車運転事故の上昇率より歩行・自転車交通者の事故死亡減少率の方が大きいのがみてとれる。
歩行、自転車利用が乗用車乗用中より危険なことは明らかなことから、高齢者の乗用車利用の増加が交通事故死全体の減少に寄与しているとみるべきであろう。
下図は65歳以下の運転者(第一当事者)の死亡事故件数と歩行・自転車通行中の死亡数の年次指数で、これを見ると双方ほぼ並行して減少しており上図の75歳以上とは反対である。この年齢層では運転免許保有率はほぼ飽和に達しているとみられ、歩行者は少ないので交通事故そのものの年次減少と見るべきであろう。

第5回高齢者交通事故防止対策に関する有識者会議の議事概要報告を読んで
委員会出席者: 有識者13名、警察庁3名、関係省庁8名(内国土交通省3名)
各論: 認知症関係、免許証の自主返納関係、高齢者の生活支援関係、車両関係、運転免許制度関係について、各分野の委員からとみられる発言記録が記述されている。委員間での討議記録はない。おそらく言っ放しであったのだろう。
総合的に見た場合、高齢者交通災害で最も分担率の大きい歩行者と自転車に関する事故防止の観点がすっぽりとぬけている。これでは日本の交通安全策とはいえない。
下のグラフは 警察庁のデーターベースe-Statから描いたものであるが、これで見ても75歳以上で顕著なのは歩行・自転車および乗車中の死亡者が運転中の死亡事故関与件数に比べて圧倒的に多いことである。この事実に基づいた議論が(発言)がどこにも見られない。

他にも、欧米先進国では慎重に検討されている高齢者の人権や健康寿命と移動性(交通)の重要な関係の検討項目も見られない。ただ生活支援の話だけである。
現実のデータが示す交通安全策は、
安全に運転できる運転者が高齢だからとの理由によって運転免許の返納を推奨すること(高齢者運転を白い目で見る風潮)はかえって日本の交通事故全体を増加させるという明白な事実を確認することから始まる。
高齢歩行者の死亡事故に関与するのは大部分現職中の運転者であり、社会的被害者はあなた方であることを。
第5回高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議の配布資料に見る疑問
”60歳以上では運転加害事故より歩行・自転車交通中の被害事故のほうが多い”
日本の交通事故死を減らすには、高齢運転者を安全に運転が続けられるよう保護し、高齢者の歩行や自転車交通を減らす工夫をすることであり、高齢運転者を加害者視し除外することはますます日本全体の交通死亡事故を増加させることになる。
世界の事故データベースからは、既に日本の乗用車運転死亡率は世界一の安全を達成し、交通事故全体では5位以内である(OECD世界交通フォーラム)。歩行者を減らす政策こそ日本の交通災害を減らすことを示している。
この事実に反し:
改正交通法の基礎となった有識者会議。間違った資料での議論、どのような知識の有識者であったろうか? 警察庁は何故日本全体の事故死者を増やすことになる間違った高齢者差別に夢中になるのかが疑問?
下の画像は有識者会議の配布資料一覧資料1である.

上段のグラフは、人口の高齢化に伴う運転者の年次推移によるもので、高齢者の道路交通障害を直接説明するものではない。運転者の死亡事故件数の構成率増加は歩行や自転車などの死亡構成率が下がった結果であり欧米型の事故構成に近づいた結果であろう。下段のグラフは各年齢層区分で運転者人数が一定とした場合(10万人当たり)の仮想状況であり、いくら日本の高齢化が進んだとしても80歳以上まで同一運転者数になるはずがない。このグラフは運転者の年齢別運転特性を表すもので、欧米で一般的に知られている高齢者の脆弱性のため、死亡統計では同一規模の事故に対し高齢者は3倍以上死亡につながりやすくこれは車の同乗事故でも同様であり事故の起こしやすさを示す統計ではない。このようにこの参考資料は交通政策の基礎となる交通社会の被害の実情を表すものではない。また、自動車運転以外の交通事故死を除外した資料でもある。
この資料は、高齢運転者を保護する道路環境政策の検討としてならば意味を成す資料といえよう。
交通社会政策として重要なのは、実態の交通災害率である。以下に警察庁データベース(2016.e-Stat)による社会全体から見た実態の高齢運転者加害状況を示すグラフを描いてみた。
下のグラフは日本の道路交通事故死者の実態を表すもので、原付以上第一当事者の年齢別死亡事故件数と歩行者と自転車利用者の合計死者数を描いたものである。70歳以上では歩行・自転車利用中の死者が明らかに多く自動車運転中の死亡事故はそれより少ないことがわかる。

これを、はっきり見るために、高齢者側からの交通死累積分担率%でグラフを描いてみた。この場合には60歳以上では運転死亡事故(加害事故)は歩行・自転車(被害事故)より少ない。

”60歳以上では運転加害事故より歩行・自転車交通中の被害事故のほうが多い” これが日本の交通死亡事故の実態である。75歳以上で第一当事者死亡事故分担率は全体の12%、運転を利用できない人たちは24%である。
日本ではまだ高齢運転者が少ないからとの声が聞こえそうだが、フランスでは高齢者の運転条件を厳しくした結果高齢者の運転免許放棄による乗用車利用が減り、返って交通事故死全体が多くなったために、高齢者の運転免許条件を緩やかにした事実がある。
下のグラフは日本の道路における運転者の車相互の年齢別左折時事故件数に対する右折事故の倍率である。明らかに右折時は左折の2倍近くになる。e-Stat 警察庁。


交通事故総合センターの報告書 藤田健二 2012. からの引用である。この場合は車対車だけでなく歩行者や自転車を含む全事故の場合で、右折事故は明らかに左折の2倍以上である。
http://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info95.pdf

旅客航空機が目覚ましい安全性を獲得したのは、事故をパイロットの不注意ミスのせいにしなく、空港での事故に際し航空機事故委員会の広範囲な専門的な知識による原因調査が行われ、空港の安全管理について検証され、欠陥が判明すれば改善命令が下されたことによる。
これに比べ、日本では警察庁や国土交通省の道路安全管理責任を検証する組織はなく、事故はすべて関係した運転者の責任とされている。


信号画像は左折保護サイクルの様子で、上の画像は全方向停止の状態である。下画像は最初に左折待ちの信号を開き左折車を通す。歩道は停止信号、以後、左折車信号を閉じてから上下方向の直進信号を緑にする。この場合高速の直進車と左折車の衝突は起こり得ない。もう一つ、左折車の停止線は交差点の手前にあり左折車を交差点中央に止めないので見通しを遮ることはない。
これを見ただけでいかに日本の右折信号サイクルが危険かがわかる。これを運転者の信号無視あるいは不注意として処理するのがいかに不合理か。
道路が狭い日本では上記のような信号方式は渋滞を起こすと云いたいだろうが、交通量が少ない双方向1車線道路、稀にしか右折車のない交差点で右折車を交差点中央まで進め停車させるるのは後続の直進車を通すために有効だが、右折専用車線がある道路では視線を遮る右折車を道路中央に止める必要はない。
警察庁の直ぐにでもできることは、まず交差点の信号を直感的にだれが見ても間違いを起こさないよう調査改善することである。これにはほとんど予算がかからない。
右折事故を、これからますます自動車運転交通需要の増す高齢者のせいにするのはあまりにも無知にすぎる横暴であろう。
信号方式を変えるのは混乱を招きますます事故が増加する? アメリカやカナダ、オーストラリアでは州によって道路交通法は変わる。ヨーロッパでは言語まで異なるが人々は州や国境を越えて自由に運転している。日本のように東京大阪の大都会から、離島まで同じ道路交通法を強要することこそ不合理である。
現在、世界一の自動車運転安全率を実現した日本、常識にかなった合理的な道路交通法にすればさらに世界で稀な安全国家になるであろう。
もう一つ、外国からの旅行者にとって不可解な信号位置、どう見ても右側通行か一方通行の信号としか見えない反対車線(右車線)に設置されている左車線用の信号、右側通行の人に取っては逆進を誘発する表示である。

交差点向こう側の信号燈何のためにあるのだろうか?
安易な統計表からの認識は真実を語るとは限らない
BMJ誌から 日経メディカル 2017/7/18 、 大西淳子
運動量を増やしても認知症予防に疑問
認知症患者は診断の数年前から運動量が減少する
積極的に運動をしている人の認知症リスクが低いことを報告した研究は複数あったが、それらは逆の因果関係を見ていた可能性が指摘された。仏INSERMのSeverine Sabia氏らは、35~55歳の人々を平均27年追跡して、中年期の運動量とその後の認知機能の低下や認知症発症リスクに有意な関係は見られなかったと報告した。しかし認知症患者は、最長で診断の9年前から運動量の減少が起こっていた。結果は、BMJ誌電子版に2017年6月22日に掲載された。
これらの結果から著者らは、望ましい運動量を行っている人でも認知機能を保護する効果はなかった。認知症患者では症状が明らかになる前から運動量が低下しているため、運動に認知症リスクを減らす効果があるように見えたことが示唆されたと結論している。
__________________________
「認知症予防には運動する努力を」 ”思い込み” を支持するデータを見つけたとき最も陥りやすい誤り、それだけが確たる証拠と思い込むことの危険性。
こんな論文紹介記事を見た。 加納亜子 日経メディカル 2-17/7/11 http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/report/t293/201707/552005.html
近年、日本をはじめとするアジアで認知症患者が急増している一方で、欧米では認知症の有病率が減ったという研究結果が相次いで示され、注目を集めている。
今年1月に米ミシガン大学のグループが、高齢期の健康的な生活の在り方を明らかにするための縦断研究Health and retirement study(HRS)で、認知症の有病率が2000年の11.6%から2012年には8.6%に低下したと報告。
同国のフラミンガム研究でも同様に認知症の減少傾向が示されている。1977~2008年の30年間で認知症の有病率が10年当たり約20%低下していた。認知症患者の減少傾向が認められているのは米国だけではない。英国やオランダ、スウェーデンの調査でも、認知症発症率の減少が続々と報告されている(表1)。 クリックすると拡大表示します
近年、日本をはじめとするアジアで認知症患者が急増している一方で、欧米では認知症の有病率が減ったという研究結果が相次いで示され、注目を集めている。
今年1月に米ミシガン大学のグループが、高齢期の健康的な生活の在り方を明らかにするための縦断研究Health and retirement study(HRS)で、認知症の有病率が2000年の11.6%から2012年には8.6%に低下したと報告。
認知症発症因子:

______________________
ただし、上のダイアグラムには、認知症の因子だけではなく、認知症の初期症状との混同が含まれているとの論文もあるようです。私の記憶から!
高齢者=認知症 日本の行政ではこんな人権に無頓着 知性の欠如した迷信が
日本でも「認知症が減る日」は本当に来るのか
17/7/11