待ちに待った我が家の梅



イギリスでも高齢者の運転事故の増加は見られない
高齢者の運転事故発生率が75歳から80歳以降まで増加することはない証拠 イギリスの場合 PubMedの要約記事より
spaceglow.blog/2018/03/01/高齢者の運転事故発生率が75歳から80歳以降まで増/
日本でも 高齢者の運転が増加しているにもかかわらず 交通事故全体の死者は減少している

内閣府 特集「高齢者に係る交通事故防止」にリンクされているCSVファイルを使用した分析から。
緑色は、日本の高齢者(65歳以上)の運転免許保有数の年次増加状況を示したものです。(右スケール)
以下(左スケール)
紫色は歩行中と自転車乗用中に事故で死亡した高齢者の総数です。
黒色は、自動車乗車中(同乗者も含む)の事故死者数のトレンド。
赤色は、運転事故で第一当事者と判定された高齢者の関わった死亡事故件数を表したものです。
これを見て素朴に分かることは、高齢運転者が増加しているにかかわらずすべての交通手段による事故死者が減少していることです。
高齢運転者の増加との関係について:
高齢運転者による運転死亡事故(第一当事者)件数は、この10年間で運転免許保持者が1.7倍にも増加しているにもかかわらずほぼ一定で増加は見られません。
これが日本の実情です。
何度もこのブログで指摘しているように、警察庁のデータ操作、高齢者とそうでない人口が等しいとする(人口10万人当たり)の統計データは、いくら日本の高齢化が進んでもあり得ない架空の状況での話であり、これは高齢者の運転欠陥を暴いただけ、交通全体の事故防止の根拠にすべきデータではありません。実勢の事故では高齢者の歩行や自転車交通中の死亡事故の方が多い事がわかります。この事故を防止する政策を検討することこそ日本の交通安全政策の課題であることと思います。
事実、高齢者は運転における欠陥の要因を多く持つことは確かですが、これは高齢者自身の医学的な保健や生活の質の問題であり、高齢運転者が社会全体の交通障害にはなっていないことを示しています。
アメリカでも高齢運転者の増加にかかわらず道路の死亡事故が減少している

今日の高齢運転者は、以前の世代よりも事故に巻き込まれる可能性が低いだけでなく、事故に際し死亡したり重傷を負ったりする可能性が低いとの調査結果が示された。車の安全性能が良くなり、高齢者は一般的に健康である割合が多くなった。これは、1990年代半ばに行われ始めた調査に見られる顕著な変化であり、高齢化した運転者が米国の道路を死の道路にはしていないことを示している。
10年以上前、当研究所は当初65歳以上の高齢運転者が溢れるアメリカの道路のリスクを懸念している高速道路安全団体であった。2006年までに、予測された問題、致命的な事故データは現れなかった。2008年までのデータの追跡調査でその傾向が確認された。
see “Older drivers’ fatal crashes trend down, “Older drivers’ crash rates decline unexpectedly,” June 19, 2010).
補足: 研究所について
IIHSは自動車の衝突事故による死亡、傷害、物的損害を減らすことに専念した、独立した非営利の科学教育機関です。
HLDIは、保険データの科学的研究を通じてさまざまな種類の車両の所有および運営に起因する人的および経済的損失を表す、また車両の製造およびモデルによる保険損失の結果の公表機関です。
IIHSHLDI両方の組織は、自動車保険会社および保険組合によって完全にサポートされています。
65歳以上の人々は、自動車運転よりも歩行者としての死亡リスクが高い。十年前の論文から
Traffic Inj Prev. 2008 Aug;9(4):360-6. doi: 10.1080/15389580801895160.
The licensing of older drivers in Europe–a case study.
Mitchell CG
ヨーロッパにおける高齢運転者の運転免許更新手続きの ケーススタディ。
目的:
ヨーロッパ諸国では、多様な自動車運転免許更新手続きを実施している。それらには幅があり健康診断を受けずに生涯ライセンスを発行する国から、 70歳からその後3~5年毎に健康状態を自己申告する制度まで。
本論文では、欧州7カ国における異なる高齢ドライバライセンス手続の事例研究と、これらの方式と高齢ドライバの安全性との関連について述べた。
方法:
調査した国は、フランス、オランダ、英国、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンでの7ヶ国で構成されている。前者の3カ国は、ライセンス更新手続きが最も緩和され、後の3か国は要求される医療審査要件が最も厳しくなっている。
結果:
65歳以上の運転者の全体的な道路安全性に影響があるという証拠は、厳格な更新手続の国では危険性を検出されるべきであると思われる運転手はもはや運転していないので検出できない。最も緩和されたライセンス手続きのある3カ国では、オランダと英国は65歳以上の自動車運転者の死亡率が最も低く、フランスの割合は急速に低下している。
結論:
更新時の厳格な更新手続きや健康診断を要求することで、高齢者の運転免許の保有率が低下するという証拠もある。フランス、オランダ、英国では、65歳以上の人々が、高齢者の自立性に直接的な影響を与える最も高い運転免許を持っている。
乗用車での移動性の低下は、ヨーロッパ諸国の約半数で全交通の安全性にも影響している。ヨーロッパ諸国の約半分で交通事故の危険性データが分析され、その結果は65歳以上の人々は、自動車運転よりも歩行者として死亡リスクが高いことがわかった。
The licensing and safety of older drivers in Britain.
US National Library of MedicineNational Institutes of Health
Format: AbstractSend to
Accid Anal Prev. 2013 Jan;50:732-41. doi: 10.1016/j.aap.2012.06.027. Epub 2012 Jul 24.
The licensing and safety of older drivers in Britain.
Mitchell CG
Mitchell CG
UK Transport Research Laboratory, UK. kit@kitmitchell.wanadoo.co.u
要約:
イギリスの免許証保有者数は高齢者、特に女性の高齢者が増加している。40~69歳の男性が保有するライセンスは、約90%で飽和しているが、30~59歳の女性は約78%である。運転免許証の放棄率は、70歳以降に放棄し始め、90歳までに38%の女性と25%の男性がライセンスを放棄した。
この論文では1975年以降の死傷者数について多くの年齢層の異なる運転者当たりの死傷者数と走行距離当たりの死傷者数を示したものである。
高齢者の安全性は若年層よりも改善している。70歳以上の運転者死亡者数は,1990年から2004年の間に最も高く,その後,約40%減少した。80歳以上の運転者の場合、ピークは2004年であり、その後は約50%減少した。
論文は人口予測、運転免許保持の予測、死亡率の年次変化を利用して、イギリスの年齢別ドライバーの死亡者数を予測した。この結果は高齢者の死亡者が減少し続ける可能性が高いことを示している。
高齢者の死亡率は高齢者の脆弱性により増加する。この現象を導入すると、高齢者の事故発生率が75歳か80歳以降まで増加することはない証拠を示している。

高齢運転者を悪者にする工夫 何のために
内閣府交通安全白書「高齢者にかかる交通事故防止」・29年度、 特集ー第12図CSVファイルより。
下の組みグラフは上記のデーターベースより描いたもので、左列のグラフは死亡事故の第一当事者と判定された運転者を運転免許保有者10万人当たりの数に換算したものである。この白書で高齢運転者の欠陥を強調する資料として挙げているデータである。
右列は、日本で現実に起こった2016年度(平成28)の運転者(第一当事者)の死亡事故件数で描いたものである。
左右の結果はすべて反対である。左列のグラフでは75歳以上の運転者は悪者に見え、右列では75歳未満の運転者が悪者に見える。

この違いは何が原因しているか? 誰にでもわかることで75歳未満と75歳以上の運転免許保有者の人口の違いである。
だからと言って、日本の高齢化がいくら進んでもこの両者の運転免許保有人口が同じとなることはありえない。この白書で根拠としている運転免許保有者10万人当たりの数値はこのような仮想のもので実勢の値ではない。
行政の政策の根拠は現実の証拠を根拠にすべきであり、ありえない架空の数値ではない。
この白書は日本全体の交通安全政策としての根拠がなく、間違った認識による行政はかえって日本の交通事故全体を増加させることになる証明でもある。
世界の自動車交通先進国で高齢運転者を悪者にして運転免許更新を難しくしているのは私の知る限り日本の警察庁だけである。
日本の高齢運転者は素晴らしい安全運転実績を達成している
高齢者を75歳以上とした場合で、運転者が横断中の歩行者と遭遇した責任の重い死亡事故事故件数を75歳未満の運転者の場合を比較したもので、高齢者による事故はわずか6%非常に少ないことがわかる。

運転中の死亡事故件数の内明らかに自損事故とみられる(構造物との衝突、路外逸脱)等と他の交通者と関係があるとみられる死亡事故の合計を比べたものが下のグラフである。
高齢運転者は自損事故の割合が多く、75歳未満の運転者は他の交通者を巻き込む事故の方が多いことがわかる。

グラフは警察庁のデータベースeStatより描いたものである。
高齢者の人口増を云う前にこ、れが日本の横断中死亡事故の現実の事故死者の状況である。
行政の交通安全政策決定のにおいて最重要の証拠とすべきはこの現状の把握からであるはずである。
高齢者を取り巻く現状 平成29年交通安全白書(全文)
特集 「高齢者に係る交通事故防止」 内閣府 を読んで。
http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h29kou_haku/zenbun/genkyo/feature/feature_01.html
政府の政策立案には総合的な事実の把握が前程となるべきだが、この白書では高齢者運転の欠陥だけにとらわれて示された根拠は誤っている。
また、事故はすべて法令違反の結果とし、道路利用者の個人の責任にしたい行政の広報のように見える。
以下にこれらの間違いの例の実証を試みた。
記載方法として、内閣府の資料グラフを左列に、右列に対応する実勢の証拠となるデータ分析値を並べた組グラフにして表示した。
● 高齢者は交通被害者
左側のグラフは人口10万人に対する交通事故死者数で、これは、65歳未満と65歳以上の人口が同じとした仮想的な場合で、現実にはそんなことはありえない。ただ、高齢者は交通事故の死亡被害者になりやすいことを表しているだけである。右側のグラフは実際の事故死者数で描いたものでこれが日本の実情を表したグラフである。両グラフは明らかに反対の結果を示している。

● 高齢運転者は危険運転者ではない証拠
左のグラフは運転者の責任が重い第一当事者の類型別の構成率で、両グループの死亡事故件数をそれぞれ100%ととした仮想的指数である。このグラフは運転特性の違いを示す資料となるかもしれないが危険運転の証拠としては意味をなさない。右のグラフは同じ類型分類について年齢層別の現実の死亡事故件数で描いたもので、高齢者の責任事故件数はすべての項目で非常に少ない事がわかる。

同様に下のグラフでも。左側は本来比較すべきでない構成率で描いたもので。現実には右側のようにすべての項目で高齢者が第一当事者になった人的要因の件数は75歳未満層に比べて非常に少ない。

内閣府の資料として表示されている左列の上記二つのグラフは、総合的な交通安全の根拠とするには無関係なグラフで、高齢運転者の運転欠陥を印象付けようとする意図で描かれたものといえよう。
● 高齢運転者が第一当事者となった死亡事故件数は、高齢者の歩行+自転車乗用中の死亡者数に比べ四分の一以下である。
高齢者にとって主要な交通手段、歩行と自転車乗用中に遭遇した死亡者数と高齢運転者の第一当事者の死亡事故件数を描いたものが下のグラフである。高齢者の第一当事者事故件数より歩行+自転車事故死者数の方が明らかに多い。このグラフには高齢運転者の自損事故の原因による死亡も含まれているので加害死亡事故は更に少なくなるであろう。

以上、いずれも実勢の道路交通の死亡事故において高齢運転者が他の年齢層の運転者に比べ死亡事故に多く関与している証拠は見られない。この事実はは21世紀に入ったころから欧米の先進国では常識となっている。
● 高齢運転者の関与する死亡事故は自動車交通全体から見るとわずかである。高齢者から運転免許を奪い、より危険な歩行・自転車利用に移行させることは、かえって全体の交通事故死者を増やすことになる。この見解は今世紀に入って世界の自動車先進国では常識となっている。
● この白書で多用されている人口10万人に正規化したデータは、類似母集団での該当する項目相互の特性比較であって交通事故全体から見れば仮想的なものであり、交通災害全体に関する現実を見ているものではない事がわかる。
● 法令違反の判定は事故の刑事調査から得られたデータであり、大多数の人が好んで法令違反をしているわけではない。なぜ法令違反になったかの原因究明が事故原因究明でもある。この白書の例でも見られるように、法令の決まり方の根拠を見れば法令を守れば事故が皆無になると思うのは“妄想”といえよう。
適切な助言もなく高齢という理由だけで安全に運転出来る高齢者の運転免許放棄を奨励し、安全で身体的不負担の少ない乗用車運転を罪悪化し、高齢者の移動を伴う社会生活を奪うばかりか明らかに死亡被害事故が多い証拠のある歩行に移行させることは、高齢者の人権や生活の質、健康に悪影響を与えるばかりではない。高齢者の事故死に関与する運転者は、圧倒的に運転人口の多い有職運転者層である事を見落としている。さらに、日本の総合交通事故死全体を増加させる結果になることを含む。
この私の分析を読んで、「高齢者層は人口が少ないから当たり前」との声が聞こえそうであるが、当たり前のことこそ現実の事実であり。将来にわたって高齢者層の人口割合の方が多くなることがあるだろうか。
この白書では平成77年までの人口高齢化の予測グラフをトップに置き、将来の交通社会の危機を暗示しているが、これは無意味な予測であろう。自動車運転に関しては現在急速に実装されつつある自動危険回避システムが進み、遅くとも2025年までに新車では運転者の操作ミスを防ぐ自動危険回避システムの実装が義務付けられる世界情勢にあると思われる。2030年頃には、すべての路上車両は自動危険回避システム実装の車両となり、高齢者の乗用車利用は問題にならないばかりか運転免許も不要になろう。
日経メディカルの記事から私の血圧履歴と比較してみた。
JAMA Intern Med誌から
「高齢者の血圧は死亡に向かって低下する」 長生きする人は低下速度が遅い可能性
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/201712/554136.html
4万6千人余りの60歳以降に死亡した人々の死亡前20年間の血圧の変化を調べた英Exeter大学医学部のJoao Delgado氏らは、死亡の14年以上前に血圧は最高値になり、その後10年以上にわたって直線的に低下し、最後の2年にはそれ以上に大きく低下していたと報告した。
死亡前20年間の年間平均SBPは、死亡時の年齢が高いグループほど高かった。・・・90歳以上は150.0mmHg(149.0-151.1mmHg)だった。どの年齢群でも当初はSBPが上昇しており、最大値を記録したのちに、死亡時点に向かって低下していた。
ピーク値から最後の生存年までのSBPの変化は、・・・90歳以上群では-22.0mmHg(-22.6から-21.4mmHg)だった。
降圧薬治療を受けていた患者では-20.8mmHg、治療を受けていないグループでは-11.2mmHgだった。血圧値が最高になったのは、使用者では死亡の15年前、非使用者では14年前だった。
私の場合と比べてみよう。高圧治療を受けている場合。

収縮期血圧の最大年を71歳とした場合、ピーク値の15年後は86歳となる。
収縮期血圧の最大年齢を79歳とすると94歳となる。
ピーク時からの血圧降下値は現在 -33mmHgですでに死亡水準を下回っている。
この期間中の血圧測定値は66歳までは医療機関(人間ドック)の記録から、67歳から81歳までは手首血圧計による朝晩の測定、82歳からはABPM機器による30分毎の連続自由生活測定値より平均したもので、測定システム間の誤差が考えられる。
何れにしても、統計値が個々の場合と一致しないのは分かっているが、私はすでに余分の人生を送っているような気分になった。