コンテンツへスキップ

ヨーロッパにおける高齢者の道路交通のリスクと対策に見る 運転免許の施行に関する提言

2018/04/25

第6章:6.2.3 免許と施行

ttps://ec.europa.eu/transport/road_safety/sites/roadsafety/files/pdf/studies/eldersafe_final_report.pdf

高齢者の増加に伴い、運転免許証を持つ運転者は高齢化する。したがって、将来の運転者プログラムは、運転者が特定の医療および安全基準を満たすことができる限り運転の継続を支援すべきである

その点において、段階的な運転免許制限を伴うプログラムは、高齢者の安全と移動のニーズを満たす将来の希望を提供する。

そのためには、次のことが推奨されます。

  • 運転の適応度に関して、加盟国の間で統一的な取り決めを作成する。
    運転停止および/または制限に関する決定は、年齢または特定の疾患の診断に基づいてはならない。しかし、任意の診断では安全運転に必要な健康と機能能力を判断します。
  • 学術的な専門家で認定されたモビリティセンター(指導教官、心理学者、医師、…)を設置して、医療および運転試験を実施し、個別に合わされたオーダーメイドのトレーニングを提供する。
  • 医師、医療従事者、警察、友人、高齢者の家族がリスクの高いドライバーを特定するために、コミュニティベースで運転テストを勧める紹介システムの開発を促進し、運転能力をテストし、個別に調整されたソリューションを提供する。
  • 運転者の自発的評価に参加するための通知は、オンラインチェックリストやテストなど、運転能力に関する機能的限界の影響についての意識を高めるためのものです。
  • 運転免許機関は、危険な運転者を特定するだけでなく、可能な限り安全な運転を維持するように働きかけ、非運転へ移行において手助けをする機関として養成する
  • 運転免許審査および試験のための運転者を参照/報告し、それらの報告に対する対応(免疫)を提供するためのガイドラインを医療従事者、許認可機関および法律執行官のために提供します。
  • 研究機関が科学的に健全な基準(神経心理学検査、医学検査、運転試験)を作成し、運転能力(補償行動を含む)とリスクを評価出来るよう奨励する

 

追記:思うこと

赤字は高齢者の人権と自制能力に細心の注意を払って記載していると思う部分について表示してみました。

それに比べ、日本の運転免許行政は組織権力に溺れた無知から来る人権侵害としか思えません。

ヨーロッパにおける高齢者の道路交通のリスクと対策に見る 交差点信号方式の最適化に対する提言の一例

2018/04/23

ヨーロッパにおける高齢者の道路交通のリスクと対策に見る 交差点信号方式の最適化に対する提言

ttps://ec.europa.eu/transport/road_safety/sites/roadsafety/files/pdf/studies/eldersafe_final_report.pdf

第4章

交差点での規制

直線方向の進行・停止のみの信号交差点左折事故は、高齢者の間で大きな危険に直面している。
年配のドライバーや自転車走行者は左折時衝突事故に巻き込まれることが多い、それは、いくつかの方向からの進路に注意する必要がある時間的プレッシシャーを受けた状況で起こる。高齢運転者はまた、左折信号に保護システム表示がない場合に、交通の流れを通過するために,許容可能で安全な時間間隔を確立することに困難を経験する。

この問題に対処するため,交差点における高齢者の安全性を向上させるためのいくつかの方策を検討した(2001)。

  • 可能な限り多くの信号に保護左折信号時間を設定する
  • 保護左折信号時間を伸ばす
  • 直線車線をブロックしないように左旋回専用車線を延長する。

信号周期中に保護された左折専用時間を設定することにより、車両間または車両と歩行者、サイクリストまたは自動2輪との間で衝突が起こらないことが保証される。

高齢成人の交差点設計のためのFHWAガイドライン(アメリカ連邦政府機関)の有効性をテストした結果は、保護左折交差点への改良が高齢者の安全性を有意に改善することを示した(2007)。

さらに興味深い結果は、交差点設計に関するFHWAガイドラインは、高齢者ばかりでなく若いドライバーに同様の効果をもたらしたことである。

このことは、これらの交差点設計ガイドラインが広い範囲の道路利用者をカバーするための妥当な政策立案の余地があることを示している。

一方、ニューヨーク市では、許容される左折信号位相の変化は、必ずしも交差点事故の有意な減少をもたらすとは限らないと結論づけた報告もある。歩行者安全については、専用歩行者信号制御を利用することで、歩行者の衝突で最大68%の改善をもたらす可能性があるとされている。

都市部における信号化された交差点における緑信号表示通過時間(グリーン時間)の信号の最適化は、すべての流れが受け入れ可能で安全な方法で動作することを保証するために重要である。最適化更新には、信号相順序の再編成、グリーン時間の最適化などがあります。高齢道路利用者については、より良い信号時間が交差点での安全効果に顕著になると言われている。

自動車の左折交差を許可する前に歩行者が歩行を始めることができるようにすれば(例えば3秒前後)、左折した運転者が歩道に到達する前に歩行者を視認することができる研究もあります(2001)。

都市部における信号化された交差点における進行許可時間の最適化は、すべての流れが受け入れ可能で安全な方法で動作することを保証するために重要である。

信号システムのアップグレードには、信号相周期(フェーズ)の再編成、緑信号時間の最適化などがあります。高齢道路利用者については,より良い信号時間が交差点安全の効果に顕著になると言われている。

 

追記:思うこと

ヨーロッパでは信号交差点よりラウンドアバウト交差点が一般的であり、このレポートでは信号方式改善の効果が統計的に確認できない結果を示す論文もある。アメリカ・カナダでは信号交差点がほとんどである。

アメリカでは交通法規は州政府の管轄であるが、保護左折信号システムは普及している。特に左折開始のタイミングは、直進停止信号状態のまま左折レーンの信号が緑に代わる。したがって直進車との衝突はありえない。上記アニメーション(左折保護状態)。

日本の場合、右折矢印信号はかなり普及しているが、直進終了直後、信号黄色期間から始まる。このタイミングは直進車が走り抜けようとする危険な時間帯となる。これを直進開始の前に右折信号を出す設定にするだけで視界を遮る右折車列を交差点中央で待たせる事もなく、たったこれだけで諸外国の研究結果によれば安全な右折が実現できるはずである。

高齢者は現行の信号方式に適合しないからと言って運転から除外しようとする発想しか持たない日本の交通規制当局、これは日本の恥である。先進世界の常識を知ってほしい。

高齢者人口がすでに25%以上に達した日本、高齢者は道路交通の重要な受益者である事は言うまでもない。

ヨーロッパにおける高齢者の道路交通のリスクと対策に見る 交通安全政策の対応 総合最終報告の趣旨

2018/04/21

ヨーロッパにおける高齢者の道路交通のリスクと対策に見る 交通安全政策の対応 総合最終報告の趣旨

https://ec.europa.eu/transport/road_safety/sites/roadsafety/files/pdf/studies/eldersafe_final_report.pdf

第1章;「シルバー・プル―フ」 交通安全政策

高齢者は将来、ヨーロッパ人口のかなりの部分を占めることになり、総交通量の動態に影響を及ぼすと予想される。移動の容易性(モビリティー)は高齢者(論文1995年)の生活の質にとって基本的な前提条件である。いくつかの研究は、移動手段による家を離れる機会が長寿、生理学的幸福、社会的統合、独立、健康上の利益、老齢で働く感覚 (1999) と関連していることを明らかにしている。高齢者の道路利用者は少数派のグループから道路利用者の重要な構成の一つになる。この変化は高齢者だけでなく、他の年齢層の道路利用者の行動にも影響する。そのため、高齢者にとっては、運転から、公共交通機関、サイクリング、歩行などの移動がますます重要になります。

第 2 章では、本研究に用いられる方法論に関係する記述。

第 3 章では、高齢道路利用者のリスク要因をレイアウトすることから始め、高齢者の道路事故の深刻度を低減するために効果的な改善の一般的な分野を考察する。

第 4 章では、高齢者道路利用者の安全性を向上させるための対策を具体的に検討する。

第 5 章では、高齢道路利用者の視点から最も有望な対策を選択し、適切に特定する各対策の政策行動を検討する。

第 6 章では、本研究の最も重要な知見と推奨事項を要約する。

最後に、この最終報告書は、本報告書に記載されている根拠を検証できるよう文献情報と、表および数字を含む付属書によって完結されている。

追記:思うこと

この報告書は、前世紀1993年頃からの400あまりの参照した文献のリストを付記して構成されている。

改めて日本の高齢者に対する「運免許返納」キャンペーン、高齢者を運転から排除すれば公通全体が安全になるの非科学的な統計の誤った迷信により高齢者の公衆健康あるいは人権差別に気付かない幼稚で無責任な安全政策との違いを実感する。

( )内の年号はこのレポートで参照された論文の公表された年号を参考のため記入した。ヨーロッパでは前世紀末からこのような研究が始まっていることに注目できるように。

ヨーロッパにおける高齢者の道路交通のリスクと対策に見る 高齢者に対する哲学(人権思想)

2018/04/19

ElderSafe

Risks and countermeasures for road traffic of elderly in Europe

Final report,    Date Pages December 2015 159.

https://ec.europa.eu/transport/road_safety/sites/roadsafety/files/pdf/studies/eldersafe_final_report.pdf

ヨーロッパにおける高齢者の道路交通のリスクと対策

要約

2050年までに、4人に1人が65歳以上になります。高齢化は高齢者が積極的に交通に参加することを意味します。その結果、高齢者の道路安全状況も変化し、運転者の生理的変化により車を運転しにくくなる機能低下の影響を経験することになります。

しかし、高齢者の自転車利用や歩行者の死亡事故リスクは高齢車の運転者よりも何倍も大きいのです。

これらの課題に基づき、本報告では道路の安全性リスクと高齢道路利用者グループ(ドライバー、同乗者、歩行者)の主な傾向を調査しました。
高齢道路利用者の危険性は疾病、機能的限界、都市道、歩行および服用医薬は重要な危険因子であると思われます。
近い将来の高齢道路利用者の安全性と移動性のニーズを満たすために、これらの危険因子に対処するための包括的で積極的な戦略が必要になります。

この対策にはすべての政策レベルが含まれ、インフラ、教育、訓練、許認可、および車両およびITS技術の分野における介入のパッケージに基づいてすべての技術設計のアプローチを適用する必要があります。

追記:思うこと

159ページに及ぶこのレポート、私はまだ精読していないが、とりあえず基本理念の紹介まで、議論のきっかけになることを願って。

西日に映えるライラックとハナミズキ

2018/04/18

 

年金支給年齢の審議に向かって 有識者の皆さんに考えてほしいこと 日本の世代別生産年齢層のGDPと社会貢献度

2018/04/18
この記事は、私のブログ記事で今日までに最も多い参照数(Views)を頂いたものです。
約8年ほど前に書いたこの記事ですが今日まで継続して見ていたけています。
社会科学について勉強したことがない私ですが、知りえる範囲のデータで時系列的に分析してみたものです。
現在80歳以上の世代は、社会保障制度がない両親を家族が支え、同時に子供の養育と教育をの責任を持つ、そんな環境にありながら日本の経済発展と社会資本の充実に貢献した年齢層です。
退職地球物理研究者のつぶやき

日本の世代別生産年齢層のGDPと社会貢献度

2010年8月7日 17:59

 

高齢化時代に入り生産世代の負担が耐えきれなくなると云う社会認識が常識化されている。日本の社会資本が皆無に近かった敗戦時1945年からの人口1人当たりに換算したGDPの推移と生産年齢人口の関係を調べてみた。

年齢別人口の推移と将来の推定値は 国立社会保障・人口問題研究所のデータを用いた[1]。このデータでは年齢層区分を0~19歳、20~64歳、65歳~74歳、75歳以上に分けて表にされている。20歳~64歳を生産期間とし、19歳以下を養育・教育期間、65歳以上を高齢社会補償期間に分けて1940年から2050代までの推移と予測値をグラフにしてみた。これを見ると、生産人口と非生産人口の関係が反転するのは2040年過ぎで、1940年代の状況と似てくることが分かる。

年齢構成比の年次変化

GDPについては、1人当たりのGDPの歴史的推移「社会実情データ図録」[2] を用いた。この表では、GDPを、購買力平価で換算した実質ドルで表されている。

上記の二つのデータから、生産期間中(20歳~60歳までの40年間)世代のGDPの増加に寄与した1人当たりの金額を10年毎の世代別に換算し、グラフにした。

GDPの年次変化

これで見ると世代による社会への経済的貢献度の違いを以下のように分析することができる。

① 生産世代のGDP上昇の貢献額は、現時点での年齢層で見た場合、70歳層が最も多く、次いで80歳代、1970年以降に生産年代に達した現在60歳以下の世代では低下していることがわかる。

② 生産年齢層に対する非生産年齢層の比率は1940年代が最も大きく、将来予測では2050年の推定値が同程度となる。

③ 敗戦直後から日本経済のGDPの急激な回復期1970年までは、非生産層(教育期の)の割合が大きかったことが分かる。それにもかかわらず高度成長を成し遂げた世代と言えよう。

④ 養育・教育期の社会負担費と高齢期の社会負担費の人口当たりの違いが分からないと判断出来ないが、歴史的経過を見た場合人口比では、一概に、今後の高齢化社会の維持に生産年齢層の負担が多いとは云えないのではないだろうか。非生産層の社会負担費の統計は無いものだろうか?

高齢化の社会問題がいろいろ言われている現在、世代間の争点にするつもりではない。また、上記の考察が充分と主張するわけではないが、現在活躍している政治家やマスメディア関係の人の多くが、恵まれた成長・養育期間の恩恵にあずかりながら、直感的な迷信にとらわれ、高齢者負担を社会的不公平と見る傾向は、直近の歴史の理解と研究が不足しているのが原因しているように思うがどうだろう。

現在の70歳以上の世代は、多くの非生産人口を抱え、過去の社会基盤も無く、日本の経済発展に貢献してきた世代であると云えないだろうか。

[1]  http://www.ipss.go.jp/

[2] http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4545.html

 

晴れた朝

2018/04/16

バラの季節がやってきた

2018/04/14

A rose season has came in my garden.

ライラックと木蓮

2018/04/12

紫の競演

認知スクリーニングと一般開業医 高齢者運転免許条件に厳しい国スイスの場合 開業医にとって困難な課題で時には長時間の専門的診療を必要とする

2018/04/12

Cognition and driving in older persons

スイスの高齢者運転規制は、70歳以上毎年法律により 一般開業医の医学的評価を必要とする。開業医にとって最も一般的に行われるのは、運転に支障を来す可能性のある病状を特定することである。

しかし、認知症スクリーニング検査(MMSEとCDT)は、グローバルな認知障害を発見するときに有用であるが、残念ながら患者が安全なドライバであるかを認知症の診断からは正確な予測ができない。

高齢者の安全運転はまだ活発な継続研究の分野であり、一般開業医診療室における証拠を根拠とする運転停止を勧めるための既存の評価の欠点はいくつもある。
① 認知症は進行性疾患であるため、継続的観察研究が重要である。しかし、自動車事故はまれな事象であるため、衝突リスクを前向きに調査するためには大規模コホートが必要である。

② ほとんどの研究は、運転シミュレータなどで調査したもので、運転能力と衝突リスクとの相関は現在までに十分に確立されていない

③ 法律は国によって異なり、一様な評価アルゴリズムを定義することが困難になる。さらに、運転する適応度を決定するための認知テストのベースカットオフスコアはない。そのため、臨床医は臨床的印象、徹底した病歴、専門家の助言に基づいて判断する必要がある。

その上;

多くの研究論文による証拠では、社会的規模で見ると、高齢者の運転手は他の道路利用者への衝突リスクを増加させていない。また、若年層に比べて1人あたりの事故数や運転者数も少ない。一方、高齢者個人で見ると、相対的事故のリスクは運転距離あたりでは年齢 とともに増加する。例えば、80歳のドライバは、50歳のドライバと比較して、キロメートルあたりの衝突リスクでは3~4倍の増加がみられる。

また;

公衆衛生的の見地では、多くの高齢者にとって車の運転を止めることは、独立性、移動性、社会的活動と生活の質維持のために非常に強い影響を及ぼすことである。

運転適応の概念は、法律と医学の規範を統合し、安全と移動とのバランスを見出すことを目的とする。公衆衛生上の観点から見ると、この課題は、不必要な無関係の人権制限をすることなく高齢者のリスクが大きいドライバーを早期に特定することである。

このような高齢者の医療評価は、一般開業医にとって困難な課題であり、患者との長時間の専門的診療がしばしば必要となる。しかし、認知障害の性質または重症度が運転時にリスクを増大させるかどうかを判断する方法について、一般開業医に利用可能な証拠に基づいた認知症と運転適応性を評価するスコアはいまだにない。

一般開業医は、法的責任と患者の医療評価の結果、自主的に運転による交通制限をする可能性のある患者の不利益を懸念するジレンマに直面している。

Cognition and driving in older persons.    JT Wagner, T Nef

DOI: https://doi.org/10.4414/smw.2011.13136
Publication Date: 14.01.2011 .    Swiss Med Wkly. 2011;140:w13136

https://smw.ch/article/doi/smw.2011.13136/

以上がこのレビュー論文を読んで私の理解した大要をまとめたものです。

日本の改正道路交通法では、診断書に「認知症」の欄にチェックがあるだけで警察の免許発行機関が運転を禁止する。科学的分析結果や医師の意見を根拠としない法律。こんな程度の低い人権無視の恥ずかしい法律が成立した背景を求めるべきではないだろうか?