ムーブスマーター(MoveSmarter)による個人の外出と交通モードの自動移動検出アプリ:オランダのモバイルモビリティパネルからの最初の結果☆
Automatic trip and mode detection with MoveSmarter: first results from the Dutch Mobile Mobility Panel
10th International Conference on Transport Survey Methods
Karst T. Geursa *, Tom Thomasa, Marcel Bijlsmab , Salima Douhouc
要約
この報告書は、個人の外出情報を、出発時刻と到着時刻、出発地と目的地、交通手段、および旅行の目的などを自動的に検出するためのMoveSmarterというスマートフォン用アプリを使って記録整理するもので、パフォーマンスについて説明します。このアプリは、約600人のスマートフォン所有者とスマートフォン以外の所有者が参加し、2週間で18,000件を超える検証済み旅行が収集されるものです。
3年間のスマートフォンベースのリコール促進パネル調査で使用されています。MoveSmarterは、回答者の負担を軽減し、測定精度を向上させることができます。
ムーブスマーターの概念図

一例として外出(旅行)距離と利用交通モードの割合を見る。

BTM:バス/市街電車/地下鉄 公共の交通機関の単独利用率は長距離の移動に従い多くなるが、20km以内でBTM6%歩行、自転車、乗用車の併用が実態である。20km以上で電車が60~70%程度、徒歩、自転車、乗用車の利用は免れないことが分かる
Centre for Transport studies, University of Twente, PO Box 217, 7500AE Enschede, the Netherlands b Mobidot, Hengelosestraat 511, 7521AG Enschede, the Netherlands c Centre for Comparative Social Surveys, City University London, Northampton Square, London EC1V 0HB, UK Karst T. Geursa
旅行モードの違いによる道路暴露ベースの交通事故死亡率 交通モード別
旅行モードの違いによる道路暴露ベースの交通事故死亡率 モード別 フランスの場合。

自動車交通先進国では乗用車による交通量が突出しているので上のグラフでは数値軸を対数表示で表した。フランスの都会では自動2輪車(MTW)の利用が特に多く死亡率も高い、他のヨーロッパ諸国に無い特長が見られる。
乗用車利用と歩行・自転車の死亡リスクに大きな違いはないように見える。グラフ右端の公共交通機関単独のリスクは極端に少ないが、他の交通モードとは違いバスや電車だけでは旅行の目的を達せられなく歩行や自転車など他の交通を伴うのでこの比較は意味をなさない。
旅行モードの違いによる道路暴露ベースの交通事故死亡率 年齢層別
6th Transport Research Arena April 18-21, 2016
旅行モードの違いによる道路暴露ベースの交通事故死亡率 フランスの場合
Exposure-based road traffic fatality rates by mode of travel in France
Mohamed Mouloud Haddak
下のグラフは、この論文のTable 1. のデータから描いたものである。

道路交通事故死亡率を、交通に要した道路暴露変数 移動に要した時間、移動した距離、旅行回数についてそれぞれ算出した結果である。
線グラフは事故死者数で右スケールに年間死者数を表した。左スケールは棒グラフの数値を表す。
最も特徴的な傾向は、どの暴露量も30歳以上ではほぼ同様に年齢とともに減少している、それとともに事故死亡数も69歳までは同様の傾向を示している。しかし70歳以上では死亡者数だけが上昇に転じている。
20歳代の若者の死亡数は最大を示し、学齢期では暴露量が大きいにもかかわらず死亡に至るのは少ない。
高齢者はどの暴露係数の関係でも同様に死亡の増加を示している。これは、交通事故に対する身体的脆弱性のため死亡に繋がりやすい現れであろう。
個人の交通実態をベースにした歩行中事故死亡率 乗用車利用の場合を基準として
前のブログで紹介した論文のデータから、乗用車が利用出来ない場合の主な代替交通、歩行中の事故致死率を比べてみた。
これは代表的なアメリカ住民の年間旅行回数1億回当たりのの事故数であらわしたものである。

道路交通の主力年齢層、15歳から64歳までの乗用車利用中の致死率を1とした場合、乗用車では65歳以上の致死率は約2.5倍高いがこれは身体的脆弱性のため死亡傷害になりやすいとして理解できる。
歩行では、25~64歳層で7.5倍、65歳以上では実に16倍となっている。これはアメリカの生活道路交通の特殊事情、極一部の大都会の旧市街地住民を除き歩行では生活が出来ないことが原因し、歩行データには統計母体の偏りが除外しきれていない恐れを考慮する必要があろう。
歩行や自転車の交通安全に努力しているヨーロッパでも、これほど極端ではないが依然として歩行者や、自転車利用者の致死的事故数は乗用車利用に比べて大きいことが問題になっている。また研究論文も多い。
Motor Vehicle Crash Injury Rates by Mode of Travel, United States: Using Exposure-Based Methods to Quantify Differences
<私の概略紹介>
Motor Vehicle Crash Injury Rates by Mode of Travel, United States: Using Exposure-Based Methods to Quantify Differences
Laurie F. Beck Ann M. Dellinger Mary E. O’Neil
American Journal of Epidemiology, Volume 166, Issue 2, 15 July 2007, Pages 212–218,https://doi.org/10.1093/aje/kwm064
アメリカ合衆国の旅行モード別自動車衝突事故発生率:差異を定量化するための路上曝露ベースの方法の使用
ローリーF. ベックアンM.デリンジャーメアリーE.オニール
American Journal of Epidemiology、第166巻、第2号、2007年7月15日、ページ212–218、https: //doi.org/10.1093/aje/kwm064
アメリカにおける路上曝露(移動中、道路上に“さらされる”度合い)に基づく致命的、非致命的な交通傷害率を計算した。交通量は(人の移動)全国家計調査を用いて推定した。1億人の旅行あたりの死亡および負傷交通傷害率は、旅行のモード、性別、および年齢層によって計算した。暴露ベースの交通傷害率は、旅行の形態、性別そして年齢層によって異なる。結果は、モーターサイクリスト、歩行者、自転車に乗る人はけがの危険性が、また男性、青年、および高齢者もまたリスクが高かった。これらに対しては、効果的な介入が可能であり、また脆弱な道路利用者を保護するために実施されるべきである。
交通暴露を評価するために様々な方法を用いた。走行距離、旅行の数、走行に費やした時間の長さ。しかし、これらの研究のほとんどは、道路利用者の単一のカテゴリーに焦点を当てられていて、移動方式による傷害リスクを比較するための総合的暴露ベースを使用した既存の研究はほとんどないことが分かった。
2001年のNHTSの暴露データ(個人旅行)は、全国的に代表される毎日および長距離の旅行行動のサンプルを用いた。それには、全国的に代表的な世帯のサンプルが選択され、2点間の片道通行で定義された。
旅行データは、民間人、非施設化会員に対して収集された。各世帯構成員についての人口統計情報は最初の電話インタビューで集められた。その後、旅行日記帖が各世帯に郵送され、その世帯は日付を無作為に割り当てられ、その日の全メンバーは旅行日記に彼らの旅行行動を記録した。旅行日記からの情報は、フォローアップの電話インタビューの間に集められた。全体の回答率は41%であった。自己申告データの妥当性についての懸念の暴露指標として選択した。
データソース
この分析には、米国運輸省の3つのデータソースを使用した(FARS,GES,NHTS)。致命的な傷害は、致死分析報告システム(FARS)から特定された。FARSは、事故から30日以内に死亡が発生した公道でのすべての交通事故の国勢調査である。FARSデータは、警察の事故報告、車両登録ファイル、運転免許証ファイル、重要な統計、死亡診断書、および健康診断書など、複数の情報源から抽出されたものである。
致命的でない傷害は、公道で警察が報告した事故の全国的に代表的なサンプルであるGeneral Estimates System(GES)から確認した。すべてのGESデータは警察の事故報告から要約化されている。
FARSとGESには、自動車に関連するイベントのみが含まれているもので、1999年から2003年までの間、致命的および非致命的な傷害が選択した。
ここでは、6つの主要な旅行モードを定義した:乗用車(乗用車、スポーツユーティリティービークル、バン、またはライトトラック)、オートバイ、歩行、自転車(三輪車、一輪車を含む)、バス、およびその他すべての乗り物(例:大型トラック、モーターホーム) 、タクシー、リムジン、ホテル/空港シャトルバス)公道のみで発生する交通事故である。
交通手段による交通事故リスクの違いは、乗用車の乗員に比べて定量化したものである。オートバイ、自転車、および歩行者はそれぞれ58.3、2.3、および1.5倍であり、致命傷を負う可能性が高くなる。バストラベルは最も安全なトラベルモードで、その後に乗用車トラベルが続きく。衝突事故の可能性の増加と怪我の可能性の増加の両方は、オートバイ運転者、自転車運転者、および歩行者の脆弱性が一因となっている。さらに、歩行やサイクリングの致命的および非致命的な傷害率がドイツやオランダよりもアメリカで高いことを発見した。これは、交通環境の違いが旅行の安全性に影響を及ぼすことを示唆している。
旅行ごとの歩行者の死亡率は年齢とともに増加している。暴露時間を用いた研究は、高齢歩行者暴露対策が必要で、高齢者の身体的脆弱性の原因がこの年齢層の致命率が高い理由と推定する。
公衆衛生への影響
調査結果は、乗用車の移動(低リスク)から、自動車を利用しない、歩行や自転車など(高リスク)への移行が交通事故死者数の全体的な増加をもたらすことを示唆している。いくつかの研究は歩行者と自転車の量の増加が歩行者や自転車の衝突の危険性を減らすかもしれないことを示したが、これらの研究は個人の衝突傷害の危険性を評価することには重要になる。しかし、それとは対照的に、交通事故傷害による公衆負担(事故死した歩行者または自転車の絶対数)は、自動車を利用しない(危険度の高い)交通手段を利用する人々の数が増えるために増加する可能性を示している。
特に最近の健康志向、積極的な移動による身体活動の増加に焦点が当てられていることを考えると、歩行者や自転車の運転手のクラッシュやけがを防ぐための対策が必要になる。肥満の予防、心血管疾患、糖尿病、および他の慢性疾患(含む身体活動の利点)と、道路上を走行する歩行者や自転車のために増加した傷害のリスクに対してバランスをとらなければならない。これらの道路利用者のための効果的な対策が歩道、自転車レーン、自転車用ヘルメット、車速の低下、高速交差点での信号機などの工学的対策 排他的な歩行信号の位相調整。多車線で交通量の多い道路で 避難 安全島を設け、夜間の歩行者の殺害を低減する道路照明の強度を増加させる。
ほとんどのバスの乗員は、移動目的中には歩行者であることに注意することが重要である。バス利用で観察された低い怪我率は、バス旅行中にのみ発生する怪我を反映しており、バス停への往復の間に発生する可能性がある怪我を考慮に入れていない。歩行者の安全を促進するための対策は、公共交通機関へのアクセスを提供するルートでも考慮する必要がある。
これらの暴露ベースのレートは、人口ベースのレートよりもいくつかの利点がある。第一に、暴露ベースのレートは、暴露自体の固有のリスクについての情報であり、異なる旅行モードの相対リスクを評価するために直接比較することができる。第二に、暴露率は経時的な被曝の変化の可能性を説明しており、減少傾向が安全性の向上か、外傷治療の向上などの要因によるものかどうかを判断するのに役立つ。(トレンドを推進する要因)。人口ベースの利率の傾向では、これらの種類の改善を危険因子への曝露量の変化と区別することはできない。
まとめ
GESの推計は、米国における致命的でない交通事故の数を過小評価する可能性がある。警察の事故報告に基づいているGES推定値は、病院ベースのデータによって推定された致命的でない交通事故傷害の数より一貫して低い。2003年には、致命的でない交通傷害のGES推定値は、病院ベースの推定値より約20%低かった。さらに、このデータは公道での自動車の衝突を含む事象のみが含まれています。公道で発生している自動車との衝突を伴わない自転車や歩行者の負傷はここでは報告されていない。最後に、少数例の統計を安定させるために5年間の傷害データを使用したがそれでも推定値の信頼性が懸念される少数の死亡または旅行に基づくいくつかを報告することはできなかった。
この研究の成果
我々の研究の主な価値は、怪我のリスクを評価するための暴露データの使用です。疫学の中心的な機能は、特定の曝露を与えられた場合に、特定の結果(すなわち、傷害または疾患)を発症するリスクを定量化することです。この試みにおける重要な仕事は、怪我や病気を発症する危険のある集団を決定することです。NHTSデータを使用して交通量を推定することで、危険にさらされている人(つまり特定の旅行モードにさらされている人)を特定し、モード別に怪我のリスクを推定することができました。
これらの被ばくベースのレートは、人口ベースのレートよりもいくつかの利点があります。第一に、暴露ベースのレートは、被曝自体の固有のリスクについての情報であり、異なる旅行モードの相対リスクを評価するために直接比較することができます。第二に、暴露率は経時的な被曝の変化の可能性を説明しており、減少傾向が時系列での安全性の向上や外傷治療の向上などの要因によるものかどうかを判断するのに役立ち、トレンドを推進する要因となる。人口ベースの利率の傾向では、これらの種類の改善を危険因子への曝露量の変化と区別することはできません。
まとめコメント
アメリカで行われたすべての年齢層および旅行について、すべての旅行モード(自動車および非自動車利用)に関連した致命的および非致命的な自動車事故傷害の割合を定量化する最初のものです。これらの暴露ベースのリスク推定は、国内で唯一の包括的な旅行行動データの出所であるNHTSによって可能になりました。
将来のNHTS調査のための資金が不確実であることを考えると、この種の分析が将来可能になるかどうかは不明である。
オートバイや歩行者、そして自転車を利用する人が怪我をする危険性が高くまた、男性、青年、および高齢者も交通事故のリスクが高い。これらに対して効果的な介入は利用可能であり、米国での交通傷害の負担を軽減するために実施されるべきです。
- FARS: Fatality Analysis Reporting System
- GES: General Estimates System
- NHTS: National Household Travel Survey
- HTSA: National Highway Traffic Safety Administration
以上
この論文に付記されている参考文献(56編)で重要な思考過程では検証可能になっていることを付加します。

フランスでの交通事故死傷者の過少報告
ほとんどの国で安全性調査の基礎となっている警察の事故データは不完全で偏っています。ここでは、フランスでの過少報告の程度、およびそれが死傷者および衝突事故の特徴とどのように関連しているかに焦点を当てます。
過少報告はまた、道路の種類、道路環境(大都市圏/農村部)、および警察力の種類によっても異なり、いずれも構造的に依存しています。
結論
警察の事故データに基づいた研究はすべて、非常に誤解を招く可能性があります。したがって、私たちはローヌの道路外傷登録簿を全国レベルに外挿することによって、交通事故死傷者数の公平な推定値を得ることに取り組んでいます。
論文の一例、趣旨の概略。
道路交通事故死者の国際比較 OECD広報から
OECDであなたの国を比較する
今回は、何も手を加えず上記のデータベースから引用したのが下のグラフである。選んだ国は、日本と国土の状況がよく似たイギリス、自転車交通の盛んなオランダ、ビジョンゼロの発生国スウェーデンとした。


上段のグラフは、交通手段別の場合で、乗用車乗用中の死者率 (人口10万人当たり) 日本は この4か国中で1990年以来最低を記録していることが分かる。それに比べ歩行中の死者は飛びぬけて大きいばかりか減少率も最も小さい。自転車は自転車王国と言われるオランダと同程度。
下段のグラフは年齢層別道路交通事故死者数の場合で、日本は64歳以下では他の国と変わらないが、65歳以上で際立って多いことを示している。これをは、日本では高齢者の自動車利用が少なく、歩行者が多いにもかかわらず、歩行や自転車の道路安全環境が悪いことを表しているのではなかろうか。
高齢運転者の運転免許試験の予約が更新期日までに取れない 免許失効のテレビレポート 先進国では廃止が進んでいる更新時実技試験、根拠の無い人権無視の改正道路交通法 どうしてこんなことに
無料で参照出来、信用できる交通安全関係の科学・医学・公衆衛生論文は世界で膨大な数に上る。責任ある行政機関ではこれらの成果に基ずく交通安全政策が試みられている。今世紀(2000年以降)にはいって殆どの欧米の先進国運転免許交付機関では、高齢者に対する免許更新時の路上運転試験を廃止した。それは、 身体的に虚弱な高齢者 にとって最も安全な乗用車の利用をしにくくし、最も危険な歩行や自転車交通に追いやる可能性があり、かえって死亡事故が増えることが統計的に分ったからである。私の調べた限り、日本では研究機関内部の紀要のような報告はあっても、世界レベルの研究論文は見つからない。
下の図は。OECDに報告された主な先進国のデータにより、乗用車乗用中死亡数と歩行+自転車利用中の死亡数の相関図である(人口10万人当たり)。

日本は乗用車乗車中死亡事故は世界で最も安全な記録を示しているが(2014年)歩行と自転車の死亡率は一番多い特異な状況を示している。上のグラフは全年齢のデータであるが、歩行中死者の大部分は 高齢者であることが分かっている。日本では高齢者率は高いが、欧米の先進国に比べ高齢、特に女性の運転免許保有者が少ない。
交通管理者が、今すぐにでもやることは、運転免許を厳しくすることではなく、歩行者や自転車の交通安全インフラの整備である。外国人観光客の増加やオリンピックに浮かれている時ではない。直ぐにでもやるべき道路政策管理者の責任は、横断歩道の見える化や、どう見ても一方通行としか見えない反対車線の信燈を撤去、道路信号は進行方向前方にあるのが世界の常識。夜間の逆走は高齢者に限ったことではないだろう。これはニュースにならないだけと思う。アメリカ・カナダ、西ヨーロッパを運転したことのある人なら、日本の道路標識は安全情報ではなく違反を摘発するための道路の規制情報であることが分かる。
警察庁に不謹慎と罵倒されそうな運動。世界の先進国で成果を上げ始めた交通安全運動 ビジョン・ゼロ。人間は時々間違いを犯すことを科学的事実と認め、運転免許、安全教育,訓練等個人の責任にすることを廃止する。
Vision Zeroは、人々が時々間違いを犯すことを科学的事実と認め、事故を皆無にすることはできないことを前程に、交通安全には、運転免許、安全教育、訓練等個人の責任を大きく考えていたものを廃止し、路交通システムの設計と機能の安全性に重点を置く新しい考え方に立ち、事故による死亡や損傷の程度を低下させるよう交通システムを設計する。 設計者には、より大きな責任を持たせるよう に転換するものです。
【国を挙げて行っている交通事故死・重篤障害者ゼロ運動】
(ボルボファミリー 117号2005年冬版より)
行政や警察だけでなく交通に関するすべての人々が参加するとされているスウェーデンの運動です。このゼロビジョンは1997年の国会承認の「交通事故による死および重篤な障害ゼロ」を目指すプロジェクトである。死者・障害者ゼロという明確な目標を実現させるため、交通システム整備などの基礎的な戦略を進められ、自動車に関する産業全体を含めた対応です。
「このプロジェクトに責任があるのは国会を含めた地方議会、行政、道路関連行政団体、警察、自動車メーカーおよび販売会社、輸送が必要な企業および輸送する企業、道路関連団体、そして、道路を使うすべての人が対象になります。」と政府関係者が述べている。
この報告によれば、『単なる交通安全運動と異なるのは、交通に関するすべての人たちに課せられた総合的な取り組みである点だ。その背後には、「安全は人権の一部である」というスウェーデン政府の考え方がある。
ちなみに: 私が現在運転している車は ボルボ(スウェーデン)2013年型V40、歩行者エアバッグ、セーフティーパッケージ・自動ブレーキ付き。
Crash risk by driver age, gender, and time of day using a new exposure methodology☆☆☆
新しい暴露(路上にさらされている度合い)方法論によるドライバーの年齢、性別、および時間帯による自動車運転事故リスク
CarolynMcAndrewsa,KirstenBeyerb,Clare E.GusecdPeterLaydeed,
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0001457513003163
ハイライト
- 新しく事故頻度と線形の関連性を持つ走行依存性変数を用いて、事故リスクを推定値した。
- 運転者の年齢、性別、日間時間帯毎に調整した新しい変数で算出した事故リスクと従来の事故率とを比較した。
- 事故リスクは21~29歳のドライバーが最も高く、年齢とともに徐々に減少している。(従来の方法では10代のドライバーが飛びぬけて大きい)
- 70歳以上の致命的な障害のリスクは、事故の衝撃に対する身体的な脆弱性によるものと判断できる。
伝統的な従来の事故リスクでは、運転回数や距離の少ない運転者の事故リスクが大きく評価されることが分かっていた。(低マイレージ効果)。下図。

上図左Aは、従来の衝突事故率と被曝レベルと事故リスク、右Bは調整した事故リスクで、Bでは被ばく量とは独立であることが分かる。
以下に新しい評価法による主な結果のグラフを示す。

事故の死亡リスクを旧来の算定法と、調整した算定法で比較した年齢及び性別および時間帯で比較した。結果は、後者では高齢者の衝突の関与と致命的な危険の増加が見られないことが分かる。このグラフで興味深いもう一つの特徴は、高齢者のドライバーでリスクが昼夜で一定していることである。この原因は、衝突時の身体的脆弱性に原因するリスクは時刻に関係しないと考えると理解できる。言い換えると高齢者のリスクは身体の脆弱性のためである。
したがって、高齢者に有効な対策は、けがの程度をやわらげさせる車載技術の開発と実装に集中すべきである。


上図は、日中時刻帯に分けた死亡スク指数(最大リスクで割った比)年齢層別に積み立て棒グラフで示したもので、年齢層別に左は男性右は女性で示した。最も顕著な違いは、旧来のリスクでは最年少の男性グループが極端に危険層となっていることである。調整されたリスク評価では単独事故の場合21-29歳、車相互リスクでは30-39歳にシフトしているように見える。死亡リスクでは70歳以上で男子は微増しているように見えるが、負傷リスクでは最高齢グループまでリスクは年齢とともに減少している。