日本とイギリスの交通事故死亡統計の比較 IRTAD2019報告書記載のグラフより
乗用車利用は最も安全な交通手段
総合的な高齢者の交通事故死者を減らすためには、高齢者の乗用車利用が続けられるよう保護政策を勧めるべきで、高齢者の免許条件を厳しくし歩道に放り出すことは、総合的な交通事故死亡者を増やすことにしかならない。これはその証拠を示す一例であろう。
道路交通手段別事故死者の構成率%


日本は歩行中および自転車乗用中の死者が最も多く、イギリスでは乗用車乗用中が多い。
下の二つのグラフは、両国での年齢層別交通手段別の事故死者数の構成率を比較するもので、各年齢層の人口を10万人とした仮想的な統計量比較の場合である。
日本

イギリス

両方のグラフを比べると、日本のグラフの場合、65歳以上の総死亡率は65-74と75以上の棒を足したものがイギリスの65以上に相当する。これで見るとイギリスの3倍以上の死亡率である。
歩行者については、日本が5名弱に対し、イギリスでは1名半程度とやはり3倍以上の開きがある。
乗用車乗車中の死亡率に関しては、日本とイギリスでは殆ど違いは無い。
また、両グラフの色分けで、乗用車乗車中が日本では濃紺色に対しイギリスでは水色となっていることに注意してみると、日本では高齢者の死亡が10万人中2名弱に対しイギリスが2名強程度と見える。
都市、郊外、高速道路での死亡者数

日本では市街地での死亡事故が多いのに対しイギリスでは郊外の事故死亡が多い。ロンドンの横断歩道の構造や標識を見る限り日本は歩行者の道路保護構造はは無策といえる。
https://www.itf-oecd.org/road-safety-annual-report-2018
これを見る限り、日本の高齢者の歩行が多いことが、事故による死亡率が高い原因とみるべきであろう。乗用車乗車中の事故死率は日英殆ど変わらない。
以上の限られたデータからの結論は、日本の交通政策は、高齢者にとって最も安全な乗用車利用を保護する政策に転換すべきである。