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乗用車交通移動率の大きい国ほど高齢者交通事故死者が少ない

2020/01/17

西ヨーロッパ諸国では、公共交通機関(鉄道、バス、コーチ)に比べ、乗用車利用分担率が大きい国の方がすべての交通状態での合計高齢者事故死亡者率が小さい。(ITFデータベースより。)

https://stats.oecd.org/

下のグラフは、乗用車分担率%を昇順に並べそれに対応する高齢者事故死亡者数(人口10万人当たり)とそれぞれの線形近似直線を示したものである。

西ヨーロッパおよびイギリスでは乗用車利用分担率は80%から86%とわずかな違いである。しかし高齢者の死亡数は最低のイギリスから最高のベルギーまで約2倍の開きが見られ、乗用車利用分担率とは逆相関といえよう。日本は、乗用車の利用率がこれらの国々と比べ63%と少なく公共交通依存度が大きい。高齢者死亡率が多い様子が見られる。

もし、仮に日本の乗用車利用構分担率が西ヨーロパの80%台になれば高齢者死亡数は減少し、国状の似通ったイギリスと同等になれば半減する可能性も見えてくる(グラフの縦線バー)。

これは、公共交通システムが悪いというのではなく、高齢者の身体的脆弱性のため交通事故に遭遇した場合、死亡や再起不能の重傷事故になりやすく、その程度は無防備な道路歩行や自転車乗用中では乗用車乗車中に比べ格段に大きく、公共の交通機関(タクシーを除く)では旅行の目的を果たすには必ずそれが伴うためである。

決まった路線を走る公共交通機関は、それにアクセスするための交通手段も含めた総合の道路暴露量の見積もりが必要であることを示している。

交通安全を実現するためには、歩行や自転車の安全を守るインフラの改善が最も効果のあることであり、乗用車や運転者を悪者にすることでは達成できないことだけははっきりしている。ロンドンでの歩行者安全施設が参考になろう。

誤解の無いために。蛇足ですが、私は上記15ヶ国中11ケ国で運転経験がり、実感を持っての感想です。

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