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「高齢者交通事故の実態」1927年~1931年生まれの5歳階級集団の事故統計の追跡結果から 2016年に85歳から89歳に達した人たち  

2017/09/03

この年齢層は昨年(2016年)に85歳~89歳の年齢層区分に到達した人たちである。e-Stat警察庁の最近の発表データベースから過去10年間、2006年(人口推定は2005年)、2011年と2016年の交通事故データを推移を追跡した。

まず、この年齢層の人たちが自動車乗車中と歩行又は自転車交通の死亡事故数の実態を見てみよう。

第一図: 顕著な事実は、この年齢層では歩行や自転車交通中の事故死が圧倒的に多いことである。ここで、乗車中とは運転に限らず同乗中も含んでいる。高齢になるほどに歩行などの死亡危険性が高くなるかがわかる。また、人数が減少しているのは病気などによる死亡や外出困難になるためである。

下のグラフは、追跡した年齢層の人口や運転免許数の減少について、2005年の人口を100とした(運転免許は2006年)指数で見たものである。病気などの死亡による人口減少とそれに伴う運転免許保持者の減少がみられるが、それに加え高齢になるに従い免許更新を放棄する傾向がみられる。

第2図: 交通事故統計では、事故による死亡者数と負傷者数とは異なった傾向を示す。一般に負傷者数は道路交通量(道路暴露量)の推定に近いとみられ、人々の必要とする交通活動の大きさの目安ともみられる。

事故の負傷者数で見ても、高齢になるに従い車利用が減り、歩行に頼らざるを得ないことがわかる。この数値は乗車中の人員についてのもので、運転者としてではなく高齢になるに従い同乗の割合が大きくなるであろう。第1図と比べてみると、歩行者・自転車交通は事故全体に対する死亡率が高い危険な手段であることが分かる。

第3図: 高齢者は安全な公共交通機関利用をと言われるが、バスや電車を利用するには歩行や自転車利用が不可欠でありこれを無視することは間違いである。

責任の重い運転事故(第一当事者)の死亡事故件数の減少には注目すべきであり、高齢になるほど乗車中の死者数より小さくなる。これは、高齢者では運転者としてではなく同乗中の割合が大きくなることが原因であろう。

第4図: 上記の10年間で、第一当事者死亡事故件数の減少率0.38は運転免許保持率の減少0.33とそれほどの大差はないように思う。

このように、高齢者運転が他の世代に比べて特に社会に危害を与えている証拠はどこにも見られない。それにも増して、歩行者・自転車の高齢者の交通事故死には、第1図の死亡者数に比べ第4図で見るように、第一当事者死亡事故件数の方が1/3以下である。これは高齢者の歩行や自転車交通の死亡事故は、高齢運転者以外の大多数を占める一般の運転者による関与のほうが大きいことは明らかである。

この分析は同一人員構成の母集団による追跡分析であり、異なった集団を母集団とする多くの分析に比べあいまいさが少なく統計的には正確であると言えよう。

”どこから見ても非の打ちどころのない高齢者の運転実績” 表題に入れたかったがこれを見ただけで拒絶されそうでやめた。

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