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老後の生活設計

2005/10/10

老後の生活と公的介護

最近在宅ヘルパーが認知症の老人の預金から4千万円横領したというニュースを見た。

高齢者のかなりの人々が高額資産を持っているのは周知の事実である。

私たち高齢者にとって介護制度の充実はありがたいが、日本の社会全体の経済バランスから高齢者問題を考えてみよう。

先ず、日本の個人資産の総額は1400兆円ほどあるといわれていて、60歳以上がその資産の半分以上を所有している。総人口に対する60歳以上の人口比は20%ほどだから高齢者の個人あたりの資産は非常に大きいものといえる。

世界的に展開しているイギリスの金融グループHSBCが行った主要各国の意識調査によると、老後の資金準備として「特に計画なし」の回答が日本では67%、それに対し、カナダ0%、アメリカ18%となっていて、日本人は老後の準備をしなくても、預貯金や年金、公的支援で老後を過ごせると思っている人が多いと解釈されるが、この結果を、日本人は老後も働きたいと思っている人が多いのも一因であるとの分析をしているという。

しかし、我々現役の高齢者の本音は、上記のように資産家であるのにも関わらず、個人資産や預貯金は老後の安心のための保障であってそれを食いつぶすことは考えていない。年金と公的介護だけで老後をつましく過ごそうと考えているのである。

老後の生活のために預貯金を計画的に使うことは、人生の終わりが何時来るか分からないので不可能だという心理は当然であり、結果的に、たくさんの資産を残してこの世をおさらばし、相続税と被相続権者に残すことになる。相続税は社会に還元されるが、本来自己資産でまかなうことが出来る経費を公的介護に頼り、その社会負担分が相続資産に含まれることになる。

公的介護の費用は、約17%が自分の介護保険料でまかなわれ、83%が税金や、医療保険でまかなわれているのが現状のようだ。

社会的公平性を考えると、高齢者が死亡したとき遺産があれば、その中から、その人が生前公的介護に使った費用を返還するというのはどうか。こうすれば、高齢者も生きている間は自分の資産は減らないから不安も無く、また資産の貯えが無いのに長生きする不安からも解放される。

この意見は荒唐無稽な話だと思われるかも知れないが。公的支援が無かったほんの少し前までは、高齢者に資産があるなしに関わらず家族が介護をしたわけで、この負担が大きすぎ現代の社会情勢には合わなくなっただけであり、本来は自分の老後は自分の資産でまかなうべきであると考えれば当然のことである。

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