世界で最も安全な乗用車運転を達成した日本の運転者、先進諸国ではも多い歩行事故死者率。これをどう読むか?

事故死者率の小さい方からの順位。乗用車 日本1位、歩行者25位、自転車24位。高齢者だけの順位は分からないが、日本でも高齢者の乗用車運転者の(第一当事者)事故数が際立って多い証拠はない。下図。

何れも私のブログ記事から。
総ての車に“ドライブデーターレコーダーを”
一般的に市販されている映像中心のドライブレコーダーのことではありません。現在の車に標準装備されている各種センサー、車の走行中アクセルペダル記録、ブレーキ作動記録、エンジン出力や主要部分に設置されている各種センサー、加速度センサーから衝突事故にいたる車の運動経過が分析できるデータ記録です。
航空機の目覚ましい安全性の向上は、事故の直前まで記録された航空機に装備されたフライトデータレコードの独立事故分析機関による科学分析での事実の解明と、その結果による航空機製造メーカー、航空管制、空港安全設備などに対する強制力のある改善命令によるところが大きい。
自動車にもこのような記録装置を義務付ければ、憶測による事故調査は用をなさなくなる。航空事故と異なり、衝突による火災の発生は稀で、簡単なメモリー記録装置を車の堅牢な位置に装着するだけでほぼ100%回収できる。全車設置義務となればその製作コストは1万円以下、現行の車検手数料と比べて負担増とは言えない。
ただ、運転者の過失でとして個別に処理したい警察や、証拠による責任を問われる道路安全管理機構、車の欠陥の証拠が残ることを恐れる自動車製造会社にとっては嬉しいことではない。
世界の先進国では、ここ数年の内に設置義務化が進むであろう。その頃になって警察庁も好むと好まないにかかわらず後追いすることに。
ヨーロッパの交通安全協力機構の今 日本の現状と比べて

https://etsc.eu/briefing-eu-strategic-action-plan-on-road-safety/
日本では 警察庁単独主導の政策。
① 高齢者を車の運転移動から排除、「高齢者免許証返納運動」。② 言葉巧みに医療法違反を回避した自動車学校での認知症テスト。 ③ 箱庭のような教習所テストコースでの運転実技テスト。
何れも、世界の先進国ではその効果が確認できないとして廃止、または許されない人権違反として現在はやられていない。
国や言語まで違うヨーロッパ諸国、また、アメリカ、カナダ、オーストラリアは国家ではなく、州による独立の交通政策。各州政府では多様な交通安全政策がとられ、その効果の比較検討が否応なしに行こなわれた。その結果、法規の修正・インフラの改善がされてきた。
日本では、全国一様の道路交通法と警察庁交通警察。証拠の確認による安全政策の改善も、道路管理者の責任追及も行はれていない。事故の責任はすべて運転者に。 この理不尽な現実を指摘する機構もない。
安全交通の継続的向上に成功している国 運転者を悪者にすることから卒業して
安全システムの目標と戦略、そして責任の共有
1990年代後半までに、世界で最も業績の高い国のうち2カ国では、パフォーマンスの継続的な向上を維持するには、包括的かつ持続可能なアプローチが必要になると判断しました。
オランダSustainable Safetyおよびスウェーデンの Vision Zero戦略は、道路システムを本質的に安全にすることを目的としていました。
Sustainable SafetyとVision Zeroの両方のアプローチでは、衝突時の衝撃の大きさを軽減して、傷害に対する人間の許容度のしきい値を超えないようにすることが強調されています。Safe Systemとして交通事故で深刻な健康上の損失を最終的に排除するという目標は倫理的な基準でもあります。
この新しいアプローチは現在、それらの間の重要なインターフェースにも対応しています。システムの「設計された」要素、すなわち車両や道路は、人的要素と互換性があるように設計でき、クラッシュが発生する可能性がある一方で、システム全体が危害を最小限に抑えるように設計できる、より良い設計に対する責任は、セーフシステムアプローチの重要な要素です。
持続可能な安全な道路交通システムでは、インフラストラクチャ設計により、本質的かつ劇的に衝突リスクが軽減されます。クラッシュが発生した場合、クラッシュの重大度を決定するプロセスは、重大な怪我をほとんど排除するように調整されます。
安全な交通システムを実現するためには、実際の人間の能力に基づいてシステム設計者が道路システムを設計する明確な責任を与えられ、それによってそれらの発生が防止される限りにおいて、責任に関する私たちの見解の変更が必要予。
スウェーデンの道路交通責任調査委員会(1996)。
https://roadsafety.piarc.org/en/strategic-global-perspective-key-develoments/shift-safe-system
日本のメディアはなぜこのような世界の真実を報道しないのか?
メディアはなぜ、前世紀の遺物の様な「アクセルとブレーキの踏み違い」の予断を根拠に、高齢運転者を罪悪化し、免許はく奪志向の警察庁に組するのか。世界の交通安全政策の経験は、運転者を悪者にすることでは解決しないことを実証済みである。


のウェブサイトを読んで。
交通安全問題の範囲 安全システムへの移行
成功した多くの国では、継続的な監視、評価、および調査から集められた証拠に基づいて、システム全体の介入パッケージを通じて死傷者の削減が達成されています。通常、4つの広いカテゴリーの介入が、達成された安全性の向上の大部分を担っていました。これらは:
- 一般的な抑止スタイルによる主要な交通安全行動の実施(例:スピード、アルコール、シートベルト、チャイルドシート、ヘルメット、疲労)
- 道路環境の安全工学
- 車両安全性の向上
- 救急医療システムと道路外傷治療の改善。
効果的な標的プログラムで使用されているエビデンスに基づく介入については多数の文献が作成されています。
歴史的経過
セーフシステムへの認識や社会全体の価値観の劇的な変化(パラダイムシフト)
前世紀の半ば以降、事故死や重傷を排除するというSafe Systemの目標を達成するために、革命的なアプローチが特定されています。それは、事故ドライバーへの唯一の焦点から、最善のアプローチを取り入れて構築するSafe Systemアプローチへのコストのかかる経路をたどります。
「運転事故当事者を非難する」前世紀のアプローチ
1950年代と1960年代には、多くのOECD諸国で急速な自動車化が起こり、それに伴って交通事故死者数と重傷者数が増加していました。当時は、めいめいの単一の事象に注目し、調整されていない、そして証拠となるデータの乏しい機関ユニットが、交通安全管理を主導していた。その結果、政策決定の重点はドライバーにありました。情報と宣伝に支えられて立法の規則と罰則が制定された。経験から、ヒューマンエラーが事故の原因となったことが最も多かったので、道路利用者の意識を高める教育および訓練することが交通安全問題に効果的に対処できると誤って信じられていた。結果は、世界保健機関によって指摘されたように、これらの措置は一般的な支持を提供しますが、死傷者の減少効果を示す証拠はほとんどまたはまったくなかった。個人の責任の役割を強調し、運転事故当事者を非難することは、関係当局が自らの責任を十分に引き受けることを妨げることになります。
介入へのシステムアプローチ
1970年代から1980年代にかけて、安全の介入に関するシステムの見方が明らかになりました。アメリカの疫学者であるWilliam Haddonは、衝突前、衝突後、衝突後の段階のインフラストラクチャ、車両、およびユーザーを含む疾病モデルに基づいて交通安全の体系的な枠組みを開発した。このアプローチの中心は、衝突時の衝撃が人体の許容範囲を超えないように管理することです。これは、システム全体に介入する範囲を広げ、これが進化するのに数十年かかった交通安全対策の大きな変化を支えました。
システム全体の介入、ターゲットを絞った結果、および制度的リーダーシップ
1990年代初頭までに、良好な結果を達成した国々は、死亡や時には重傷を減らすための量的目標を持った行動計画の実施に向かって前進してきたEU諸国のさまざまなグループで達成された削減量を下図に示します。

成功した多くの国では、継続的な監視、評価、および調査から集められた証拠に基づいて、システム全体の介入パッケージを通じて死傷者の削減が達成されています。通常、4つの広いカテゴリーの介入が、達成された安全性の向上の大部分を担っていました。これらは:
- 一般的な抑止スタイルによる主要な交通安全行動の実施(例:スピード、アルコール、シートベルト、チャイルドシート、ヘルメット、疲労)
- 道路環境の安全工学
- 車両安全性の向上
- 救急医療システムと道路外傷治療の改善。
効果的な標的プログラムで使用されているエビデンスに基づく介入については多数の文献が作成されています。ヨーロッパ各国からの参加60機関。
https://roadsafety.piarc.org/en/strategic-global-perspective-key-develoments/shift-safe-system
交通手段、性別、年齢による事故死亡リスク 高齢者にとっては乗用車の運転利用が最も安全
旅行モード、性別、年齢によるリスク。 道路交通における死亡リスクの各種交通手段別指標で分析した結果の解説。
国際交通フォーラムより。スライドによる報告 2018/11/28. ロンドン大学カレッジロンドン ショーン・ショールズ
グラフは上から路上百万時間当たりの死亡率17-69歳と70歳以上。通行距離10億キロメートル当たりの死亡率。どのグラフを見ても乗用車運転が一番安全であることが分かる。特に高齢者では時間当たりの歩行死亡率が年齢とともに急激に増加している。 高齢者では身体的な脆弱さのために、歩行中事故に対する死亡リスクが高くなる。 最下段のグラフで見るように、乗用車運転では高齢者(65歳以上)では死亡率が一番少ない傾向を示している。





日本の警察庁やメディアの作り上げた高齢者運転の常識がいかに根拠の無い無責任、差別的なものであることが分かる。
今日、レーダーによる車間距離測定装置、追突防止自動ブレーキなど軽自動車でも装備されている時代。観光バスや、大型トラックなど、死亡事故の多い車に義務付けられていない不思議。
総ての車両について義務付けられているOBDⅡ端子、各種センサーによる動作中の検出記録はリアルタイム(0.1秒)毎に検出されています。これらのデータのエンドレスメモリー記録装置の装着をすべての車に義務付ければ、飛行機のブラックボックスと同じように、事故の検証について運転者の過失か、車の各種運転機器の誤動作によるものか、状況証拠だけでなく明確な証拠データとして記録される。性能に大幅な差異のある市販のドライブレコーダの解析などとは桁違いに確実なデータが記録される。まして高齢運転者ならば「アクセルとブレーキの踏み違い」で処理されてしまう不条理は許されない。
更に、すべての車にレーダによる車間距離の測定装置と、近接警報装置、追突防止自動ブレーキ装置などを義務付ければ、車間距離走行違反、追突事故など大幅に減少する。もちろん、これらの保護装置の作動記録もリアルタイムで記録を義務付ける。自動ブレーキや警報装置を付けると運転者がそれに頼り「漫然運転」が増加する、警察庁や自動車メーカーの言いたそうな屁理屈も防止できる。
下のエクセルレコードの一例は、タブレットに市販アプリ“Torque” Engin Manegement Diagonostics and Tools で取ったログファイルの一例です。この例では69項目にわたって車の走行中のセンサーデータが1秒毎に記録されています。この場合は各動作状態の記録であり事故調査記録に特化したものではないので、ブレーキの作動記録は見当たらない。しかし、この記録でもアクセルの踏み込み率や、スロットルの開放率、エンジン回転数、車の急発進、急ブレーキ時の加速度などの記録が時系列で最高頻度0.1秒毎に記録することも出来るので事故原因の曖昧さのない分析データが得られるはずである。




何れにしても、現代の電子制御装置やGPSデータなどにより制御されている車に対する警察庁の事故調査は、ニュースを見る限り事故後の車のメカニックによるアクセルやブレーキペダルの動作チェック、ブレーキ痕や目撃者の談話など半世紀前から変わっていない調査方法のように見える。結果は運転者の責任で終わることは目に見えている。
道路はみんなで共有するもの 歩行者優先の勘違い 歩行者死亡事故を無くするために

道路はみんなで共有するもの、歩行者絶対優先、自動車優先でもありません。交通事故の原因は「お互い様です」 被害者、加害者に2分出来る場合は少ないでしょう。
確かに、自動車がなければ(江戸の町のように)歩行者死亡事故は無いでしょう(馬にけられるか?)。でも、今の社会では、あなたが運転するとしないにかかわず、あなたが生きていくためには、あなたに代わってリスクを負っている運転者がいることを忘れないでください。あなたが近くのコンビニに歩いて行ったとしても、あなたが買う必需品は車で配送された物です。間接的にあなたも運転からの危険を分担していることになります。

AAAの高齢者のための記事から。
このような注意力と判断力があれば自動車運転も大丈夫でしょう。その方がもっと安全です。運転の適正が欠けると判断された人を道路歩行に追いやることはより危険です。この事実を知らせたくない日本の道路管理者の無責任体質。
高齢者の尊厳と人権を無視した新聞記事の見出し

高齢だけで犯罪者と決めつけ、人権無視と、差別が当然と言わんばかりの見出しの新聞記事の一部。興味本位の単発記事で売るテレビのトークショーや週刊誌と違い日刊紙の記事から。これが一流紙と言われるジャーナリズムの知的水準か? 朝日新聞2019、5月19日、社会欄。