歩行中の転倒傷害者は道路交通環境に於ける最大のグループ 特に女性と高齢者は最大の被害者です

道路交通環境における歩行者の転倒および衝突関連の傷害–スウェーデンの国家登録簿に基づく研究-ScienceDirect
この論文の中で 3.3章 性別・年齢分布を取り上げた見ました。

Fig. 4. Number of fatalities (2010–2017) and injured (2010–2019) per 100,000 person-year, age group, and road user category.
特徴的に見られるのは、すべての年齢で歩行中の転倒による負傷の大多数は女性でした(69%)。歩行中の怪我は高齢者ほど多くなる(65歳以上40%)、自動車乗車中事故では若い年齢層に偏っています。
歩行者の車との衝突による致死性事故については、男女とも変わりなく高齢層で際立って多くなる。他の状態による事故では男性の致死率が女性より高い一般的傾向を示している。
ここで注意しないといけないのは、スウェーデンは緯度が高く、秋から冬季にかけて暗い時間が長く気温も低い、氷、雪、などの滑りやすい路面に加え、森林が多く落ち葉などで歩道が覆われ段差が見えにくく躓きなどで転倒の危険が多い特殊な事情があり、殆どの歩行者の負傷は(77%)、寒い季節(11月から4月末)までに発生し年間10万人当たり91人の負傷があった。
以上、道路交通の安全性は乗車中が最も高く、高齢になるほどその効果は更に大きいことが分かる。高齢者の乗用車利用を出来やすくするのが社会全体の交通事故を減らす効果であることが分かる。
この論文では物理的な交通障害だけについてであるが。歩行は季節の寒暖にされされ、体力が脆弱で循環器系の基礎疾患を持つ高齢者にとってはその発病の引き金になる危険も大きい。
交通安全の基礎的事実の把握は単に警察のだけの話ではないことがこの論文を見ても分かる。