人は何十年も前に初等教育で習った知識から抜けきれない。 『アマゾンの火災」メディア記事から
世界の知識人、行政の指導者もメディアも。何十年も前に初等教育で習った光合成の知識から抜けきれない。その一例か? アマゾンの火災。
地球上の植物は生きている間、光合成により酸素を放出し二酸化炭素を固定します。これが、地球上のさまざまな生命連鎖の基となっているが、すべての生物はやがて命が尽きたとき、最終的には遺体は腐敗菌等により二酸化炭素に戻され大気中に放出されます。その収支はほぼゼロと見ていいのでは? これが私の40年来の疑問でした。
この疑問の答えとして、以下の記事の要約をしてみました。原文と比較して誤りがあればご指摘ください。
アマゾンの火災は、地球の酸素供給を枯渇させていません
2019年8月26日午後11時39分 スコット・デニング コロラド州立大学大気科学教授
最近、アマゾンの熱帯雨林での火災が世界中で注目を集めています。一部のメディアアカウントは、アマゾンでの火災も私たちが呼吸する大気酸素を脅かすと示唆します。
植物からの酸素
空気中のほぼすべての化合していない酸素気体分子は、光合成によって植物によって生成されます。陸地での光合成の約3分の1は熱帯林で発生し、その最大はアマゾン雨林にあることは事実です。
しかし、毎年、光合成によって生成される酸素のほぼすべては、生きている生物の呼吸によって二酸化炭素となり消費されます。樹木は枯れ葉、小枝、根、その他の落葉落枝を絶えず落としており、これらは主に昆虫や微生物などの生物の豊かな生態系を養っています。微生物はその過程で酸素を消費します。その結果、すべての陸上植物による酸素の純生産は殆どゼロに近くなります。

地球には4つの主要な酸素の貯留層があります。陸生生物圏(緑)、海洋生物圏(青)、リソスフェア(地球の地殻、茶色)、および大気(灰色)です。色付きの矢印は、これらの貯水池間のフラックスを示しています。有機物の埋没は大気中の残留酸素の増加を引き起こし、岩石中の鉱物との反応は減少を引き起こします。 Pengxiao Xu / Wikimedia、CC BY-SA
海洋の酸素生産
地球のほぼすべての呼吸可能な酸素は海洋から発生しており、何百万年も持続するのに十分な量です。
酸素が空気中に蓄積するためには、植物が光合成によって生成する有機物の一部を消費する前に上記の循環から外す必要があります。これは、微生物が酸素を使い果たした深さより下の深海では、残った有機物が海底に落ち、そこに埋められます。海藻や植物プランクトンによる海面で生成された酸素はそこでは消費されません。
このように海洋の植物プランクトンの死骸が蓄積されることで、地球で生成される酸素の半分を生成します。
この海底に埋もれた植物が石油とガスの源です。また、地面の酸素のない状態、主に地下水面が微生物の分解を防ぐ泥炭湿原に、より少ない量の植物が埋もれます。これが石炭の原料です。
地球全体の光合成のごく一部(おそらく0.0001%)のみがこの方法で大気中の酸素に追加されます。しかし、数百万年にわたって、この成長と分解のわずかな不均衡によって残された残留酸素が蓄積し、すべての動物の生命が依存する呼吸可能な大気中や表面近くの海洋の酸素を供給しています。何百万年もの間、大気の体積の約21%を維持しています。
もう一つの大気中の酸素レベル調節
この酸素の一部は、地球の地殻にある金属、硫黄、その他の化合物との化学反応を介して地層の表面に戻ります。たとえば、水の存在下で鉄が空気にさらされると、空気中の酸素と反応して、酸化鉄が形成されます。空気中には何百万年も続く十分な酸素があり、その量はこのような地質学によって設定されます。
酸素の枯渇ではないが重要な森林の保全
地球上のすべての有機物が一度に燃やされたとしても、世界の酸素の1%未満しか消費されません。
しかし、メディアで問題になっている森林伐採の急増は、地球上で最も生物多様性を脅かすこととなり、森林伐採に反対するのに十分な理由になります。
以上: この記事の編集者から 「寄付をお願いします」
信頼できる情報を大切にし、複雑な問題の背後にある証拠の理解を支援したいので、この作業を行います。あなたの税控除可能な寄付は、事実に基づいたジャーナリズムを提供し続けるのに役立ちます。
ミシャ・ケッチェル 編集者