誰が歩行者死亡事故の加害運転者か? 死亡に関与した加害運転者の大部分は60歳以下の運転者層 そして 歩行中の被害者は60歳以上 統計分析から
日本の道路行政にかかわる人たちに読んでいただきたいレポート。
日本の警察庁やメディアは、科学的根拠を示さず、特異な事例を取り上げて高齢運転者が社会に危害を加える存在のようにキャンペーンする。
関係者からは、これはイギリスの話、「日本では違う」鵜呑みにするな、という声が聞こえてえてきそうだ。
それならば、日本の統計データで分析を行い、その研究論文リストを明記して検証可能な根拠を公表すべきであろう。
迷信的な思い込みか、それとも何か意図があってか、警察庁や地方自治体の道路行政。それを鵜呑みにするメディアの根拠のない間違、高齢者運転が社会の脅威のようなキャンペーン。
その結果は、歩行者増による交通死亡者が日本の全体の交通死者率を増やすことになろう。
It is in everybody’s interest that people are encouraged to remain independently mobile as long as they are safe to do so.
このレポートの序章の一節、この精神こそ人権を尊重する先進社会の基本であろう。
下のグラフはこのレポートの57ぺーじに記載されているもので、2.6a図は、歩行者の事故死亡数をそれに関与した運転者の5歳区分帯毎に積算し表したものである(2005)。60歳以下の運転者が殆どの歩行者の死亡事故に関与していることが分かる。
2.6b図は、運転者の各年齢層百万人当たりに換算した歩行者死亡事故関与率である。
最低が70-74歳, 80歳以上でも60歳以下より少ない。安全運転者といえる。
上のグラフはアメリカの場合で、アメリカでも同様に、実勢の交通状態では、高齢運転者が歩行者の死亡事故に関与することは非常に少ないことが分かる。
歩行と、自動車乗用の場合の通行危険率を比較するのは難しいが、旅行(移動)当たりの推定死亡率を描いた例が下のグラフで、これを見ると高齢者の歩行は非常に危険であることを示唆している。
以上。
高齢者から運転免許を取り上げることで、日本の道路交通が安全になるという「迷信を」払しょくするべきである。
もう一つ、欧米社会では、女性はすべての年令層において男性より死亡事故が少ない。日本では?
補足
これは、60歳以下の運転者や男性が、高齢者や女性より危険運転者だといっているのではない。この世代の人たち、職業活動に必要な運転をしている人たち、年間走行距離も多く、天候の条件が悪い、あるいは夜間でも、そして運転だけに集中できない状況でも運転しなければならない人たちである。
高齢歩行者の死傷事故に関与したこれらの運転者は、経済的にも社会的にも大きな責任を負わされる被害者でもある。
退職した高齢者は、自身の生活やその質の向上のための外出が多く、条件の悪い時には外出を取りやめることができ、年間走行距離も少ない。これが実勢の交通統計で見た場合には事故を少なくしている要因である。
思考の落とし穴: 道路はレーシング場ではない、運転技量を競い欠陥があるかといってそれが実勢の交通社会の障害に直結するわけではない。