世界で一番高い日本の高齢者の自転車事故死亡率 自転車用の道路安全構造や信号がなく 運転者の注意義務のみに頼る日本の道路政策
日本の自動車交通安全率は世界でトップクラスであるにもかかわらず、高齢者の自転車利用者の事故死者率はなぜ世界で最も高いのか?
日本では高齢者の生活上の自転車利用者が多いのがその一因か?
下のグラフはOECDの国際交通フォーラムの記事(Figure 3.8)から読み取って描いたものである。
このグラフから分かることは日本の高齢者の自転車死亡事故比率が多いことは分かるが。その原因については分析できない。
なぜならば、交通全体における年齢層別自転車利用率やその目的、人口の高齢化率、人口の都市化率、など国情によって異なるからである。
注目すべきは、日本と国情が良く似ているイギリスとの比較である。イギリスの高齢者死亡率はこれでみると日本の四分の一である。
このことは、日本でもこれと同等の死亡率に出来るということである。
ここで、事故の原因と考えられる主な要素として。
① 道路の安全構造。(自転車専用道路分離、自転車専用の信号、車と自転車信号の分離)
② 自転車利用の形態(通勤・通学、レジャー、日常生活)
①についてはロンドンなどヨーロッパ市街では見かけるが日本では無いに等しい。
②について、統計データを根拠にした判断ではないが、北アメリカ、西ヨーロッパ諸国を運転してみて分かることは、一般自動車道で見かける自転車利用者は殆どがレジャー旅行者である。市街地では通勤者の自転車利用は見かけるが、高齢者が買い物など日常生活のために自転車を利用している状況は見かけない。これは日本特有な風景である。
高齢者にとって、自動車利用は最も安全で、体に負担をかけない交通方法であり、欧米の自動車交通先進国では高齢者の運転免許保有率が日本に比べて多いことは事実である。そのために、高齢者の生活上の自転車利用が少ないことが考えられる。