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孫の教育資金を一括贈与した場合に非課税枠 この不可思議な税制案をいう前に 相続資産の中から生前受けた社会福祉サービスの諸経費を返還する制度はどうか?

2013/01/12

法律用語を知らないのでうまくタイトルをつけられないが趣旨はこうである。

高齢者社会保障制度のなかった時代、主に長男の家庭が経済的負担をはじめ介護まで受け持つのが当然の社会倫理であった。

これを、社会全体で見ていこうとする現代の先進社会、これは素晴らしいことであり当然の帰結であろう。しかし、その経済的社会負担を社会全体でどう公平に負担するかが問題であり、福祉に特化した消費税案もその一つであろう。

社会保障制度、原則的には、これは資産家であろうと高額所得者であろうと、無資産・低収入の人も、分け隔てなく受けられることも大切であろう。

私が感ずる疑問は、自己資産で生活はもちろん医療・介護まで負担できる人たちも社会保障費で賄われることでその人の財産の保全が保たれることになる。この蓄積資産を全額相続権者だけが受け取る権利があるだろうか? 社会に対する返還分があってもよいのではないか。高税率の相続税でこの矛盾は再配分されるとの理解もできなくもない。

一方、資産を所有することでそれがなくなるまで社会保障を受けられない制度にした場合、該当者にとっては不安・不服であり耐えられないこととして受け止められよう。特に高齢者の場合自分の人生終末がいつ来るかわからない、生存中に財産の処分(固定資産の場合)を行わなければならないのは悲劇と感ずる人多いことだろう。

そこで一つの試案であるが、社会保障制度によって受けられる経費は自己資産を担保とした借金とする。もちろん担保資産を超過しても借り続けられる、それは社会保障制度が担保に当てられるからである。第一担保として生前に受けた社会保障経費の総額はそれぞれの社会保障財源管理機関に返還する。したがって、これが遺産額を超える場合は相続資産はないことになる。しかし、自分が長生きをしたために子・孫に遺産を与えられない、これも当事者にとっては情けない悲嘆であろう。

社会保障財源が”再生可能”であればこんな問題は起こらない。どの方法を選ぼうと当事者にとって満足できる解決はないであろう。相続税法上の遺留分を除いた範囲で返還するのも一つの方法ではないだろうか。

いずれにしても、高齢者に対する社会保障制度のなかった時代、高齢者と同居してすべての負担を担った長男夫婦は、今言われている勤労人口に対する高齢者負担率に当てはめれば1.0である。

昔と違うのは、高齢者が自立出来ない状態での余命が伸びたことによる負担増であるが、これを嘆いても人はみな例外なく高齢になっていく万人の問題である。

突飛な意見のための意見と取られるだろうか!

2件のコメント leave one →
  1. 不明 のアバター
    匿名 permalink
    2013/01/13 23:42

    本退職物理研究者氏は、以前の氏のつぶやき「高齢者運転講習の不合理」に対して私が残したコメントに早速返事のコメントを下さいました。深く感謝いたします。

    その後も氏の旺盛なつぶやきは続いているが、その一つに、社会保障の世代間負担問題に関する興味深いアイデアが追加された。これに関連して日頃私が雑談でつぶやいているアイデアを出してみたいと思う。

    氏のこのアイデアは、安倍新政権の危ない能天気政策提案の中でも特につまらない「孫の教育資金贈与分を非課税枠とする」に引っかけて提起されているが、その主旨はまったく逆方向の極めて先進的な要素を含んでいて、高く評価される。そのポイントは、社会保障負担を遺産相続に結びつけて、個々の高齢者が受け取った福祉サービス負担額をそれぞれの遺産相続分から控除する仕組みを作る、ということである。これは、特定の高齢者の福祉負担を、その遺産相続が予定されている子供など家族が引き受けることを意味する。氏はかねてから、1973年の福祉元年以前には、現在の高齢者世代が家族ごとにその親の面倒をみてきたのだから、それ以後この関係が社会化されたからといって、現高齢者が社会福祉制度で子供世代のお世話になることが「不公平」というのは間違っている、と主張してきた(「高齢者に対する社会保障負担増 世代間の不公平・・・は間違い」2010/12/17)。この度は、さらにそれを進めて、相続分がある限り、事実上親の面倒を家族がみたらどうか、と提案しているのである。

    私は、この発想に基本的に賛成であるが、ただ一点だけ違和感を持つ。それは、氏が、高齢者が長生きをして社会保障受け取り分が遺産額を超える場合子・孫への遺産はなくなり、それは「情けない悲嘆」といっている点である。

    私の個人的意見は、より徹底していて、高齢者の遺産は全部か相当部分を相続税で徴収し、それを生存高齢者の福祉費用に充てる、というものである。氏の提案が、社会化した高齢者扶助関係の一面を個別・家族内関係に振り替えようとしているのに対して、私のは、それを同一世代間関係に振り替えようとするもので、より社会化を強調しているといえよう。

    随分過激のようにみえて、かなり進んだ人でもにわかには賛成してくれないが、一般世論動向からそれほどかけ離れているわけではない。世論調査では、親の世代の7割くらいは、老後の面倒を子供に依存する気はないし、したがって子供のために遺産を残すつもりもないと答え、子供世代のやはり7割前後は親の遺産を当てにはしない(その裏に親の老後の面倒はみたくない)と答えている。もし私のアイデアが実現すれば、それは「老―老間社会保障(相互扶助)制度」とでもいうべきもので、世代間不公平の問題はなくなる。

    ただ、現高齢者世代は戦後高成長時代を担い、貯蓄もそれなりにしっかりしてきた人々が多いから、それが回ってこないとなると、若年世代にはやはり厳しい事態となることも予想されよう。これは、相続税を少なくするという安倍提案とは逆方向であるが、老人の消費を増やして、当面の景気政策にはより有効かも知れない。それが、この地球的資源制約時代における経済政策の基本視点からみて、特に推奨すべきとは思わないが。

    また、先のような世論調査の回答とは別に、実際には、いざとなると、やはり親・子双方においてそれぞれ期待感はあって、特に大金持ち家族には抵抗が強く、私の提案がそれほど簡単に実現するともいえないであろうが。

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  2. spaceglow 市川 敏朗 T.Ichikawa のアバター
    2013/01/15 13:41

    国際経済研究者様
    専門家のコメントとして評価いただきありがとうございます。
    経済活動について総合的に語る見識も分析能力もない私ですが、わたくしなりに、遺産相続の合理性について考えてみました。書いてみるとこれだけでもつくづく難しいものだとわかりました。
    そこには個人の人生にに関する理念と云ったものも尊重すべきであり、必ずしも社会が強制すべきでない内容も含んでいると思います。以下に、極端な例を挙げて考えてみますと、

    ①  人生の完結まですべて自分と家族の自己資産で全うするのを理想とする考え。その手段として、自分の社会活動期に資産を蓄積し必要額を確保する、収入から将来十分な額を補償出来る商業保険を買って備える、あるいは親族から相続した資産で賄うことができると云うラッキーな人もあるだろう。この場合には遺産を親族に残すのも寄付をするのも所有者の自由であって高額な相続税を取るのは疑問であろう。

    ②  社会保障制度が全額公的保険の掛け金で設計されている場合、統計的予測のもとに社会全体で相互補助をするもので、生涯受けた給付額の多い少ないに関わらずこれは自己資産からの支出と云える。この場合遺産は相続対象の私有資産であろう。

    ③  現在の納税者の税金で社会保障制度を維持する場合。社会保障制度は助け合いを基本とする理念であると考えられ、生涯受けた社会保障サービスの総額は遺産から社会に返還すべきものと考えることが出来、結果残った資産が遺族が受け取る相続額となろう。

    ただし、 ②の場合、日本のように、人口の高齢化が進み手厚い高齢者医療の発達した社会では医療費が膨張し、十分な老後を保障できるだけの保険金を就労期間に支払う能力のある人は限られてくるだろう。  日本の現状が②と③の併用であるとすれば、現在のように無条件ですべての遺産を相続権者が受け取る権利は無いようにも思われます。

    日本の高齢者の多くが老後の生活を子や孫の援助にすがりたくないと思っているアンケート調査、猫の目のように変わる政権の社会保障政策、資産を放漫な管理で失ってしまった社会保険庁、高齢者は自己資産の保全を考え社会に還流させることをしないのは当然の帰結であると云えましょう。

    寄付行為からの税金の控除は、教育や文化活動、社会に貢献する非営利組織・団体に納税者が使い道を指定して納税する権利を認める制度と云いかえることもできよう。子や孫の教育費を免税にする行為はこれに当たるとの解釈は出来なくもないと思います。

    市町村議員から国会議員まで、政治家の最大の利権は、集められた税金の配分権にあり、税法上の寄付行為は認めたくないのも本音であろう。資金の手当てがが無かった子供手当の失敗を教訓に、現政権が高齢者の保有財産に目をつけたた苦肉の政策ではないでしょうか。

    こんなことを考えてみました。

     

    いいね

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