Xenon-133 放出論文の最終改正版を見て 東京電力を始め日本の情報秘匿が事故の解明を如何に難しくしているかが実感される
Stohl 他の論文の最終改正(Final Revised Paper)の要約を見た。
http://yoshi-tex.com/Fuku1/acp-12-2313-2012.pdf
論文は、日本のXenon-133の観測データが全く無い状態で北半球に点在する世界の観測データを用いて東京電力第一福島原発の状況を推定し様としたものである。
希ガスキセノン133の測定値なぜ日本だけが無い、まだある情報隠し 世界の北半球の観測所を見る «
2011年に発表された要約と今回の改正での大きな違いを見ると、異常に大量のXenon-133の放出が観測されたことについて、初版では津波ではなく地震による原子炉の破壊があって、炉内に蓄積されているXe-133が放出された証拠と推定していた。
今回は、理論的に原子炉圧力容器内に蓄積されているXenon-133の量に比べ、観測から分析した放出値が大きすぎることからその原因を追及し次のように推論を発表している。
それは、観測されたXe-133は、Iodine-133(ヨウ素)の崩壊(半減期20.8h)で生まれるXe-133であったのではないか、それならば手動ベント前からXe-133の放出が見られた証拠の説明がつく。
この結論では、最初に推論していた地震による原子炉圧力格納庫の破損の証拠からは外された。
しかしこのことと、東京電力及び政府の 「原子炉は地震では外部に放射能を放出するような破損は無かった」 とする公表が支持されたわけではない。なぜなら、東京電力は根拠となる証拠のデータを公表することなく、ただ「言葉」だけのお知らせ、科学とは全く無縁な広報と見られるからである。
遠い西ヨーロッパの科学者の間の議論に任せ、災害の発信地である日本に信頼できるデータに基づく研究論文が見つからないのは、恥ずかしいばかりではなく、日本の科学音痴の権力構造の恐ろしさを垣間見たような気がする。言い過ぎであろうか。
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