子供の甲状腺被曝 誤差が大きいからと内部線量被曝を推計するのは乱暴と斑目安全委員長 委員長判断で現実に被曝している子供の被曝が消滅するのか
自然科学や医学教育を受けたものならば、測定データに誤差が大きいからと事実が無かったことにするような発想は無い。測定値には常に誤差が伴い誤差を評価したうえで正しい答えを推定する手段そのものが自然科学である。推計値は誤差の範囲を明確にして発表すべきである。
何度もこのブログに書いているが、現実の事実の推移は、証拠が確認できなければ犯罪(事実)が無かったこととなる弁護士社会とは違う。
アメリカの友人から3月、福島原発災害が世界に報じられた直後、電話でヨウ素のタブレットを飲んだかと聞かれたことがある。アメリカでは放射能テロを警戒して一般人でもヨウ素剤を備蓄したり、予防処置の知識を持っている人が多い。日本では行政が被曝データが不明だからと服用を禁止た様だ。
ヨウ素剤の予防効果は、放射性ヨウ素131が甲状腺に取り込まれる前に放射能を持たないヨウ素で飽和させておくことであり、放射性ヨウ素を吸入してからでは遅い。予防効果は、被曝24時間前で70%、被曝直前90%、被曝6時間後では防止できないと云われている。
いずれにしても、ヨウ素剤は予防効果を期待するもので、データが無い、東京電力がデータを発表しない状態であったからこそ予防に意味がある。原発からヨウ素131の放出が無いとの信頼出来る情報がある場合に限ってヨウ素剤の摂取禁止処置が行われるべきで、データが確認できないからとの理由は論理的に間違っていることは明らかだ。
今回の政府・行政で目立ったことは、データが不正確だから不安やパニックを防止するためという言い訳を盾にして情報を隠したことである。
それが結果として取り返しのつかない手遅れになっている。政府・行政の管理職層より、日本の一般人には、科学的・医学的水準の高い人は広く分布していて、これらの人たちの現場の判断で自由に対策を行うことの方がどれだけ有効であったか、残念である。
何もしないことで時間は止まってくれるわけでなく、事実は進行する。なにもしないことで免罪符になるわけでない、何もしないことは失政と同義語であることを行政は認識すべきである。
蛇足だが、今回の災害で政府の巧妙な言論・行動の統制の恐ろしい背景をみたような気がする。
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