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韓国地方選挙での与党惨敗の一つの理由

2010/06/04

通常戦争の危機に当面したとき、権力を行使できる与党が有利になるのが常識で、選挙に危うくなったとき、延命のため国家の危機をでっちあげ非常時状態を作り、権力の継続を図ることが歴史的に無かったとは言えないだろう。

今回の韓国の選挙ではその常識が破られた様に見える。その理由は分からないが、韓国市民のテレビインタビューで思い当たることを見た。一つは徴兵年齢の若者の発言、「徴兵制が引かれ戦争なんかに関わりたくない」。青年の親の世代と思われる人は「息子を兵隊など取られたくない(教育に大きな犠牲を払って育てた)」これは愛国心の欠如と非難する人もいるだろう、しかし日本でもおそらく同じ状況になろう。

徴兵制と云うと、国家の危機に際し適齢期の国民全員が自働的に召集されると思う人がいるかもしれないが、私の知る限り、世界の先進国で戸籍制度があり官憲が住民の個人情報を把握し利用出来る制度を持っているのは日本と韓国だけである。戸籍制度の無い国では、徴兵は登録制であり登録した中から選ばれる。(韓国の徴兵制度は知らないが)

ベトナム戦争が激化した1967-69年、アメリカの大学院生は異常な高率で結婚をし子供がいて、勉強しながら少ないハーフタイムのアシスタントの給料で生活していた。また、独身の場合、大学を卒業し大学院登録資格を取る間、大学院ではマスターから博士課程に進む過渡期、この時が徴兵される危機であった。これは、子育て中か、高度の教育を受ける資格を獲得したものは徴兵される恐れが無かったからである。徴兵は登録制で、登録をしなければ徴兵されないが、連邦政府機関の就職や連邦政府の奨学金などを受けることができない(Wikipedia)など、連邦政府関係に限らず、一般的に社会人として必要な資格が得られない。これは大きなペナルティーある。

結果的に、徴兵を合法的に避けるには、当時、高度の教育を受ける資格を節目節目で継続して得る(奨学金を獲得している)ことである。言いかえれば、アメリカにとって戦場に出すには惜しい貴重な人材との評価を受けていなければ徴兵されるということである。逆にいえば、志願した人たちは別として、自分の意志に反し徴兵された人たちは、言葉が悪いが、「取り柄のない凡人」と云うことになる。ビル・クリントンやジョージ・W・ブッシュ前大統領も、不当な兵役逃れの手段を行使したとの疑いで非難を受けたことがある。

当時、大学院生の研究指導に当たっていたので徴兵適齢期の若者の気の毒な状況が実感でき、韓国のテレインタビューを受けていた若者の発言も理解できる。

アメリカでは朝鮮戦争の時までは兵役の義務を終えたものは社会的な優遇制度があり、担当した大学院生にも、海軍の無線技術兵であった年配の学生がいた。しかし、ベトナム戦争が終わった時の帰還兵の評価は、徴兵を免れることの出来なかった無能な若者と言うのが社会的風潮であったように思う。この後遺症は10年以上もアメリカ社会に悪影響を残したように思う。以上は私の偏見かもしれないが。

1967年、韓国で兵役を終えてアメリカの大学院生として留学し、後にアメリカに永住した人や、1990年代、韓国の南極観測施設で韓国の一流大学の大学院生と研究したことがあるが、当時は大学院生は兵役免除であった様に思う。国際環境の移り変わりに翻弄される若者のニュースである。

これを書いている時 菅直人氏が次期総理大臣として選出された。

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