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高速道路逆走と高齢者 安易な思い込み

2009/03/16

日本人で、70歳を超えても自動車先進国の欧米で問題なく自動車運転をしている老人がそれほど珍しくない事実を知ってほしい。

道路公団と警察庁の発表として、高速道路逆走事件が年間900件ありそのうち65歳以上の高齢者が47%に及ぶという新聞記事。これだけ見ると高齢者運転が非常に危険であるようにみえる。事実の記録だからそのとおりと云う見方もあるが、高速道路利用者の利用状況、トラックやバスなどの職業運転者、営業活動などで同じ高速道を頻繁に利用している利用者、これは年齢的に見ればほとんどが現職中の64歳以下であろう。このような人たちがが逆走したとすればおそらく泥酔運転か何らかの病気による発作であろう。

この発表された記録は、たまにしか高速道を利用しないか、旅行などで初めての道路、すなわち高速道利用者のうち、非日常的な運転者だけを選び出して年齢区分した統計ではなさそうだ。このようなおおざっぱな記録からでは直ちに高齢者が極端に逆行する危険運転者だと云う論理的結論は得られない。もちろん、このデータそのものを否定するわけではないが、高齢者特有の現象だろうか? 現在の高齢者は、若いころには高速道路が無かったことが多いことも原因の一つで、今後急速に減少するであろう。確かに、65歳以上の運転者を高速道から締め出せば50%ほど逆走事件は減ると云う幼稚な考えは浮かぶが、これが社会的に責任ある道路管理者の知的レベルとは思いたくない。マスメディアはこの点を突っ込んで記事にすべきではないか。

発表では、逆走が起こり易い場所を図示した説明があるが、このことが分かっていれば、それを防止する標識や道路構造を工夫するのが道路公団や、警察庁など道路管理者の仕事であり、利用者のせいにするのは本末転倒であることに気がつかないのだろうか。分かりにくい道路標識が事故を誘発することに責任を感じていないような気がする。事故はすべて運転者の責任として処理され、道路管理者の責任が問われるニュースを見た事がない。DSC00174M

自分のことを例にするのは気が引けるが、2007年夏、74歳のとき、7月から8月にかけて3週間余り、アメリカのニューヨーク・ケネディー空港(JFK)でレンターカーを借り、北上してニューイングランド地方を旅行し、無事JFKに戻って車を返却した。使用した総走行距離は 2042マイル(3270km)であった。これは私の日本での年間走行距離の半分に当たる。当然道に迷って遠回りしたり、戻ったことは幾度もあるが、初めての道では当たりまえのことであり、あせらず安全に注意して行動し、危険に遭遇したことはない。ニューヨーク空港周辺の高速道路は網の目のように錯綜し東京周辺の比ではない。北部諸州からの主要道路が集まってきていたり、ロングアイランドからの通勤や、ビジネス利用などの増加で増設したと思われる不規則に並行したり交差した道路などがある。だからと云って私がこの道路を利用したのは特別な行為ではなく、普通の健康状態ならば、高齢であろうと、言語の違う外国人であろうと関係無く利用できる。このような道路行政が当然と思っている。

右の写真はその時の計算書である、25820-23778=2042mile 走行、カーナビ(GPS)借り賃 $10.95/日、各種保険計:$346.85、 総額:$1884.83 :  といったところである。

もちろん、車体損傷等による請求は無い。

アメリカ・カナダでは、主要道路には合理的な規則による道路番号が割り振られていて、道路の入り口や交差点の案内標識は必ず道路番号と、東西南北の走行方向の表示が併記されている。道路番号は、その番号付けされた道路の始点と終点の位置が東西であれば偶数番号、南北であれば奇数番号で表され、たとば偶数番号の道路でEと表示されていれば東の方向に行く走行路線であることが分かる。方向はその場所での地理的な向きではなく、道路の行先方向を示している。これによって地図上で自分の目的地が、道路上で現在位置よりどちらに行けばよいのかが分れば。途中の主な町の名前を暗記しておかなくても良い。この道路標識法は、日本やヨーロッパでは一般化していない。

行き先地名標識の最大の欠点は、その地域に住み、あらかじめ道路標識に表示されている地名が分かっている場合には良いが、初めての場合、行き先のどの地名が表示されているか予測がつかないので、沿線の主な地名を暗記していなくては標識を見た瞬間に自分の目的とする方向が分からない。そのためヨーロッパでは反対方向の路線に入ってしまい、やむなく先のランプ(ramp)で出て、入り直したことが何度もある。

道路標識は、運転者に必要な情報を直観的に誤りなく伝えることが大切で、道路公団の名前だけで道路番号もなく、行き先表示も標識を見るまでどの都市の名前が書かれているかも予測出来ない、これでは、かえって事故を誘発することもあるように思う。

これだけ自動車専用道路が完備されてきているのに、最も重要な、合理的な方式で定められた道路番号が無く、道路公団名しかないのは不合理である。たとえば、新潟県を走っていると、信越、上越、関越 などチラッと見た印象はどれも同じで混乱をするのは私だけであろうか。たとえば、日本を南北に走る、山陽、名神、東名等は通し番号とし、東北、常磐、北陸道なども含め2桁の偶数表示にする、日本海と太平洋を結ぶ道路は2桁の奇数表示とし、ランプには道路番号と東西南北の行き先表示をすると云ったことだけでも出来ないものか。

こんな状況でも、日本の自動車事故率は世界の先進国並みであることを考えると、道路管理者は、運転者に圧力をかけることばかり考えず、合理的な道路行政を実施してほしい。

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  1. 不明 のアバター
    一馬 permalink
    2009/05/12 14:11

    あのさ、アメリカとかカナダってのは新しく開発したところだから番号化とか簡単なんですよ。日本でそれやったら番号・記号だらけでそれこそ暗号文ですよ。一般化しないのには一般化しないなりの理由があるわけです(もう何度も検討された事項だし)。それに構造でいえば日本ではトランペット型ですが、ここでは完全に合流部でUターンするケースが多く、実は構造的物理的な“仕掛け”にも限界があります。65歳以上の高齢者が47%というのは逆走=高齢者とはなりえないのは当たり前ですね。それを当たり前としない報道もどうかと思うし、それをそうとらえてしまっている人がいたとしたらそれは大変なことです。2009年にもなって道路公団と呼んでいるのも面白いが。それは本質ではない。

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