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高齢者の運転事故死激増のうそ

2007/03/05

「平成18年中の交通事故発生状況について」 と題した警察庁交通局のレポートを見た。     http://www.npa.go.jp/toukei/koutuu41/20070228.pdf

これによると、免許保有者10万人当たりの年齢層別事故件数は70歳以上の高齢者の事故も他の年齢層と変わりない。 16-24歳の若年層の約半分である。(グラフ・年齢層別免許保有者10万人当たりの事故件数参照)

死亡事故だけに限ると、高齢者の事故が多いように見える。(グラフ・免許保有者10万人当たりの年齢層別死亡事故の件数参照) しかし、事故に遭遇したとき高齢者は、同程度の事故でも他の年齢層と比べて死亡につながりやすいと言う統計結果が、アメリカのNHTSの分析で分かっている。この事実は、警察庁のこのレポートでも確認している。

死亡事故率の一番小さい40-49歳層を基準にして事故当たりの死亡確率比を出してみると、(グラフ・事故における年齢層別致死率の比較)に見られるように65歳までは各年齢層ともほぼ一定であるのに高齢者は2倍程度高いことが分かる。 この効果を差し引くと、死亡事故の件数においても、高齢者の起こす事故率は30歳以上の年齢層と殆ど変わらないことが分かる。

次に、参考として、世界で事故率が一番低いイギリスの事故死者数と比べてみた。(グラフ・日本とイギリスの年齢別免許保有者10万人当たりの事故死者数の比較)。 年齢層の区分が異なるので各層の中央年齢点でプロットした。これで見ると日本は世界で1,2を争う安全運転の国であることが分かる。 特に、若年層の事故率がどの国よりも少ないことに注目すべきである。 このように、メディアや、行政サイドで一般に云われている認識が根拠の無いことが分かる。

 高齢者は、運動機能や、視覚など肉体機能が衰えていることは医学的に正しいが、それが事故率に現れないのはなぜか、それは、経験から来る危険予測の能力であるとともに、日本の道路交通のシステムが成熟した結果であると思う。

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