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研究論文 「高齢者に対する車と衝突要因の効果」 を読んで

2006/12/12
Effect of vehicle and crash factors on older occupants  と題する論文を見つけた。
Journal of Safety Research  (2003)
www/nsc.org/issues/driving/JSR%20441-452.pdf
 
以前の多くの研究では、高齢運転に注目して、衝突原因の調査に含まれている高齢者の乗車人員全体の傷害の特性を見落としている場合が多い。
多くの交通安全の関係者は、どの統計結果を見ても高齢者の事故率が低いことを受け入れがたく納得しない。その要因として、高齢者は運転の頻度が少ないとか個人の年間運転距離が壮年層に比べて短いなどの理由を挙げる。
確かに、高齢者の年間走行距離は壮年層の半分弱ではあるが、1995年と2001年と比べた場合、25-44歳の壮年層では平均一人当たりの年間走行距離は変わらないが、75歳以上の層では20%も増加しているにもかかわらず、この6年間に高齢者の事故率は減少している。
 
そこで、この論文では
1. 個人当たりの年間走行距離の年齢別、年次別の変化。
2. 年齢グループ別の衝突事故原因の違い。
3. 死亡事故に関する年齢と衝突形態の関係。
4. 重大な傷害に関する年齢と衝突形態の関係。
5. 同乗者の年齢、速度増加率と障害、運転車種の違い、さまざまな衝突モードと障害との関係。
 
以上の要因の注意深い分析から出した結論として、
 
高齢の免許所有者の衝突に巻き込まれる確率は、どの年齢グループに比べても小さい。
衝突形態の関係では、側面衝突の場合、高齢者の乗車人員の死亡率は壮年層に比べ明らかに大きい。
軽量乗用車の死傷率はバンなどに比べ、同程度の衝突で高く、高齢者は軽量乗用車に乗っている比率が高い。
これが原因して、統計上は75歳以上の死亡率の上昇が見られる。
 
今後の安全研究の目標は、
安全運転の面では、高齢者の右折(左折)や交差点における操縦誘導などに注目して、側面衝突を減らす工夫。
技術面では、側面衝突に関する乗車人員の安全性向上ための安全装備の開発と装着。 
と云えよう。
 
アメリカでは州によって異なるものの、左折(右折)信号のある交差点では、直進が赤の停止の状態から緑に変わる前に、左折(右折)の矢印信号に変わり、針路変更車を先に通す。この方が明らかに安全である。
日本の直進優先方式では、信号が右折に変わったとき、無理に通り抜けようと速度を上げて突っ込んでくる対向車を警戒しなければならないのは誰でも経験することである。
 
日本では、高齢者は軽自動車に乗っている割合が高いので高齢者の危険率がより高いと思われる。
 
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