再び高齢者の運転事故について思う
2006/12/11
今朝もテレビショーで高齢者の運転事故についてやっていた。
高齢になれば身体的機能が衰えてくるのは医学的に正しいが、相変わらず、それが事故に結びつくという社会認識は誤っている。
少し前まで、人権思想の薄弱であった頃、色盲や手足の不自由な人に一律に運転免許証は出なかった。それと同じように高齢者は運動機能が衰えているから危険であるという発想だろう。
12月3日のブログに書いたように、日本の高齢者の事故死率(10万人当たり数)は、1995年から2002年の間に高齢者層では40%も減少している。それに比べ、25歳から44歳の層の減少率は10%程度である。これはWHOが統計学的に推定した結果に基づくもので、根拠になるデータは日本のものである。数字を科学的に分析しないでする直感的判断は誤りであることが分かる。欧米の高齢者層は決して危険運転者でないことは統計的にはっきりしている事実である。
今朝の特集も、アクセルとブレーキの踏み間違いが原因する事故のついて、高齢者の事例を挙げて、さも高齢者の特徴のように表示していたが、おそらく高齢者でなくてもその種の原因による事故は発生していると思われ、それと比較しなければ事故防止には役立たない。
昨日の事故の例は、駐車場で車止めのブロックの間をすり抜てしまったのであわてて踏み間違えたとのことであるが、どうして殆どの駐車場の車止めが飛び飛びになっているのかいつも不審に思う。隙間無く連ねておけばすり抜けることは無い。ちょっとした配慮である。
また、駐車場に後ろ向きに止めるのは日本だけのように思う。欧米の自動車先進国では前向き駐車が普通である。確かに、後ろ向き駐車の方が狭い空間に止められるが、駐車場が狭いのはヨーロッパでも同じである。このように、日本では安全とは無関係なことにに技術的負担が大きい。
欧米で運転していていつも感じることは、運転ミスがあっても事故を小さくする配慮が道路の構造面でも、運転者間でも見えることである。事故の悲劇は加害者・被害者共に同様であるという認識が大切であり、善悪ではない。これが身体的機能の弱った高齢者層の死亡事故を減らしているのではなかろうか。
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