COVID-19 感染確認者数と死亡者数との時系列 日にちずらし相互相関係数から死亡に至る日数と死亡率を求める
下のグラフは、感染確認者数と感染死亡者数の日ごと集計値からそれぞれ1週間移動平均を求め期間中央の日付で描いたものである。当然のことながら、死亡者の時系列は感染確認系列より遅れて推移している。死亡者数は右スケールで拡大して表していることに注意。

死亡者数の推移が何日前の感染確認者数推移と一致するかを両曲線の日ずらし相互相関係数の変化から求めた。下のグラフはその相関係数の日差による変化を表したもので、死亡日の19日前の感染者推移との相関係数が最大値であった。ただ相関係数の最大値が0.78であり又その前後の係数の減衰も緩やかで統計的にはあまり良い一致とは言えない。

この日差で感染確認数の日付を移動して死者推移曲線に重ねて描いたものが下図である。視覚的には、両曲線はかなり良い一致を示している。死亡者数は右スケールで感染者数の100分の一以下であることに注意。

さらに、この詳細を各感染拡大期の次数毎に求めたものが下の組みグラフである。この場合は各相関係数の最大値は何れも0.9以上で感染から死亡までの日差はほぼ正しいと見られる。また、この間の平均死亡率も信頼できよう。

第7次、オミクロンBA.5と云われる感染はまだ収束は見られないが、上昇期では感染力は強いものの死亡率は少ないと予想される。

以上全期間及び大7次までの纏め。
全期間の感染確認数と死亡者数推移曲線の移動相関係数の最大値は0.8程度であった。
第1次感染では感染確認数と死亡者数変遷の相関係数が悪く初期の確認業務の混乱期と関係があるかも知れない。
第2次以降第6次までは相関係数は0.9以上で統計情報として信頼できると思われる。それによると、感染確認者の死亡までの日数は後期に行くにしたがい短くなり、死亡率も小さくなる傾向が見られる。それを纏めて下の表に示した。
特長は、第5次以降の死亡率が激減していることが分かる。大7次・オミクロンBA.5は暫定値である。
使用したデータベースはNHKの日ごと発表値で、1週間移動平均値を平均日区間の中央の日付で表したもである。
政府は感染確認方式を変更する様だが、データの科学的継続性をそこなわない様に。
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