COVID-19 真の感染者数と感染確認者数
2022/08/16
日本のメディア(日本に限らず)日々に発表される感染確認者集計値をあたかもその日の感染者数と間違えるような書式で報道する。日々発表される集計値は、感染確認の当日のものだけでなく、前日あるいはその前の集計遅れの修正値が含まれる事務的集計値と思われるがその内訳は分からない。
科学者(疫学研究者)は感染者の本当の数とその時系列をどのように求めるかに苦心している。その一例を下記の記事で見てみよう。
COVID-19の疫学的モデルが真の感染数の推定にどのように役立つか – データにおける私たちの世界 (ourworldindata.org)

- インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)
- Institute for Health Metrics and Evaluation(IHME)
- ヨウヤン・グー (YYG)
- The London School of Hygiene & Tropical Medicine (LSHTM)
下のグラフは日本のオミクロン感染状況のICL及びHMEモデルにによる推定値と確認値の関係を示したもので、推定値に比べ感染確認者数が少ないことが分かる。BA.5変異感染と見られる推定はこの適用外と見られる。

日本のオミクロン確認数と推定誤差範囲。

COVID-19全期にわたる推定値。

COVID発生当初に発表された各研究機関による日本の予測結果。理由は分からないが2020年末以降はICLとIHMEを除いて他の機関の発表が中止された。

以上の例でも見るように、COVID-19の正しい感染データが得られないことが疫学研究を進める上での最大の障壁である。
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