COVID-19 ワクチン接種率増加は死亡率を低下させる 感染者再生産率の増加は感染力の強い変異株のまん延を示唆する
OWDのデータベースから、世界でワクチン接種率の最も高いといわれるイスラエルの場合について、感染再生産率(左)と死亡率(右)について描いたグラフである。
横軸はワクチン接種完了者率%、縦軸は再生産者率と人口百万人当たりの死亡者数である。
左グラフで60%付近の再生産者率再急昇が見られるのは注意して確認することが必要であろう。右の死亡者数については接種率15%程度以上で順調に減少していることを示している。
以下比較のためすべてのグラフについて両軸とも同スケールで示した。

COVID-19感染対策について大きく異なったアメリカとイギリスについて示したものが下の2段のグラフである。
何れも50%程度のワクチン接種完了者率では、感染者の増減の要因である再生産者率の低下は見られない、ワクチンによる集団免疫効果が見られないばかりではなく、イギリスでは増加している。一方、死亡者数は接種5%以上で確実に減少している。ただイギリスの減少はワクチン以外の要因であろうことが推定される。

下の2段のグラフは、日本と韓国の場合で、ワクチンの接種率が欧米に比べ少ないにもかかわらず死亡者数は極端に少ない。

下の5段は西ヨーロッパ各国の場合で、ある程度共通した変化が見られる。
感染再生産率についてはワクチン達成率が25%ほどになるまでは減少が見られるが、それ以後増加に転じている、これは変異株(デルタ以降)の感染力の強いビールスのまん延による効果ともみられる。
死亡者数については、何れの国でも共通してワクチン接種率の増加他共に減少している。

以上の様に、公表された限られたデータの統計からは、ワクチンの効果は、感染者の死亡(重症)になるのを防ぐ効果は確かのように見える。ただワクチン達成率50%程度では集団免疫の効果は見られていないと言ってよいだろう。
感染再生産率で見ると、感染力の強い変異株のまん延が世界に広がりつつあるとみられる。
ただし、再度強調したいのは、現行のワクチンは死亡(重症)を防ぐ効果は間違いなくあることである。
追加: 7月13日グラフなどの修正をしました。