COVID-19 (新型コロナウィルス) 確認感染者数の極端な違い 日本とドイツ
今回の感染対策について、政権安定主導型の国と、自然科学の証拠に基づいた対策に重点が置かれた違いが顕著に見られた事例。日本のとドイツ。
日本では、国内での感染発病者が見られた初期から、確認感染者の特定(PCR検査等)を強力に制限し、感染国からの入国者やそれらとの密接関係者で発症が見られる人に限って行はれた。ドイツでは、感染確認が可能な限り多く行われ、未発症の感染者の発見に努め、感染防止策の基礎とされた。
死亡者数の発表については、政策的にある程度工作がされたとしても、例年の統計的病死者数の季節的変化から大きくかけ離れた(余剰死者数)を隠ことは難しい、その検証を行えばある程度の正確さがつかめる。今のところ日本での死亡者数の爆発的増加は見られていない。
下の二つのグラフは、日本とドイツの亡率から推定したCOVID-19感染者数と社会的確認感染者数を描いたものである。

上図の日本の場合、確認感染者数と死亡者数から求めた推定感染者数に大きな開きが見られる。

ドイツの場合には、両者の違いはほとんど見られない。これは確認感染者検出作業が社会全体について合理的に行はれた証拠ではないだろうか。
死亡者が現れるのは感染からの遅れがあり、同日で比較するのは間違いである。上の二つの国の場合、この日差を補正して求めた結果である。
世界のCOVID-19禍
2020/06/15
4月10日頃までの第一次感染暴発初期においては、確認感染者は発熱などの症例により発見される割合が多いとみられ、上昇率は死亡の増加率とかなり良く一致する。したがって、この期間で死亡の遅れを補正して最もよく一致する死亡率を求め、推定感染者数にはその平均値、日本では3%、ドイツでは4.8%を用いた。
結果は、一般に指摘されている日本の感染者確認作業が大きく制限されていたことを示している。それに比べ、ドイツでは殆ど差異が見られず、正確に社会的感染確認の把握が行われていたことが分かる。
この二ヶ国の社会政策選定が正しかったかどうかは別として、結果として医療崩壊が見られず死亡者が少なくて済んだことは明らかである。
疑問は、第一次暴発は両国ともこれで収まったが、感染による抗体保有者が少なく、有効なワクチンの未開発な現在、社会活動復活で相互感染による第二次以降のSARS-CoV-2保有者が増加すると思われる現在、今後どう進行するのか? 疫学的可能性について知りたい。