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イギリスにおける交通事故の年齢層別・交通手段別の分析

2020/01/29

この分析で用いたデータベース

Department for Transport statistics
Reported Road Casualties Great Britain Annual Report 2018
RAS30024
Reported casualties by age band, road user type and severity, Great Britain, 2018

下図は2018年におけるイギリスの事故死傷者数を表したもので、エラーバーは標準偏差である。何れの交通手段でも死傷事故者数はほぼ年齢とともに減少していることが分かる。

これに対し、死亡者数に限って見ると主要な交通手段、乗用車運転、乗用車同乗中、歩行は60-69歳層以上で増加する。

これは、死傷事故に対する致死率の年齢依存性が原因であり、高齢者の交通事故件数が増加するわけではない。

下のグラフは致死率(死者数÷死傷者数=脆弱率)について年齢層別に比べたもので、致死率は20歳~59歳の平均に比べ60歳以上で何れの交通手段でも増加していることが分かる。歩行や自転車は致死率が高く、それに比べ乗用車では低い。乗用車利用では、運転者・同乗者の何れでも致死率はほぼ変わらなく最も安全な交通手段といえる。

高齢になるのに従い交通事故死の危険性は増すが、乗用車利用が運転・同乗に関わらずより安全な交通手段であることが分かる。

この結果から導き出せることは、総合的な交通安全には、高齢者の乗用車利用を出来るだけ妨げない信号システム、標識、道路構造や乗用車の安全装備などを充実し、高齢者の運転欠陥を補う安全設備を充実すべきであり、高齢者の運転の欠陥を指摘し、運転を制限する制度は間違いであることを証明している。

警察庁はこのような詳細なデータを公表していないが、日本の限られたデータベースからでも私が今まで書いてきたブログ記事のように「高齢者の運転免許返上」キャンペーンは、根拠の無い間違いである。これは、返って歩行や自転車乗用中の人口とそれに伴う死亡事故者を増やす結果となる。高齢者の交通制限で効果を上げるためには、運転に限らず、自転車も歩行も、高齢者のすべての道路交通を禁止し、老人ホームに閉じ込めない限り実現できない。

高齢者の乗用車交通を罪悪化し、歩行や転車などで路上に放り出すことは、日本の総合交通事故を増やす結果になるだけである。

どう見ても日本の警察庁主導の交通政策は、世界の1990年代以前の認識で凍結されている「認知バイアス」が基本となっているとしか思えない。

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