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危険な高齢者道路歩行 冬季に際立って増加 自動車乗用中の4倍にも

2019/12/07

高齢者の交通安全(健康管理も含めて)は乗用車利用以外には無い。道路は運転技術を競う場ではなく、若い人と比べて高齢者の運転に欠陥があっても危険とは限らない。安全な車、安全な道路インフラと信号管理、効果のある道路標識。そして、高齢者の多くは自主的に、ラッシュや雨天、夜間等、困難な運転条件を避けることで安全を確保している現実を認識すべきである。

日本の現状を見てみよう

e-Stat 月次年齢層別交通形態別事故死者の表(2018年)から、75歳以上の歩行中と乗用車乗車中の死者の季節変化に注目し下のグラフにして示めした。

顕著な事実は、歩行者でははっきりと冬季上昇型のV字パターンに対し、乗車中では年間殆ど変わらない。しいて見れば冬季の方が低い傾向が見られる。

歩行中の死亡数は乗用中より大きく、年間平均では歩行中死者数は乗用中の約2.1倍、11月では3.7倍にもなる。残念ながら、警察庁のデータベースからは、歩行中の事故死が冬季に多い理由を分析できる情報は得られない。

しかし、高齢者の交通事故死は冬季では乗用中の4倍近くにもなっていることは重要である、これは道路が暗い夜間の長いことと関係がるとみてよいだろう。暗い道路での歩行がいかに危険か。この事実は、歩行の安全研究と道路の改善が必要であることを示す。

それに反し、顕著ではないが乗用車乗用中の事故死数が冬季に少なめであることは、高齢者が夜間の車利用を控えめにしているからではなかろうか。またラッシュ時、雨天や、雪等道路条件の悪い時の運転を控える自主規制が自発的に行われていることも考えられる。欧米のアンケート調査でこのことは証明済みである。

また、残念ながら警察庁のデータでは乗用中事故死者の数に、運転中と同乗中の区別をしていないのでわからないが、高齢者が冬季道路条件が悪い時車の運転を控えることがその理由ではないだろうか。

世界の常識では、高齢者には出来るだけ安全な乗用車利用を勧め、またその環境を整えることで、歩行を少なくすることが道路交通全体の死亡を減らすこととの認識は一致している。

日本の警察庁、メディアはどうしてか、高齢者の運転免許保有を困難にすることで道路交通が安全になるという迷信(認知バイアス)に取りつかれているとしか思えない。これは根拠がないばかりか返って交通事故全体を増加させることにしかならない。

日本では75歳上の高齢者では歩行が非常に危険であり、特に道路が暗い冬季の歩行の危険な実情をなぜか隠されている。

冬季、行中事故死亡率の上昇を乗車中と比べると、上図のように65歳から始まることが分かる。64歳以下では乗用車運転の人口が多くなるため歩行中死亡数は自動車乗用中より小さくなる。

このように、自動車交通が最も安全であり、社会全体で高齢者が出来るだけ長く運転して交通できるよう援助することである。電車やバスなど既成の公共交通機関は旅行の目的を達するためには必ず歩行が伴い安全とは言えない。バスや電車に乗車中だけの安全を持ち出すのはあまりにも現実離れした幼稚な認知能力である。

ここでは病院等医療機関のデータがないので出来ないが、歩行では冬や夏など過酷な外気の環境と、公共交通機関の車内などの気温変化により体調を崩すなど、公衆衛生上の問題でも自動車利用に比べて脆弱な高齢者では障害が大きい。

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