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正しい分析による高齢運転者の衝突事故リスク評価 70歳以上の死亡事故リスクは他の年齢層と同等である

2019/10/25

以下の論文から、高齢者にかかわる部分の分析結果だけを一部取り出し簡略に書いてみました。

新しい道路暴露量の方法論を使用した、ドライバーの年齢、性別、および時間帯によるクラッシュリスク

Crash risk by driver age, gender, and time of day using a new exposure methodology☆☆

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022437517307600

概要:ドライバーの年齢、性別、運転時刻が衝突の関与と死亡のリスクに及ぼす影響を評価しました。用いたデータは2002年から2012年までの期間の英国全国旅行調査から入手しました。

新しい道路暴露量で分析した要点の一部:

ドライバーの年齢層別では、新しい単独事故リスクは、下図のように、21〜29歳がピーク(女性30-39歳)、以後年齢とともに徐々に減少しました。年齢層毎の棒グラフ、男性左、女性右。

複数の車が関与する事故では、ピークは30-39歳です。

このように、高齢者は他の年齢に比べて衝突事故が多いのではなく、70歳以上で死亡リスクが多くなるのは衝撃に対する脆弱性のためであり、事故が多い結果ではありません。

考察

興味深いことに、私たちの分析では、高齢ドライバーの間では、クラッシュによる致命的な負傷を負うリスクは昼夕夜に関係なく一定であることが明らかになりました。下図

この理由は、高齢ドライバーが被る死亡事故リスクは、事故の多さではなく過度の脆弱性に起因することを示唆しています

低マイレージバイアス: 年齢に関係なく共通して見られる現象。

この影響は、「低マイレージバイアス」と呼ばれる理論的概念によると、高齢ドライバーの衝突リスクの上昇要因は、低交通暴露走行の結果である可能性があります。この推論によれば、最高年齢のドライバーも他の年齢範囲のドライバーと同じくらい安全であることを示唆します。

また、視覚障害または身体障害のあるドライバー等のリスクも、運転曝露を減らす傾向があるグループに含まれ、その効果の可能性があります。

結論

この研究では、最年少および最年長の運転者にとって、実際の衝突事故と致命的な負傷のリスクを過大評価していることを実証しました。

実効のあるリスクの推定値を改善するためには、真にリスクのあるドライバーと運転条件の特定の有意義な比較が不可欠であります。

交通安全の研究と政策には、ここで紹介したアプローチの様な、信頼できる事故リスクの推定値を提供できる新しい衝突モデリング手法の開発を促進することが期待されます。

また、高齢ドライバーに必要な対策は、負傷の重症度を軽減するために車載安全技術の改善に焦点を当てる必要があります。

以上

この論文は、分析方法の統計論的数式はもとより、記事の主要事項に関しインターネットで引用できる解説資料のURLを配したもので、ジャーナルのページ数は9ページですが、精読し完全に理解検証するには高度な能力と努力が必要である膨大な内容のものです。

ここに書いたのは私の乱暴な取り上げメモと考えています。

この論文は、日本の交通関連研究機関や大学の研究機関で精査し、日本の実情に適応する価値がある研究との実感を持ちました。また、このような論文が学会など組織に依存しなくても、インターネットで自由に無料で読める時代が到来したことと、その必要性を痛感ました。

日本の道路管理者も、それぞれの組織の責任逃れの認知バイアスからでなく、このような研究と取り組む能力と、事実に基づいた、科学的に正しい政策を行う義務があり、間違った言葉だけのキャンペーン(例えば高齢者運転免許返納)などは犯罪行為です。

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