事実は奇なり 高齢者の交通死亡リスクは短距離移動バイアスの見誤りか?
2019/10/18
高齢者は運転事故リスクが大きいのではなく、ローマイレージ効果(Low milage bias)現象を見誤っているのに過ぎない。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16426560
この事実は、車の運転ばかりでなく歩行や自転車交通でも見られることが示された。



図 1 および 2 は、信頼できるデータ品質を持つ国の死亡率を、サイクリングとウォーキングの 1 人当たりの平均年間暴露量に対してプロットしたものである。どちらの数値も、死亡率とアクティブな移動モードのレベルとの間に負の関連性がることを示唆している。
自転車王国と言われるオランダやデンマークでは一人当たりの走行距離が大きいにもかかわらず、移動距離当たりの死亡事故率は最低である。同様に、歩行者ではスイスやノールウェイが最低と見られる。
反対に、自転車や歩行利用が少ないイタリア、フランス、オーストリアでは移動距離当たりの死亡率が大きい。
事実は間違いないがその理由を説明できる根拠に必要なデータベースは無い。現在世界中の交通事故原因調査で、歩行や自転車など交通弱者側から見た原因解明に必要なデータが収集されていない。
総合的な交通事故対策では、目立つ事故に目を取られ“認知バイアス”「納得しやすい」説明にとらわれていないか、事実に基づいた原因解明には困難が多く、必要なデータの収集が重要な一例である。
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