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交通事故対策に公衆衛生の視点を 

2019/09/07

日本では交通事故は運転者個人の犯罪として扱われ、警察庁主導の交通安全対策が当然のよな交通警察国家といえよう。しかし、交通は健康生活に欠かせないもの、高齢者の増加に伴い道路交通需要が増えるのは当然である。この事実は、単に稀な高齢者運転事故(メディアのニュース頻度ではない)を排除するだけで社会全体が安全になるわけではなく、歩行者(自転車)の死傷事故が増加することになる。安全な自動車利用が出来る多数の高齢者を排除する交通政策は間違いである。これは、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリヤなどの自動車交通先進国では社会政策の基準となっている。

日本では稀な、独立系の研究財団(寄付による)と見られる研究者とのインタビュー記事を見た。ここでは私なりにその抜粋をしてみる。

交通事故による健康被害は公衆衛生学の対象の一つ

Posted: 2015/08/24 Author: 市川 政雄 (筑波大学医学医療系教授)

 公衆衛生学は人間の健康問題を集団レベルで捉える学問です。主に疫学と統計学を駆使しながら、健康問題の傾向や原因を解き明かしていき、それを効果的な対策に繋げていくことを目指しています。ですから当然、社会的に大きな問題となっている交通事故による健康被害=死亡や傷害もその対象となるわけです。 
 日本ではこの両者の関係があまり理解されていないようですが、欧米ではもはや言うまでもなく、大学をはじめ多くの機関で公衆衛生学の専門家が交通事故研究を行っています。WHO(世界保健機関)には、そのための部局も設けられているほどです。

「―なぜ日本では公衆衛生学による交通事故の研究についての理解が進まないのでしょうか?」

 交通事故は本来は他の疾病対策と同じように、集団レベルのデータに基づき、事故の傾向や原因を明らかにしていけば、それをもとに効果的な対策を講じることが可能となり、ひいては死傷者を減らすことができるはずなのですが、交通事故となると個々の事故がクローズアップされ、付け焼刃の対策に終わってしまうことが多々あるように思います。 

 先ず、交通事故対策には公衆衛生学的なアプローチも必要であるという認識が広がるよう願っています。交通事故対策において、公衆衛生学が注目するエンドポイントは人間の生死であり、それを集団レベルで定量化し、対策の効果測定を行います。こうしたアプローチは、交通事故が健康問題であるという認識を高めるものと思います。 

非公開になっている個別事故データの公開を

もう一つは、交通事故データの公益利用の促進です。今回の研究では個別データが入手できず、限られた分析しかできませんでしたが、欧米では個別データに基づき、より詳細な分析が長年行われています。より良い安全対策を実現するためにも、そのような研究基盤を一刻も早く整備すべきだと、今回の研究を通して改めて感じました。

【研究代表者】 
筑波大学医学医療系 教授 
市川政雄

 「通学時の交通事故の時系列分析に基づく通学路の交通安全対策の提案」概要
  http://www.takatafound.or.jp/support/interview/detail.php?id=33

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