飛行機事故原因調査とあまりにもかけ離れた自動車事故調査 高齢者といえばアクセルとブレーキの踏み違いで決着 航空機死者数とは比べ物にならない年間死亡者の多い道路交通事故しかし 科学的調査は無く思い込みで判断
ここ連日、高齢者運転者の過酷な自動車事故のニュース。データの証拠なしに、アクセルとブレーキ踏み間違いと決めつけたメディアの記事、最近の車は飛行機のフライトレコーダ(ブラックボックス)に似た走行中の各種データの取り出し装置が義務化されている(市販のドライブレコーダーではない)。このデータは、安価なブルートゥースデバイスからスマートホーンにcsvファイルとして記録することができる。下にその記録の一例を示す。これは走行中、3秒毎に記録された各種データの内、アクセル踏み込み率、エンジン出力を示スロットル開口率及び走行速度の関係をグラフに描いたものである。
自動巡行速度設定中(60km/h設定時)グラフの前半ではアクセルペダルペダルを踏み込む必要がなく足をペダルから離しての走行中の場合で、スロットルが自動的に開閉し走行速度を設定値に保っていることが分かる。ブレーキを踏むことで自動設定が外れ速度を落とすことが出来る。後半の35km/h以下ではアクセルを踏んで加速、惰行走行で減速、ブレーキで停止など旧来の人的運転の走行状態を示す。

走行中先行車がいれば、車速に応じて自動的に車間時間(2秒ないし5秒)を保って走行する、したがって追突のする心配はない。走行速度80km/h以下であれば前方に歩行者や自転車など又は障害物を検知すれば自動で急ブレーキが働き停止動作をする。
上記は、現在すでに市販されている乗用車の安全設備の実例で、オプション価格20万円以下で装備できる。
ブレーキとアクセルの踏み違いは高齢者に限ったことではなく、こんな危険な車が容認されていること自体が罪悪であろう。
上記のデータは、ビジョンゼロの発祥地(人間が運転する以上事故を皆無にできないという科学的事実に基づいた安全認識)スウェーデンのボルボ2013 V40 T4 セーフティーパッケージ付きの車の市販車の場合である。この車はさらに歩行者保護用のエアーバッグも装備している。OBD2で記録されたエクセルファイルの一例を示す。

21日神戸市のバス事故のメディア記事を見ての補足。
アクセルを踏みこみ続けたか、アクセルは踏んでいないがスロットルが開いたままなのか、その他の電子制御装置または制御プログラムの誤りによる誤動作でエンジンが暴走したか?電波雑音の妨害などこの種の原因の専門の事故調査専門機関が無い日本の現状は、事故現場での聞き込み調査、運転手の年齢・持病など警官の思い込み、証拠は ブレーキ痕や 防犯カメラ、偶然撮られた動画などの取集だけ。これは、運転者の過失を起訴するための事故調査であり事故原因調査にはなっていないことを実感した。また、運転者の病歴など事故の因果関係が医学的に根拠不明のまま公表するなど、重大な人権侵害。警察やメディア、先進社会ではありえない未熟さを露呈している。
現代の電子制御装置の装備された車、運転者の過失を回避するための安産装備や航空機と同様の運転データ記録装置(ブラックボックス)を義務付けることは容易であり、コストも低価格の車両価格の十分の一以下で出来るはず。事故防止や車両の欠陥の調査には欠かせない。