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交通事故の死者数対死傷者数比の国際比較

2018/08/24

日本は欧米諸国に比べ自動車の走行制限速度の設定が遅く、そのため死亡事故が少ないが人身事故全体は多いのではないかとの指摘がある。そこで、下記のデーターベースから事故死者数に対する死傷事故の全体数との割合を調べてみた。このデータは歩行者など交通事故全体のである。

OECDの 世界の多数のデータベースからデータを検索し抽出することができる入口

https://stats.oecd.org/index.aspx

このデータベースは各種の表をcsv形式でダウンロード出来、Excelファイルに変換して各種統計処理に利用できるよう配慮されたものである。もちろん無料です。

道路交通項目の中から、事故による死傷者数と死者数の表から死亡者数/死傷者数の割合(%)を算出し比べてみました。

下のグラフは、その結果を,主な自動車交通先進国を選んで描いたものです。

これで見ると日本は死亡事故率は一番少ない、死者数に比べ傷害事故数が多いことは確かだが、これが車の実勢走行速度が遅いことだけに原因するとは思えない。一般道路での運転速度の速い西ヨーロッパ諸国と比べてそれほど変わらない。ドイツ、イギリス、オーストリアと比べてその違いは0.3%程度である。これらの国に比べ日本は歩行者が多いにもかかわらずである。注:最初の投稿のグラフはデータのとり方を間違えていたので訂正しました*。

グラフ中,暗赤色のバーは私の運転経験のある国々である。この様子は私の実感とあまり変わらない。

日本は、一般道路での高齢者の歩行や自転車が多く、これらはヨーロッパではまり見られない情景で、この人たちの死亡事故を減らすには制限速度を30km/h以下に設定しなければ効果が現れない研究データがあり**、日本の現状の市街地の制限速度(40~50km/h)では歩行者の事故死亡率を下げる唯一の条件ではないように見られる。いずれにしても交通事故はいろいろな条件が重なった結果で起こるもので、科学的データの集積による多変量解析の結果を踏まえた対策でなければ効果を生まない。

見方を変えれば、日本の運転者は成熟した穏やかな良識の持ち主であり、日本の運転者の運転マナーが悪いという警察庁や地方公安委員会により宣伝された根拠の無い常識?は当たらないともいえる。

* ゆずれ標識は譲れない・・・さんのご指摘により訂正しました twitter.com/raelian_masa

** The estimates in Figure 2.1 are corroborated by other research indicating (Rosen et al 2009, Kröyer et al., 2014) that the death risk is about 4-5 times higher in collisions between a car and a pedestrian at 50 km/h compared to the same type of collisions at 30 km/h. Considering this, there is a strong recommendation to reduce speed in urban areas. More than 50 km/h is not acceptable in situations where motorised vehicles and vulnerable road users have to mix and share the same space. In those cases, e.g. in residential areas, a limit of 30 km/h is to be preferred.

https://www.itf-oecd.org/sites/default/files/docs/speed-crash-risk.pdf

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