医薬品の市販後安全性報告の極端に少ない日本
2018/08/07
下のグラフはある製薬会社が、市販後の血液抗凝固薬について、血栓原不明の脳梗塞症を対象に安全情報として独立行政法人医薬品医療機器総合機構に報告した未知重篤の副作用症例報告リストの国別報告数を描いたものである。
驚くことに日本はこの700例余りの報告の中でたった1例しか報告していない。下のリストは報告例の一部である。
この薬剤の報告された症例のほとんどは高齢者であり、日本は世界で超高齢者国、この種の薬剤の処方数は世界的に見て多いはずである。ここに示したのはほんの一例であるが、各種薬剤の治験資料でもほぼ同様である。
その理由を医師に聞くと、日本では医師の診療負担が重く、症例報告を書く余裕がないとのこと。
しかし、これほど極端で異常な現状を厚生労働省医薬局が放置しているのは不思議でならない。
日本では、新薬の認可が先進国に比べ多くの場合数年遅れていることに関連して、その理由が認可に必要な治験の報告数が集まらないと聞いたことがある。
とても医療先進国とは言えない状況はどうしてだろう。
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