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内閣府の「高齢者に係る交通事故防止」を見ての疑問 高齢者の運転欠陥を暴く事では事故抑止に役立たない 歩行や自転車の死亡事故削減政策こそ緊急の課題であろう

2018/02/26

高齢者を取り巻く現状 平成29年交通安全白書(全文)

特集 「高齢者に係る交通事故防止」 内閣府 を読んで。

http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h29kou_haku/zenbun/genkyo/feature/feature_01.html

政府の政策立案には総合的な事実の把握が前程となるべきだが、この白書では高齢者運転の欠陥だけにとらわれて示された根拠は誤っている。

また、事故はすべて法令違反の結果とし、道路利用者の個人の責任にしたい行政の広報のように見える。

以下にこれらの間違いの例の実証を試みた。

記載方法として、内閣府の資料グラフを左列に、右列に対応する実勢の証拠となるデータ分析値を並べた組グラフにして表示した。

● 高齢者は交通被害者

左側のグラフは人口10万人に対する交通事故死者数で、これは、65歳未満と65歳以上の人口が同じとした仮想的な場合で、現実にはそんなことはありえない。ただ、高齢者は交通事故の死亡被害者になりやすいことを表しているだけである。右側のグラフは実際の事故死者数で描いたものでこれが日本の実情を表したグラフである。両グラフは明らかに反対の結果を示している。

● 高齢運転者は危険運転者ではない証拠

左のグラフは運転者の責任が重い第一当事者の類型別の構成率で、両グループの死亡事故件数をそれぞれ100%ととした仮想的指数である。このグラフは運転特性の違いを示す資料となるかもしれないが危険運転の証拠としては意味をなさない。右のグラフは同じ類型分類について年齢層別の現実の死亡事故件数で描いたもので、高齢者の責任事故件数はすべての項目で非常に少ない事がわかる。

同様に下のグラフでも。左側は本来比較すべきでない構成率で描いたもので。現実には右側のようにすべての項目で高齢者が第一当事者になった人的要因の件数は75歳未満層に比べて非常に少ない。

内閣府の資料として表示されている左列の上記二つのグラフは、総合的な交通安全の根拠とするには無関係なグラフで、高齢運転者の運転欠陥を印象付けようとする意図で描かれたものといえよう。

● 高齢運転者が第一当事者となった死亡事故件数は、高齢者の歩行+自転車乗用中の死亡者数に比べ四分の一以下である。

高齢者にとって主要な交通手段、歩行と自転車乗用中に遭遇した死亡者数と高齢運転者の第一当事者の死亡事故件数を描いたものが下のグラフである。高齢者の第一当事者事故件数より歩行+自転車事故死者数の方が明らかに多い。このグラフには高齢運転者の自損事故の原因による死亡も含まれているので加害死亡事故は更に少なくなるであろう。

以上、いずれも実勢の道路交通の死亡事故において高齢運転者が他の年齢層の運転者に比べ死亡事故に多く関与している証拠は見られない。この事実はは21世紀に入ったころから欧米の先進国では常識となっている。

● 高齢運転者の関与する死亡事故は自動車交通全体から見るとわずかである。高齢者から運転免許を奪い、より危険な歩行・自転車利用に移行させることは、かえって全体の交通事故死者を増やすことになる。この見解は今世紀に入って世界の自動車先進国では常識となっている。

● この白書で多用されている人口10万人に正規化したデータは、類似母集団での該当する項目相互の特性比較であって交通事故全体から見れば仮想的なものであり、交通災害全体に関する現実を見ているものではない事がわかる。

● 法令違反の判定は事故の刑事調査から得られたデータであり、大多数の人が好んで法令違反をしているわけではない。なぜ法令違反になったかの原因究明が事故原因究明でもある。この白書の例でも見られるように、法令の決まり方の根拠を見れば法令を守れば事故が皆無になると思うのは“妄想”といえよう。

適切な助言もなく高齢という理由だけで安全に運転出来る高齢者の運転免許放棄を奨励し、安全で身体的不負担の少ない乗用車運転を罪悪化し、高齢者の移動を伴う社会生活を奪うばかりか明らかに死亡被害事故が多い証拠のある歩行に移行させることは、高齢者の人権や生活の質、健康に悪影響を与えるばかりではない。高齢者の事故死に関与する運転者は、圧倒的に運転人口の多い有職運転者層である事を見落としている。さらに、日本の総合交通事故死全体を増加させる結果になることを含む。

この私の分析を読んで、「高齢者層は人口が少ないから当たり前」との声が聞こえそうであるが、当たり前のことこそ現実の事実であり。将来にわたって高齢者層の人口割合の方が多くなることがあるだろうか。

この白書では平成77年までの人口高齢化の予測グラフをトップに置き、将来の交通社会の危機を暗示しているが、これは無意味な予測であろう。自動車運転に関しては現在急速に実装されつつある自動危険回避システムが進み、遅くとも2025年までに新車では運転者の操作ミスを防ぐ自動危険回避システムの実装が義務付けられる世界情勢にあると思われる。2030年頃には、すべての路上車両は自動危険回避システム実装の車両となり、高齢者の乗用車利用は問題にならないばかりか運転免許も不要になろう。

 

 

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