世界保健機構の統計データで見る日本の姿 世界最上位の健康社会を実現している
世界の長寿国(人口400万人以下の国を除く)上位26か国について、比較可能な項目について、それぞれ価値が高い順からの順位を表にしたものが下表である。
日本は赤色で塗りつぶしたセルで表し、その他通常国際比較として取り上げることの多い国についてもそれぞれ色分けして表示してみた。
寿命の項目で見ると、平均寿命、健康寿命ともに世界一(2015年)、健康障害生存期間は最も短く世界一の健康安全社会を達成していることがわかる。
社会災害、健康習慣などの項目では、最悪なのが自殺率(26か国中25位)である。これは社会問題として最重要な研究と対策の課題であろう。
住宅内の環境による事故、大気汚染、微粒子(PM2.5)の被害などが中位以下で、これは行政の社会政策の責任で改善できる問題である。
寿命項目を除いた対策可能な社会環境項目では、日本と並びアメリカ、イギリスその他北西ヨーロッパ諸国が上位にあるように見える。
寿命に関しては、このリストの中では、日本、韓国、シンガポール等極東の国が欧米諸国より上位に位置されている。その理由は不明である。
日本の場合、最重要で今すぐにでも可能な政策としてできることは、住宅内の安全基準を法制化し建築基準法に盛り込み国家規模で在宅中の安全を確保することである。
先進国の中では劣悪と見られる家庭生活環境での健康障害を少なくすることは、結果として社会医療費が軽減される可能性が考えられる。多角的総合的な研究と、検証可能な科学的データに基づいた政策立案が求められる。
交通事故死についてはこの表では中位に位置しているが、これは日本で際立って多い高齢歩行者の事故死者を含むもので、乗用車運転事故では世界一安全を達成している。
http://who.int/entity/gho/publications/world_health_statistics/2016/en/index.html