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自動車乗車中の衝突事故による死傷の虚弱性は高齢者ばかりではなく若い女性でも見られ、死亡リスクは助手席同乗者のほうが運転者より大きい。 初めて見る研究報告 アメリカ運輸省交通安全局刊行物より

2017/12/23

Injury Vulnerability and Effectiveness of Occupant Protection Technologies for Older Occupants and Women

高齢者と女性のための死傷虚弱性と乗員保護技術の有効性。

DOT HS 811 766  U.S.運輸省交通安全局https://crashstats.nhtsa.dot.gov/Api/Public/ViewPublication/811766

下図は死亡リスクの加齢増加率のグラフで、青色のマークは運転者の、緑マークは助手席の同乗者のものである。左側の図は男性、右は女性のものである。

最も特徴的な結果は、同様の物理的規模の事故の結果で比べたとき、女性の死亡リスクが同年齢の男性より17.0±1.5も大きい事実である。そして男女の年齢特性パターンの違いである。

自動車交通事故データベースでは男女の間で差異があることは多くの統計で見られることは分かっているが、これほどの差異を見るのは初めてであり驚きである。

男性の場合:加齢とともに運転事故死亡リスクは増加傾向がみられるが、30歳以上から運転者に比べ助手席同乗者の死亡リスク増加率の開きが年齢とともに増加し80~85歳では運転者の増加率が3.8%に対し助手席では6.3%にもも開く。

女性の場合:運転者では若年層で男性より30%も大きく、20~30歳の若い年齢でも助手席同乗者の方が既に大きく、以後急激に低下し、65歳前後で男性と同等になり、さらに減少を続ける。助手席同乗者については運転者ほど下降しない。

高齢者側で見られる運転者と助手席同乗者の開きは、運転者は同乗者の平均より健康状態の良い者が多いからと推測される。

この論文は349ページに及ぶ詳細な統計分析を記載したもので、基本となる証拠からの結論(principal findings and conclusions)を読んで私が試みた要約である。

この論文の専門的な評価と分析をお聞かせください。

殆どの場合、高齢者事故といえば運転欠陥による事故だけに注目されているがこの論文では助手席同乗者の方が事故死リスクが大きいことが示され、自動車の乗員に対する構造的安全装備の研究が最重要な課題であることが分かった。

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