安易な統計表からの認識は真実を語るとは限らない
2017/08/05
BMJ誌から 日経メディカル 2017/7/18 、 大西淳子
運動量を増やしても認知症予防に疑問
認知症患者は診断の数年前から運動量が減少する
積極的に運動をしている人の認知症リスクが低いことを報告した研究は複数あったが、それらは逆の因果関係を見ていた可能性が指摘された。仏INSERMのSeverine Sabia氏らは、35~55歳の人々を平均27年追跡して、中年期の運動量とその後の認知機能の低下や認知症発症リスクに有意な関係は見られなかったと報告した。しかし認知症患者は、最長で診断の9年前から運動量の減少が起こっていた。結果は、BMJ誌電子版に2017年6月22日に掲載された。
これらの結果から著者らは、望ましい運動量を行っている人でも認知機能を保護する効果はなかった。認知症患者では症状が明らかになる前から運動量が低下しているため、運動に認知症リスクを減らす効果があるように見えたことが示唆されたと結論している。
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「認知症予防には運動する努力を」 ”思い込み” を支持するデータを見つけたとき最も陥りやすい誤り、それだけが確たる証拠と思い込むことの危険性。
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