高齢運転者は最も安全運転者層 アメリカの統計から
2017/06/11
高齢運転者は安全運転者層であることはヨーロッパの統計では常識として確定していることであるが、アメリカの例を示そう。用いたデータは下記の国家道路交通安全局(NHTSA:ウィキペディア訳)のレポートから。
下のグラフで見るように65歳以上の高齢者が関係した人口10万人当たりの死亡事故数は一番少ないことがわかる。
高齢者層の中での5歳年齢層区分で見た場合は80歳以上で増加する。しかし、それでも上のグラフと比較すると55-64歳の死者率と同等である。
社会的な交通災害として見た場合、これらのグラフは、すべての年齢層が同一人口であるとした仮想的な場合であり現実の評価とはならない。
このレポートでは、高齢者の運転免許保持者数は2011年時点で全体の16%程度、それに対し65歳以上の運転事故死関与率は全体の事故死の12%、70歳以上で9%、85歳以上では2%弱。これが2012年時点でのアメリカ社会での交通事故死亡者の実態である。
さらに、このレポートでは高齢者は、身体の脆弱性のために、同一規模の衝突事故で死亡する割合を考慮していない。衝突時脆弱率は非高齢者の3~5倍以上であることがヨーロッパの統計から確定していることから高齢者の関与する事故件数は更に少ないと推定される。
日本の事故統計でもこれと大差なく、警察庁の「高齢運転者が社会に危害を与えている」というキャンペーンがいかに根拠のないことか。何の目的かわからないが、それこそ人権無視の「印象操作」である。
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