交通弱者といわれる交通事故死傷者数の年齢層別状況と自動車事故との関係 再掲
交通弱者といわれる交通事故死傷者数の年齢層別状況と自動車事故との関係
下のグラフは政府統計表2015年の「昼夜別・年齢層別・状態別死傷者数(平成27年中)p.15」の表より描いたものである。

これは交通事故死傷者の数であるが、道路の実質的な利用量(暴露量)に比例すると仮定して分析される場合があり、それに従って考えて見る。
自動車事故:点線グラフと右スケール、昼夜ともに40~44歳層をピークに年齢とともに減少していく、これは職業的な運転の要素が多いと思われる。65~69歳を境に昼間の自動車事故も高齢に従い減少していく。これは主に自動車利用が個人の生活のための外出になって減った結果であろう。
歩行や自転車利用は55歳以上で増加し65歳に最高になる。この間昼間の自動車利用はあまり変わらない。70歳以上では自動車の利用が急激に減少するが歩行・自転車による移動は変わらない。これは自立的な生活や医院など健康を維持のために外出が必要であるが、自動車の利用が困難になった結果を示している。80歳超えると人口の減少もあるが体力の衰えによる外出の困難さのためと思われる。
歩行や自転車で特に顕著なのは、幼児・低学年期の歩行事故、高学年から20歳までの自転車事故、そして65歳以上の高齢期事故である。いずれも自動車交通が利用できない年齢層に特徴的状況である。
自動車事故との関連について、これを見る一指標として下ののグラフを示す。

現行の交通状況では、歩行や自転車がいかに危険に満ちた交通手段であるかがわかる。
交通事故を減らす最も効果のある方策は、いかにして交通を歩行や自転車に頼らなくてもできるようにするかである。例えば、歩行や自転車による通学をやめスクールバスの利用、高齢者には「できるだけ長く運転できる」よう信号方式など道路安全設備や、安全な車の情報を正しく提供する。運転のできなくなった高齢者には、地域社会で携帯電話による呼び出しができる運転者のボランティアを募り、実費での移動を可能にする方策など。これらは欧米先進国では従来から実施されていたり、行政などが検討に入っている論文を見ることができる。
再度強調しよう: 自動車事故の第一当事者を悪者にして厳罰を課したり、高齢者から運転免許を取り上げるような恐怖による説得により自動車利用を困難にする社会政策では、現在以上に交通事故を減らす根拠は見られない。
車を運転していない方に: あなたの生活が成り立っているのは、あなたのために食料をはじめあらゆる生活物資の輸送をリスクを負って肩代わりしている多の運転者で成り立っていることに気付いてほしい。
使用した資料:平成27年における交通事故の発生状況: e-Stat統計表一覧