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高齢者の年齢を基準とした強制的な運転運転免試験は、一般の交通の安全性を増すか? 世界の研究結果の要約例

2016/11/14
昨今、メディアではまた、高齢者の運転失敗に目立つ見出しを付けて報道している。
読み物としては一般に興味を引く記事にしやすいと思うが、社会的責任を持つメディアは、風評を誇張するような記事ではなく、高齢者の運転事故が統計的に社会に危害を与えるほど大きいかどうか、科学的な社会統計に基づく報道をすべきである。
中央集権の日本では考えられないことだが、自動車交通先進国の多くの欧米文化圏諸国では、道路交通法に相当する法律は地方行政管区によって異なる。以下の論文は高齢者の運転免許許可条件の違いと事故率を統計的に研究したものである。
高齢者の年齢を基準とした強制的な運転に関する評価は、一般の交通の安全性を増すか?
Do age-based mandatory assessments reduce older drivers’ risk to other road users?
Accid Anal Prev. 2008 Nov;40(6):1913-8. doi: 10.1016/j.aap.2008.08.010. Epub 2008 Sep 4.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19068294

この論文は、終生免許のビクトリアと、80歳以上から毎年医療証明書を提供する義務を課し、さらに、85歳以上は路上テストを義務付けているニューサウスウェールズとの事故死亡率を比較したものです。

その結果、この二つの管轄区間の間で全体的な交通事故死亡率に統計的な有意差がなかったばかりか、高齢者だけのグループで見ても差はありません。

この二つの行政区で、80歳以上の免許保持ドライバーの数を基準に見た場合は、ビクトリアの死亡率は統計的にわずか高い統計的優位性は認められたものの、ビクトリアの高齢ドライバーがサウスウェールズよりも高い乗客占有率を示していたことがわかりました。この占有率の違いを調整した結果この2管理区間での統計的差異は認められませんでした。

これらの知見から、年齢を基準にした強制免許可否プログラムは、全道路利用者の事故死亡率を減少させる安全上の利点が無いことを示唆しました。

この結果は、以前からの多くの研究結果と変わりないことを確認したことにもなります。

以上は、この論文のAbstractから私が要点を抜粋したもので、間違いを犯しているかもしれません。

今まで私が見た限り、世界各地で施行されている高齢者運転免許プログラムは、殆どの論文が利点はなく無意味であることを報告していると思います。

日本では、いまだに警察庁をはじめ道路交通省、メディアまで、総合的な科学的分析ではなく、自論に都合の良い目立つ特定の事例だけを取り上げて結論付けることで多くの誤った行為となっている場合が見られます。また、根拠のない風評を作り上げ、高齢運転者を犯罪者扱いにしていると言わざるを得ません。

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